山本貴光のレビュー一覧

  • 記憶のデザイン

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    記憶というものがどういうものか。記憶は、自然と人工物の重なり合った時空間を基礎として、他者との関わりの中で形成される。さらに、インターネットとコンピュータによる情報環境が加わることで、意識には上がらない定着することなく忘れ去られてしまう膨大な記憶がある。
    そのような現代社会において、自らの記憶をどのようにデザインするか。内部記憶と外部記憶の役割を整理することで、ネット社会における内部記憶の重要性を再認識させてくれる。
    最後に提案される知識OSは、情報環境の発展に寄り添った画期的なアイデアであり、好奇心くすぐるものであった。

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    2021年03月29日
  • 記憶のデザイン

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    インターネットでいつでも検索できるにしても、それらは巨大な倉庫に格納されている素材にすぎず、人が自らの人生を生きるためには、それらのフラグメントを自己の時間的/空間的にネットワーク化された記憶(五感も組み入れられた自分自身の内なるシステムともいえる)と相関させることが必要であるはず。その際には、自分自身の記憶について、「上手くできたインデックス」を活用できるとうれしい。コンピュータ/通信の技術を役立てるとしたら、このインデックスを洗練・高機能にできるという面ではないか。
    と、いうようなことを語っておられるようだ。かっちりした解説書というよりも、ふんわりとしたケーブのような印象のエッセイ。

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    2021年03月07日
  • コンピュータのひみつ

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    昔からコンピュータが苦手だった。しかしこれについて知らなければ、今感じているこの気持ち悪さは一生取れないのではないか。
    コンピュータとは、コンピュータが当たり前になっているこの世界とは一体何なのか。
    それが知りたいと思い読んだ。

    質問と、それに対する返答という対話形式で書かれていて、疑問を一つ一つ確認しながら無理のないペースで読み進めることができた。

    特に面白かったのは、プログラムの実行を、物理的にはどのように行っているのかという話。
    電流のオン・オフによって、二進数の1と0を作る。いくつかの基本回路を組み合わせることで複雑な命令を表現することができる。回路がどういう仕組みで作られるのか、

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    2020年11月06日
  • コンピュータのひみつ

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    コンピュータ自体のしくみをわかりやすく説明してある本。

    おすすめの読者としては、普段PCを使っているけど具体的にPC内部で何が起きているかわからない、または考えたことがない人に特におすすめかと思われます。

    対話形式なのと一つ一つ疑問に答えながら進むので非常にわかりやすい本です。

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    2019年10月24日
  • コンピュータのひみつ

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    コンピュータについての知識を得るというより(その点でも分かりやすい書籍ではあります)、これは本文でも触れられていますが、コンピュータについて「なんでだろう」と思えるようになることがこの書籍の良いところだと思います。

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    2019年09月29日
  • 脳がわかれば心がわかるか──脳科学リテラシー養成講座

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    おばあちゃんが亡くなったときの悲しみは、ただシナプスの反応に過ぎないのか・・・まぁ、そんなことを言われたらムカっとくるだろう。でも、脳科学で進めばそうなるんだよ、という人はたしかにいるのかもしれない。その感覚的にはなんかヘンだなぁということを、さまざまな文献を広げつつ話してくれるのが本書の楽しさだ。本書によれば、それはやっぱりちょっと変だよ、ということになる。幅広い本からの知識が、疑問に答えてくれるあたり、読書っていいものなんだなと楽しく思えた。

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    2018年12月18日
  • 文体の科学

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    文体をベースに様々な本を紹介している好著だ.1665年創刊の「哲学紀要」は西洋の文化を文書の形で残す偉大な試みで、この時代の人の先見性に驚嘆する.「吾輩は猫である」の詳細な解説が楽しめる.ヨハネによる福音書の冒頭の言葉の解説もよく調査している痕が観察できて、楽しめた.

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    2015年08月27日
  • 世界が変わるプログラム入門

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    言語うんぬんの話より、見通しの立て方などにフォーカスして書いてあったので、プログラムそのものの楽しみを味わうことができた。

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    2015年06月30日
  • コンピュータのひみつ

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     コンピューターでできることはいったいなんなのだろうから始まる本。多くの基本本の一つ手前から考え始めるのだが結局最後はありきたりのパターンにとどまってしまったのが残念。

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    2013年01月15日
  • コンピュータのひみつ

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    コンピュータは、0と1の世界であるということわかりやすく解説したセミナーの講義録です。本文でもでてきますが、コンピュータがわかるということはどういうことかについて詳しく書かれいるのは、多数ある技術書とは趣が違っていて評価できますね。
    操作方法についての学習も大変意義はありますが、まず、この角度での学習が必須なのではとおもいますね。良書。

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    2011年12月12日
  • コンピュータのひみつ

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    パソコンを記憶装置と見立てるところから始まり、計算機プログラムやネットワークの問題を講義形式で進めていく。
    従来のコンピューター入門書にはない軽妙さが、非常に哲学的でもある。細かいパソコンの仕組みの理解ではなく、そもそものコンピューターという存在の捉え方を教えてくれる。

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    2011年11月06日
  • コンピュータのひみつ

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    コンピュータって何だろうって思うんだけど、難しい本ばかりでちょっとって人にオススメできるのでは。
    これ1冊で色々分かる訳ではないけど、導入部としては十分だと思う。

