バタイユのレビュー一覧

  • マダム・エドワルダ/目玉の話

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    極限までのエロスへの追求と死の匂いが常に傍にあることで、物語全体に暗さと狂気を感じるまでの淫欲が漂っている。
    神聖な存在である司祭を性で弄び殺すというところに、暗に神は死んだということを示すと同時に、今までの神の拠り所であった場所に、極限まで高めた全く異質なものをぶっ込もうとする意欲を感じる。

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    2018年11月26日
  • マダム・エドワルダ/目玉の話

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    ポスト構造主義が流行った時によく聞かれたバタイユ。思想家だと思っていた本が「古典新訳」で出ているではないか。背表紙には「・・・あからさまな変態行為を描いた・・・」の紹介文。むむむ

    ・・・これはただのエロ話ではないのは感じるが、しかしどのように読んだらいいのだろう。汗。異様な迫力に圧され完全に消化不良。

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    2016年02月07日
  • マダム・エドワルダ/目玉の話

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    本文より引用
    私は「肉の快楽」と呼ばれるものが好きではないのです。だって、味もそっけもないものですから。私が好むのは、人びとが「汚らわしい」と思うものです。
    中略
    私が知る放蕩とは、私の肉体と思考を汚すだけでなく、放蕩を前にして私が思い描くすべてを汚し、とりわけ、星の散る宇宙を汚すものなのです・・・・・・
    引用終わり

    この本を読むと勇気が出る。意外と人間てこういう事考えるんだなと感じる。
    短い中に衝撃的な内容がギュッとつまってる。特に出だしのミルク皿のシーンはほんとに衝撃だった。おそらく普通の人が考えられる想像の範囲を軽く超えてくる。読んでいるうちにぐいぐいと文章に引き込まれる。
    一度は読む

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    2012年01月22日
  • マダム・エドワルダ/目玉の話

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    極端さ、濃さといった点でもまさしく一級品。

    ふつうのエロには飽きた、そんなココロのスキマをさらに深くえぐります。

    好きか嫌いか、どっちかに分かれると思います。とにかく極端だから。エロスを突き詰めていく話だから苦しいです。

    でもちょっと距離をおいて眺めるとかなり面白かったりします。

    濃厚すぎるエロはグロだし、快感と恐怖は背中あわせ…瞬間の美を求めつづけていく先になにがあるのか。

    くれぐれも
    いい大人は真似しないでください。

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    2011年02月18日
  • マダム・エドワルダ/目玉の話

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    こんなにエロスでこんなにぶっ飛んだ本を私は未だ嘗て読んだことがない。終始興奮気味に読んでいました(笑)
    エロスと知性は比例関係にあると思う。

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    2011年02月04日
  • マダム・エドワルダ/目玉の話

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    バタイユが精神療法の一環として書いた『目玉の話』。
    少年と少女が繰り返す性的遊戯はどこまでいくのか。
    バタイユが綴る物語は、低俗に堕さずにエロスへと昇華されます。
    大人なら、エロ本読むより、これを読め!

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    2010年09月17日
  • マダム・エドワルダ/目玉の話

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    ネタバレ

    新訳のG.バタイユ    -2006.10.25記

    光文社が今月より文庫版の古典新訳シリーズの出版をはじめた。
    そのなかからさしあたりG.バタイユの「マダム.エドワルダ/目玉の話」を読んでみた。
    成程、「いま、息をしている言葉で、もう一度古典を」とのキャッチフレーズを裏切らず、咀嚼された平易な翻訳で読みやすいにはちがいない。

    「きみがあらゆるものを恐れているのなら、この本を読みたまえ。だが、その前に断わっておきたいことがある。きみが笑うのは、なにかを恐れている証拠だ。一冊の本など、無力なものに見えるだろう。たしかにそうかもしれない。だが、よくあることだが、きみが本の読み方を知らないとしたら

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    2022年10月14日
  • マダム・エドワルダ/目玉の話

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    ネタバレ

    初バタイユは『眼球譚』ではなくこちらへ。生田耕作訳はこの次に読もうと思います。・・・・・・しかしまあ、ジョルジュ・バタイユの名前はよく聞くものの、手を出せずにいたわけですが、実際こうして光文社の新訳版を読んでみると、今まで彼に抱いていた印象とは違った感じを受けました。なんだかこう、こんなに不安定な小説だったのか! って。この手の小説って、もっと傲然としているというか、我関せずに言いたい放題やりたい放題ってイメージが強かったので(マルキ・ド・サドの小説的な?)、まったくそれがないわけではありませんが、どこか不安や恐れも滲み出た哲学的な小説でした。

