菅豊のレビュー一覧

  • 鷹将軍と鶴の味噌汁 江戸の鳥の美食学

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    かつて日本では、野鳥を食し、愛でる文化があった。
    その当時、様々な分野に影響を与えた野鳥食について、考察する。
    序章 鳥の味にとりつかれた美食家たち
    第一章 鳥料理の源流
    第二章 江戸時代の鳥料理と包丁人
    第三章 大衆化する江戸の鳥料理
    第四章 闇の鳥商売と取り締まり
    第五章 侠客の鳥商人  第六章 将軍様の贈り物
    第七章 江戸に鳥を送る村
    終章 野鳥の味を忘れた日本人
    鳥食の日本史・略年表、引用・参考文献、索引有り。
    かつて読んだ『美味しんぼ』の中で、鶴の吸い物だったか?の
    話がありまして、え~鶴食べるの~!と当時は驚いたのですが、
    年を経て、そりゃ野鳥だって食料だよな~と納得の昨今、
    その

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    2022年06月23日
  • 鷹将軍と鶴の味噌汁 江戸の鳥の美食学

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    めちゃめちゃ面白かった!これは掘り出しもの。
    日本の野鳥食についての書籍。
     手賀沼の水鳥猟。現在、私たちが行っている鳥類標識調査のヘッドクオーターは手賀沼のほとりにある。なぜ、手賀沼で我孫子にあるのか、というのが本書の最終章でなるほど、と納得。別の理由もあるかもわからないが、調査と狩猟が表裏一体だったのは西洋の鳥類学の歴史をみてもわかること。
    タイトルで江戸時代だけのように思えてしまうが、武家社会になってから、野鳥食がすたれるまでの食肉としての野鳥、料理法、流通、狩猟、法律、文化、オフィシャルやプライベートでの利用など多岐に渡り、しかし野鳥食からブレることなく、いい感じにカバーしている。

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    2022年06月11日
  • 鷹将軍と鶴の味噌汁 江戸の鳥の美食学

    Posted by ブクログ

    これはかなりの労作。作者は民俗学者で歴史や料理の専門家ではないところが興味深い。千葉は柏の辺りに手賀沼という湖があってたまたまその近辺の神社を訪れた際に江戸時代に百両もの寄進を行った町民がいることを知り、興味を持ってどういう人物か調べたところいわゆる任侠でありかつ、野鳥の卸売業者であったということを知って日本の鳥食文化について調べたという作品。上野には明治39年に閉店した願鍋の有名店があり江戸時代の料理屋番付では殿堂入りというかランク外の上位に位置されていたそうで日本人イコール魚食い、というイメージがあるけれど野鳥を食べる習慣はかなり古くからそして現在の我々が想像するよりもかなり幅広く行われて

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    2021年10月26日
  • 鷹将軍と鶴の味噌汁 江戸の鳥の美食学

    Posted by ブクログ

    インパクトのあるタイトルが好き笑
    坂本龍馬が近江屋で食べようとしていたシャモ鍋以外、江戸時代の人が鳥を食べるイメージは正直乏しかった。

    現代の感覚で読むとたちまち胸の内が違和感で充満してくる。
    「食用鳥」というパワーワードに、「鳥柴(としば)」とかいうゾッとする贈答品、魚問屋に水鳥が並ぶ不思議…

    「日本食=魚食」のつもりでいたから祖先達の鳥食(!)への慣れ親しみようは何だか目新しかった。
    レシピはゲテモノ的なものを想像していたけど大抵は食べられそう&美味しそうなものが多く、特に鉄火飯と一世どころか何世も風靡したという雁鍋が個人的に気になっている笑

    将軍の鷹狩や庶民による野鳥の狩猟

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    2021年10月22日