東野圭吾の発明といえば探偵ガリレオではなく、金属に放電加工で斜めに穴をあける方法がちゃんとした特許になっている。この特許の出願は85年10月でデビュー作放課後が店頭に並ぶ一ヶ月後のことだった。松ちゃんは隣の部屋まで行かないとストップが推せない目覚まし時計を発明し、秋元康はAKBメンバーを振りまくると
...続きを読む残った一人に神告白を受けられるゲームを発明し特許出願している。
動物を使って地震を予知する装置の発明では地震の際の超低周波を感じたトカゲがしっぽを45℃あげることで地震を予知する。「4月13日にトカゲが尾を立てた回数は32回であり、4月14日は48回であった。これらは、4月9日から12日までの平均回数である9.3回より遥かに多い。そして、4月15日12時19分に三重県中部を震源とする地震(マグニチュード5.4)が発生した。おお〜っ!やるなトカゲ!
富士フィルムはスタンガンの代わりになるデジカメを出願している。わっはっはっ。しかしスマホの防犯機能とかブザーとかフラッシュとか、リストバンドでモニターして何かあったら勝手にアラームを発信するとか同じ延長線上の発想なのでまじめに考えたんだろうなあ。
吉村教授はキリンと組んで古代エジプトビール再現プロジェクトを実施し、発明した。先行文献は古代エジプトの壁画。そこから工夫を加えたナイルシリーズはなぜか出願は早稲田に加え、京大と黄桜!で、キリンはお好きにどうぞと太っ腹だ。地ビール程度の売り上げには興味はなく広告の一環だとか。古代エジプトで栽培されていたエンマー小麦の種を京大が持ってて、地ビールも作る黄桜が現代の技術で醸造したのだ。エンマー小麦のホワイトナイル、デュラム小麦のブルーナイル、に加えルビーナイル、サイファーナイルとシリーズは続きこのビールは京大生協や早稲田学内などで飲める。京大が得た実施料収入は1本10円。開発に使った人件費が1000万円を超えているので大赤字だ。はっはっはっ!飲みに行こう!!
越後製菓はパックの切り餅の横にスリットを入れた特許を取得し「越後ふっくら名人」を発売、サトウ食品の切り餅「パリッとスリット」に喧嘩をふっかける。「ふっくら名人」は切り込みのおかげできれいに上下に膨らみはみ出さない。「パリッとスリット」の方はといえば上下に十字架上に切り込みがあり、さらに横にも切り込みがあったのでこれが特許侵害かどうかが争点になった。サトウ食品はもっと前から横に切り込みのある商品としてなぜか2009年の裁判時に残っていた2002年の商品「こんがりうまカット」を証拠として提出し「ふっくら名人」の特許を無効と申し立てるがいかにも怪しい。本当に作っていたのであれば証拠はもっと残ってそうな物だ。サトウ食品のサトウ元社長は日経ビジネスで「2002年の餅にカビが生えずに残ってるはずがない」と悔しそうに語っているが、そんなことは判決文には書かれていない。疑問点はわずか1ヶ月しか発売されてなかった「こんがりうまカット」に限ってなぜ都合よく残っていたのかなのだが。
ニッスイの発明も強力だった。「豆の薄皮に塩味が感じられ、かつ、豆の中心まで薄塩味が浸透しているソフト感のある塩味湯で枝豆の冷凍品」。何がすごいって製造方法ではなく物の特許なのでどうやって作っても特許に引っかかる。この経緯はニチロ元専務が「知的財産物語 枝豆戦争」に書いてるらしいが異議申し立てに対してニッスイは「緑色の維持された」を追加して訂正している。「こうして日水の特許が維持された時点で、塩味と名がつくあらゆる枝豆は全て日水の特許権を侵害することになった。これほど巧妙かつ大胆な裏技は並の力量ではできない。特許庁OBの日水顧問弁護士、須藤阿佐子、恐るべし。」(同書より)結局この特許は一度認められたにも拘らず進歩性がないと無効になる。塩ゆですれば味が浸透するのは当たり前で薄味かどうかは程度の差、誰にでも思いつくことだと。こんな裁判を長期化させた特許庁の方が恐るべしかも知れない。