バタイユのレビュー一覧

  • マダム・エドワルダ/目玉の話
    極限までのエロスへの追求と死の匂いが常に傍にあることで、物語全体に暗さと狂気を感じるまでの淫欲が漂っている。
    神聖な存在である司祭を性で弄び殺すというところに、暗に神は死んだということを示すと同時に、今までの神の拠り所であった場所に、極限まで高めた全く異質なものをぶっ込もうとする意欲を感じる。
  • マダム・エドワルダ/目玉の話
    ポスト構造主義が流行った時によく聞かれたバタイユ。思想家だと思っていた本が「古典新訳」で出ているではないか。背表紙には「・・・あからさまな変態行為を描いた・・・」の紹介文。むむむ

    ・・・これはただのエロ話ではないのは感じるが、しかしどのように読んだらいいのだろう。汗。異様な迫力に圧され完全に消化不...続きを読む
  • マダム・エドワルダ/目玉の話
    本文より引用
    私は「肉の快楽」と呼ばれるものが好きではないのです。だって、味もそっけもないものですから。私が好むのは、人びとが「汚らわしい」と思うものです。
    中略
    私が知る放蕩とは、私の肉体と思考を汚すだけでなく、放蕩を前にして私が思い描くすべてを汚し、とりわけ、星の散る宇宙を汚すものなのです・・・...続きを読む
  • マダム・エドワルダ/目玉の話
    極端さ、濃さといった点でもまさしく一級品。

    ふつうのエロには飽きた、そんなココロのスキマをさらに深くえぐります。

    好きか嫌いか、どっちかに分かれると思います。とにかく極端だから。エロスを突き詰めていく話だから苦しいです。

    でもちょっと距離をおいて眺めるとかなり面白かったりします。

    濃厚すぎる...続きを読む
  • マダム・エドワルダ/目玉の話
    こんなにエロスでこんなにぶっ飛んだ本を私は未だ嘗て読んだことがない。終始興奮気味に読んでいました(笑)
    エロスと知性は比例関係にあると思う。
  • マダム・エドワルダ/目玉の話
    バタイユが精神療法の一環として書いた『目玉の話』。
    少年と少女が繰り返す性的遊戯はどこまでいくのか。
    バタイユが綴る物語は、低俗に堕さずにエロスへと昇華されます。
    大人なら、エロ本読むより、これを読め!
  • マダム・エドワルダ/目玉の話
    新訳のG.バタイユ    -2006.10.25記

    光文社が今月より文庫版の古典新訳シリーズの出版をはじめた。
    そのなかからさしあたりG.バタイユの「マダム.エドワルダ/目玉の話」を読んでみた。
    成程、「いま、息をしている言葉で、もう一度古典を」とのキャッチフレーズを裏切らず、咀嚼された平易な翻訳...続きを読む
  • マダム・エドワルダ/目玉の話
    初バタイユは『眼球譚』ではなくこちらへ。生田耕作訳はこの次に読もうと思います。・・・・・・しかしまあ、ジョルジュ・バタイユの名前はよく聞くものの、手を出せずにいたわけですが、実際こうして光文社の新訳版を読んでみると、今まで彼に抱いていた印象とは違った感じを受けました。なんだかこう、こんなに不安定な小...続きを読む
  • マダム・エドワルダ/目玉の話
    まず『マダム・エドワルダ』。娼婦との一夜の話です。娼館からも抜けだしてパリの街中にさまよい出て、快楽と危険の線上を行く物語は続いていく。暗い色味で写実的、でも幻想性を帯びた、エロスがテーマの絵画を何枚も何枚も続けざまに眺めているような読書体験でした。アート作品と呼んだほうがしっくりくるような文学作品...続きを読む
  • マダム・エドワルダ/目玉の話
    蔦屋に積んであったのを何気なく手に取った。
    バタイユ: そのパトスとタナトス 酒井健さんによる本を課題とした読書会 何回かに分けて行われたのに参加している最中だった。

    そんなこんなで小説も手に取った。なんだこれは?話の筋が変態的で凄い。バタイユの生い立ちも凄い。父が梅毒で失明しており、まもなく四肢...続きを読む
  • マダム・エドワルダ/目玉の話
    「マダム」露出狂というのかな、現実にはすぐ通報され周りは恐怖に包まれるので、こういうのはAV世界でしか起こり得ない哀しさ。

