大久保真紀のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ネタバレ朝日新聞編集委員の筆者が、児童相談所に超雨期密着取材してまとめたルポ。児童相談所職員の悩みと激務ぶりが臨場感をもって伝わってくる。児童相談所からの目線で書かれているので、「危険な親」からいかに子どもを救い一時保護にいたるか、が基本構造。昨日読んだ2冊は親の状況、一時保護所の処遇がそれぞれメーンだったので、立場による違いがはっきり出ていて興味深い。以下、備忘。
・5章までのルポ部分は、ほぼ既読感あり。要保護児童対策地域協議会、市町村とのかかわりについては興味深かった。
・6章。福岡市こども総合相談センターでは弁護士が常勤。職員の判断に法的裏付けを与えるとともに、一時保護所の処遇改善にも結び付く。里親家庭を増やすためにキーアセットに業務委託し成果を上げる。泣き声通報はNPOが受託。福祉職採用を増やし、職員の燃え尽き減少。
・高知県は知事の意向で福祉職増員。再統合に向けたステップの見える化。
・岩城正光弁護士(元名古屋副市長)児相の職員だけでなく区の子ども家庭対策の職員をどう育てるか。虐待に関わる職員はあまり出世しない。子ども対策で青写真をかけている自治体は明石市くらい。名古屋も児相に弁護士常勤。非常勤では顧問弁護士という意識になり、一からケースを組み立てていかない。子ども予算はケチってはだめ(ヘックマン、経済学者)。虐待対策と貧困対策は両輪。 -
Posted by ブクログ
いつも批判の矢面に立つ児童相談所。この立場から児童虐待にどう関わっているのかに触れることができた。そして、職員たちの苦労には頭が下がる思いがした。
しかし気になるところが一点。やはり、職員たちの「親」への思い込みや幻想と思われるところが各所に散見されているような気がした。職員自身の持つ「親」を雛形にして、虐待する親の苦悩を分析しているような印象を抱いたからだ。
どうしても子育てできない親もいる。しかし、手助けすれば子育てできるようになると思っている節がある。ここを著者には気づいて欲しかった。そして、切り込んで欲しかった。また、児相職員の親への態度も気になった。幼い子どもをあやすような態度を端々から感じられた。親身になるのと、馴れ馴れしいのとは、違うと思った。
思い起こせば、これを勘違いしている福祉現場の職員は意外と少なくないのではないだろうか。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ最近では虐待死の事件が起こるたびに児童相談所の対応がやり玉に挙がる。最も責められるべきは親なのだが、、、
自分ひとりで何年間にも渡って築き上げられた親子関係を分離し、場合によっては後々まで残るトラウマの原因になりかねない判断をする仕事というのはプレッシャーもたいへんなものだろう。一時保護についてはあまり迷うことはないそうだが、その後の長期的な対応には悩むという。
虐待に一番先に気づくのは保育園なのだが、両親との関係悪化をおそれて通報まではしないことが多いという。なので児相が関わるようになった段階というのは近隣などに対して虐待の事実が隠しようもなくなった時期になる。それでもやはり子供を保護する、というのは難しい、という苦労がよく分かる本