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    2015年02月22日
  • コンピュータのひみつ

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    ・対話(ラフな授業)形式で書かれてある。

    ・ぱそこん初心者:
     「一体何がわかんないのかもわかんない」人向け。
     これを読んだってスキルや知識が身につくわけでは無い。
     ・・・が、しかし。
     「わからないところ」が具体的に見えてくるでしょう。これは大きな収穫。 
     
    ・パソコン経験者:
     あなたの周りにいる、あなたが理解できないことに悩まされている人を
     理解するためのヒントがあるかもしれない。
     「いや、なんでわかんないの?!」って言う回数がぐんと減るはず。

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    2010年10月12日
  • 図書館を建てる、図書館で暮らす―本のための家づくり―

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    外からだと普通の家なのに、中の写真がほんとに圧倒!こんなにみっちり本が詰まった場所、昔の外国のお屋敷みたいなのしか見たことない。
    ほぼ知らない本ばかりだけど、写真で見てもワクワクする。でもこんなにスペースあるのにもうしまう場所は無いのか。後半の美術展?の話が面白かった。本って全く読まない人にも飾りに使われるくらいだから、お洒落アイテムにもなるんだよね。

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    2025年06月17日
  • 文学のエコロジー

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    良い意味で素朴な文学読解の手引き書。解読骨子は与えてくれるわけではないので文学理論の便利な道具箱としては機能してくれない。だが、道具以前の手の使い方は十分に教えてくれる。シュミレーションをキーワードとする前半部は特に興味深い。文学作品内の事象を再現するためには、どのようなオブジェクトの設定が必要なのか、それによってどのような情景を描けるのか。また、登場人物の心理状態の変化と行動がどのように結びついているか、など基礎的ではあるが、拙速な読書の際に忘れがちなことを思い出させてくれる。文章による省略や感情の動きなど、再現が難しかったり、ブラックボックス化されていたりする部分があることについても無理に

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    2024年05月21日
  • 脳がわかれば心がわかるか──脳科学リテラシー養成講座

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     正解というのは存在せず無限ループに陥り諦めてしまうよ。その中で様々な意見を交わすことが大切だなと感じる内容でした。
     結末をこれだと決めつけると新たな問題が出てくるし、他の視点も出てくるので色んな角度で人の心について学べる良い機会だと思いました。
    しかし、あれもこれもと意見が飛び交うので根気強く理解する必要がありそう。

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    2024年05月15日
  • 文学のエコロジー

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    文学を読んでいるとき、私たちの頭のなかではどのように作中世界が構築されていくのか。ゲームクリエイターでもある筆者が「文章から読み取れる世界をコンピュータプログラムで作るとしたらどうなるか」をシミュレーションすることで、逆説的に浮かび上がってくる〈文学のエコロジー(生態学)〉を考える。


    テッド・チャンと一緒に読んでいたのもあってなぜ例文に「あなたの人生の物語」がでてこないんだろうと思ってしまうくらい、言語コミュニケーションがもつ豊かさと不完全さへのまなざしに共通するものがあると感じた。チャンがあの分量で言ったことを説明するにはこの本ちょっと長すぎるんだけど。
    バルザックを扱う前半はウンベルト

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    2024年04月27日
  • 記憶のデザイン

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    記憶を自然、技術、社会、精神の4領域の観点から語るエッセイ
    現在を情報の濁流と表現しており、まさにそうだと思われる
    その中で適切に記憶するにはビオトープ、つまり安定した池のような環境形成が大切だと語られている
    まさにその通りで、流れる情報をそのまま受けていたら処理しきれない
    ビオトープを作るには工夫が必要であり、情報の遮断というのも一つ
    また書籍での情報というのも一つの形
    書籍は開かない限り情報として入って来ないが、置いてあるだけでもタイトルや物理的な形から漏れ出る情報は拾える
    暗知的な情報取得の手段となる
    普段、明確に言語化できていなかったことを文章として明示してくれて有り難かった

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    2024年04月14日
  • 私たちはAIを信頼できるか

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    AIとは、人間には不可能な全知に近い領域から、その対象にとって最も合理的な最適解を導く事の出来るツールと言える。桁数の多い暗算は人間には難しいが、計算機は即答だ。同様に、数字による規則性ではなく、言語による記号接地、つまり現物と言葉を対にして紐付け、概念にも言葉を当てはめ、自然言語をマスターした上で、それらの動きや関係性を考慮できるなら、圧倒的に人間を凌駕する。大企業の社長が企業全体のリソースや活用策を把握する事は難しいが、AIは可能だ。

    「押すなよ、絶対に押すなよ」
    この文脈は最後までAIには分からないが、分かる必要はない。ここが人間とAIの境目であり、皮肉や嫌味、ギャグや曖昧な表現は、不

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    2023年08月27日
  • 自由に生きるための知性とはなにか

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    印象的な章
    なぜ人はあいまいさを嫌うのか
    人間関係のデモクラシー

    本が答える人生相談では読んでみたい本が何冊か発掘できてありがたかった。
    分厚い本だったけど小難しくなくすぐ読めてしまった。

    章の最後に もっと考えてみよう。の問いがあったのがさらに良かった。

    いろんな気づきや考えるきっかけになり楽しかった。

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    2023年01月29日