    「目玉」十代の男女が成熟し始めた肉体を駆使し、エロスのその先に有るものを突き詰めるために狂ったように奔走する。

    なんだっけこれ。。。

    ハッ、鮭が産卵のために自分が産まれた...続きを読む
  • マダム・エドワルダ/目玉の話
    【本の内容】
    「ある街角で、不安が私に襲いかかった。

    汚らしく、うっとりするような不安だ」極限のエロスの集約。

    戦慄に満ちた娼婦との一夜を描く短編「マダム・エドワルダ」に加え、目玉、玉子…球体への異様な嗜好を持つ少年少女のあからさまな変態行為を描いた「目玉の話」を収録。

    [ 目次 ]


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  • マダム・エドワルダ/目玉の話
    え、目玉の話って、と最初邦題に戸惑った(不安を感じた)ものの、読んでみると最高でした。
    内容、周りの狼狽を描いていないあたりに突っ切った感が出てるというか。何故たまごなのかと思うが(だって玉子じゃ、ね)性的に描けばなんだって性的になるのだなと。だからシモーヌの性癖は先天的なものよりも後天的なものと思...続きを読む
  • マダム・エドワルダ/目玉の話
    大変読みやすい翻訳。
    マダム・エドワルダと目玉の話の差異が面白い。
    今年(2014)のセンター試験の小説がマジキチ、と評されていたが、これらの作品が出たら受験生はどのような顔をするのかと想像するだけでニヤリとした。
    球体とは、完璧な立体で、心惹かれる美しさを持つのもわからなくもない(そこに性的魅力を...続きを読む
  • マダム・エドワルダ/目玉の話
    「目玉の話」はすごい。最初から最後まで、変態性欲と悪徳の所業が息つく間もなく展開し、最後のクライマックスの場面に到達する。すごいなと思う。でもどう論評したらいいかわからない。
  • マダム・エドワルダ/目玉の話
    バタイユの作品を初めて読んだけど、とにかくぶっ飛んでる。この作品内ではエロスは種の存続のためには機能しない。連続性の無い行為こそが美しいとされるこの作品の世界はまさに「非日常」であり、それこそが芸術に求められるものではないかと思いました。
  • マダム・エドワルダ/目玉の話
    多分求めてるものがまず違った。パウロ・コエーリョの「11分間」に感じたものを求めながら読んでしまったのがまず違った。

    尿や糞に全くエロティックさを感じないのでひたすら汚かったし、解説の言葉を借りれば「ヘミングウェイ的な」文体もそこまで好きではなかった。ラディゲとかコクトーの方が個人的に好きだし、こ...続きを読む
  • マダム・エドワルダ/目玉の話
    「眼球譚」として読んだ際は、これが村上龍の「限りなく透明に近いブルー」の親玉かと感慨深かった。
    新訳でもバタイユのエロティシズムは地獄絵図だった。限界、禁忌を突き破って堕ちる。汚物、血に塗れる。耽美なんてのは甘いとでも言わんばかり。本書はバタイユの作家論的な側面にも触れつつ作品の成り立ちを解説してい...続きを読む
  • マダム・エドワルダ/目玉の話
    たかだか140頁くらいのお話なのに、読み始めて読み終えるまで16日も掛かってしまうくらい、食傷気味。。

    バタイユさんの最高傑作らしい「マダム•エドワルダ」よりも、「目玉の話」のインパクトが凄すぎた。

    冒頭の、猫用のミルク皿にシモーヌがお尻を浸す、という場面が有名らしいが、その後も、ひたすら変態的...続きを読む
  • マダム・エドワルダ/目玉の話
    エロスを感じたくて読書している訳じゃないし、それを目的として書かれたものでもないんだろうけど、どうしても下世話な目線で見てしまうし、そうなってくると自分が好きな内容じゃない。ここに文学的価値を見出すためには、エロスの成り立ちや歴史だったりとか、表現の自由が制限されている社会への想像力だったりとかが必...続きを読む