会って1週間で婚約したイタリア人の恋人と挙式するため、ビクトリアは彼の故郷であるピエモンテの田舎町にやってきた。こんなに美しい町で家庭を築けるなんて、想像以上の幸せ…。ところが彼女を出迎えたのは、恋人の兄マウリツィオだった。家業を継いだ敏腕実業家で、誰も逆らえないと聞いている。彼は挨拶もそこそこに、
...続きを読む弟とは結婚できないと彼女に告げた。幼なじみの女性を身ごもらせたため、責任をとらせるのだという。あまりの仕打ちに絶句するビクトリアに、彼はさらに言った。「僕はきみを侮辱した家族の長だ。償いとして僕が結婚しよう」。
いやいや弟が不始末をしでかしたからと行って、兄が代わりに結婚すればいいというものじゃないだろうと。違う人なんだからさ。ヒロインもそんなことを承知するなよ、と。そして相変わらず愛がわからないヒーロー、なのに独占欲だけはやたら強いヒーロー。本当にどこがいいのか、さっぱりなヒーロー。でもそれでも面白かったりするので侮れない。