    『マダム・エドワルダ』も『目玉の話』も、あまり

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    2021年12月12日
  • マダム・エドワルダ/目玉の話

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    ネタバレ

    20世紀前半から中ごろに活躍したフランスの作家・バタイユの代表小説二作品の新訳版です。どちらも性描写が多く、内容としても中心に性がある作品で、とくに『目玉の話』においては、ある種の極まで到達した性の感覚を扱っていて強烈な読書体験になる作品でした。分量は短いのですが、読んでは考えまた読んでは考えしながら、少しずつ嘴でつつくような読み方をして自分なりに消化してみた次第です(全消化とまではいってないでしょうけれども)。

    まず『マダム・エドワルダ』。娼婦との一夜の話です。娼館からも抜けだしてパリの街中にさまよい出て、快楽と危険の線上を行く物語は続いていく。暗い色味で写実的、でも幻想性を帯びた、エロス

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    2021年10月08日
  • マダム・エドワルダ/目玉の話

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    蔦屋に積んであったのを何気なく手に取った。
    バタイユ: そのパトスとタナトス 酒井健さんによる本を課題とした読書会 何回かに分けて行われたのに参加している最中だった。

    そんなこんなで小説も手に取った。なんだこれは?話の筋が変態的で凄い。バタイユの生い立ちも凄い。父が梅毒で失明しており、まもなく四肢が麻痺する。その父の排泄の手伝いをしていた。目玉の話は悲惨な実話なのだ。玉子と眼球と睾丸は楕円的球体という形態上の類似と音韻上の類似を介して結びつく無意識の連続のドラマだという。シモーヌが司祭にとった行動は、想像だにしなかった。まさか。エドモンド卿と私 語り手?とシモーヌの関係に頭が混乱しました。マ

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    2019年04月06日
  • マダム・エドワルダ/目玉の話

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    「マダム」露出狂というのかな、現実にはすぐ通報され周りは恐怖に包まれるので、こういうのはAV世界でしか起こり得ない哀しさ。

    「目玉」十代の男女が成熟し始めた肉体を駆使し、エロスのその先に有るものを突き詰めるために狂ったように奔走する。

    なんだっけこれ。。。

    ハッ、鮭が産卵のために自分が産まれた川に帰ってくる様子みたいだ!



    最後にポロリと作者の幼年期に起こった出来事がトラウマとして書かれ、それが一番衝撃的で心打たれる。辛い葛藤を何とかかろうじてエロスに変換して、正気を保っているのか。せつない。

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    2018年07月31日
  • マダム・エドワルダ/目玉の話

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    ネタバレ

    【本の内容】
    「ある街角で、不安が私に襲いかかった。

    汚らしく、うっとりするような不安だ」極限のエロスの集約。

    戦慄に満ちた娼婦との一夜を描く短編「マダム・エドワルダ」に加え、目玉、玉子…球体への異様な嗜好を持つ少年少女のあからさまな変態行為を描いた「目玉の話」を収録。

    [ 目次 ]


    [ POP ]
    子供なんてのは、まあ親から与えられた本なんてだいたい興味無いですよね。

    親の価値観なんて古くてダサいっていうか、教養なんてウザいっていうか、自分たちの世代の方がいけてるっていうか。

    なので、親としてはやっぱり子供にナメられないような本を与えたいところですよね。

    まあなんでもいいんで

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    2014年10月31日
  • マダム・エドワルダ/目玉の話

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    え、目玉の話って、と最初邦題に戸惑った(不安を感じた)ものの、読んでみると最高でした。
    内容、周りの狼狽を描いていないあたりに突っ切った感が出てるというか。何故たまごなのかと思うが(だって玉子じゃ、ね)性的に描けばなんだって性的になるのだなと。だからシモーヌの性癖は先天的なものよりも後天的なものと思って読んでいたが、最後「私」(バタイユなのか?)視点で語られる分析によってすとんと腑に落ちた。

