青木奈緒のレビュー一覧
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ネタバレ幸田家に代々伝わる言葉について、幸田露伴の曾孫であり、幸田文の孫である青木奈緒さんが語っている。
全部で40近くの言葉が挙げられているが、祖母である幸田文の言葉が多い印象。
そのため、それぞれの言葉の説明部分では、幸田文の作品が多く引用されているが、併せて実際に祖母や母が、その言葉を使った場面も回顧されている。そこはやはり親族ならではの視点だ。
そして何より、現代の方だから言葉が分かりやすく、幸田文の言葉を通訳してくれている感じもある。
この本を残してもらえてよかったと感謝したくなる。
先日、幸田文の随筆も読んだが、奈緒さんが思い出す祖母・幸田文と、本人の書く文章から受ける印象とまた違う -
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幸田文...明治生まれの随筆家
その孫が編纂している...本書
『しつけ帖』でその文体に惹かれてまた手に取る。
いい文体です。そしてやっぱり心のひだに入り込み琴線に触れます。
書かれた当時は現代と違い「老い」を意識する年齢が今よりずっと早い(若い)のもそれぞれのエッセイ一編の最後に書かれた時の年齢が載せてあるのも興味深かった。
なんていうのかなぁ〜
心に秘めた、何かいい意味での塊がちゃんとあって、それを通して見聞きして感じたもの、自らの体験をこれまたしみる文章で書かれていて...なんだかとっても「人」なんだよなぁ〜と感じてしまう。
もしかして、これてファンなのかなって...思ってしまう( -
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幸田文さんと言えば、幸田露伴のお嬢さん。 ず~っと昔、幸田露伴の「五重塔」を読んだ直後に、そのお嬢さんである幸田文さんの「父・こんなこと」を読んでみようとしたことがあるのですが、当時の KiKi にはどことなく古臭く感じられる一切合財(特に露伴さんのあれこれ)が何となくうざったくて、なかなか前へと読み進めることができず挫折したというありがたくない思い出があります。 そして当時の KiKi は日本人の女流作家の描く日常的なアレコレを言語化したものに対する興味がすこぶる薄くて、そのことが「読み進められない挫折感」をさらに助長しました。 何て言うか、生活臭が強すぎてつまんない・・・・というよう
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ドイツで翻訳の仕事をしながら暮らしている松村京を中心に、36歳になる今も大学に通っている恋人のカールハインツや、女友達のエルケとズザンネ、そして京とカールハインツの親たちとのかかわりなど、生活の中の風景を切りとった小説です。
日本を離れて暮らす京には、親たちや日本へのアンビバレントな感情を時折のぞかせることもあります。しかしそれは、翻訳の仕事の悩みや、カールハインツとのいさかい、エルケの結婚生活に対する心配といった、彼女の生活を彩る数多くの出来事のひとつでしかなく、「祖国への愛憎」という言葉が連想させるような重苦しさはありません。そこに、肩肘を張ったコスモポリタニズムとはちがう意味で、それぞ -
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大好きな幸田文さんの本を岩波少年文庫で見つけた。
読んだことのあるものとないものが入り混じっていたが、表題の「台所のおと」
は初めて読んだ。(「みそっかす」は読んだことあり)
著者得意の人情の機微が台所仕事で生まれる「おと」に込められており、心に沁みたり、ホロリとさせたりする。
料理人のとても繊細な感性や心意気が感じられ、またこれまでの人生の悲しみやそれを経て出会った夫婦の愛情がにじみ出て温かく切ない気持ちにさせられる。
いつも、あまり幸せではなかったけれど、凛とした、性根のまっ直ぐな人の気持ちを描くのがうまい。
「都会の静脈」もとにかく観察眼と表現力には圧倒される。
当たり前のように水を -
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晩年に日本各地の崩壊地を訪ね、死後にエッセイ集『崩れ』を刊行した幸田文の孫である著者が、四半世紀の時を経て、祖母の踏んだ地を訪れた感想をつづったエッセイです。
著者のまなざしは、自然の力がひとの営みを凌駕する崇高さとともに、それぞれの地で人びと暮らしを守る防砂という仕事に取り組みつづけてきたひとにも向けられています。この国の自然の豊かさは、「歌枕」のようなかたちで語られることが多いのですが、本書ではじっさいに自然の威容を目にした著者の体験とそれを取り巻く人びとの姿を散文によってていねいにえがいており、詩的な表現によって喚起される瞬発的な感動とは異なる、静かで持続的な感銘が心のうちにひろがって