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    2014年09月10日
  • マダム・エドワルダ/目玉の話

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    大変読みやすい翻訳。
    マダム・エドワルダと目玉の話の差異が面白い。
    今年(2014)のセンター試験の小説がマジキチ、と評されていたが、これらの作品が出たら受験生はどのような顔をするのかと想像するだけでニヤリとした。
    球体とは、完璧な立体で、心惹かれる美しさを持つのもわからなくもない(そこに性的魅力を持つかは別にして)
    いやしかし、睾丸も乳房もある意味球体なので、エロシズムを携えた立体なのかもしれない。
    訳者があとがきに書いているように、谷崎潤一郎の卍と、痴人の愛と共通があるのか、次はその二作品を、読みたい。

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    2014年01月24日
  • マダム・エドワルダ/目玉の話

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    「目玉の話」はすごい。最初から最後まで、変態性欲と悪徳の所業が息つく間もなく展開し、最後のクライマックスの場面に到達する。すごいなと思う。でもどう論評したらいいかわからない。

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    2012年11月14日
  • マダム・エドワルダ/目玉の話

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    バタイユの作品を初めて読んだけど、とにかくぶっ飛んでる。この作品内ではエロスは種の存続のためには機能しない。連続性の無い行為こそが美しいとされるこの作品の世界はまさに「非日常」であり、それこそが芸術に求められるものではないかと思いました。

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    2010年12月09日
  • マダム・エドワルダ/目玉の話

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    目玉の話のボリュームがありすぎて、マダム・エドワルダが吹っ飛んだわ。
    200ページないのに読み終わるのに無茶苦茶時間がかかった。いわゆるエログロス〇トロのオンパレードで、その行為にちっともエロスを感じさせない描き方をしているので、多分その手の趣味の持ち主が読むとたまらんのでしょうが、興味のない人間にはひたすら苦痛…というより飽きた。
    なぜそういう嗜好になるのか(なったのか?)という部分が書かれていたらもう少し面白く思えたのかな…。
    アンモラルな世界に哲学的な意味を見出すことのできない凡人には難しい本でした。
    そういえば「城の中のイギリス人」も同じ理由(飽きた)で挫折したのを思い出した。
    いやぁ

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    2025年06月05日
  • マダム・エドワルダ/目玉の話

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    ネタバレ

    多分求めてるものがまず違った。パウロ・コエーリョの「11分間」に感じたものを求めながら読んでしまったのがまず違った。

    尿や糞に全くエロティックさを感じないのでひたすら汚かったし、解説の言葉を借りれば「ヘミングウェイ的な」文体もそこまで好きではなかった。ラディゲとかコクトーの方が個人的に好きだし、こういう「エロティック」な (尿とか糞ではなく)な題材でラディゲとかコクトーが書いたらどうなるんだろう、そっちの方が読みたくなった。

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    2023年09月21日
  • マダム・エドワルダ/目玉の話

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    「眼球譚」として読んだ際は、これが村上龍の「限りなく透明に近いブルー」の親玉かと感慨深かった。
    新訳でもバタイユのエロティシズムは地獄絵図だった。限界、禁忌を突き破って堕ちる。汚物、血に塗れる。耽美なんてのは甘いとでも言わんばかり。本書はバタイユの作家論的な側面にも触れつつ作品の成り立ちを解説しているが、生の欠落部を埋めるには余りにも作品が強烈では‥。

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    2023年05月01日
  • マダム・エドワルダ/目玉の話

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    たかだか140頁くらいのお話なのに、読み始めて読み終えるまで16日も掛かってしまうくらい、食傷気味。。

    バタイユさんの最高傑作らしい「マダム•エドワルダ」よりも、「目玉の話」のインパクトが凄すぎた。

    冒頭の、猫用のミルク皿にシモーヌがお尻を浸す、という場面が有名らしいが、その後も、ひたすら変態的場面が続く。

    闘牛場で、シモーヌの要望により、仕留められたばかりの闘牛の睾丸がふたつ生のまま銀の皿で供され、シモーヌは、闘牛の(文字通り目玉が飛び出る)死亡事故を観ながら、ひとつは食べ、ひとつは隠部に入れる、という意味不明の倒錯の世界へ。。

    最後の方のセビリアの教会での出来事は、キリスト教会がど

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    2022年05月02日