リービ英雄のレビュー一覧
-
作者リービ英雄が自分を重ねて描いていると思われる17歳の主人公ベン・アイザックが、自分を囲う領事館の壁を越え、言葉の所有権を手放そうとしない「日本人」の壁を越えて、「しんじゅく」の街で日本語を獲得していく経験を、生き生きと、かつ細やかに綴った爽やかな印象の一冊。そのような経験をしてこそ、もう一つの言...続きを読むPosted by ブクログ
-
ゴー・ホーム。国って何だろう、と思ってしまいました。日本という国は目に見えない・実在しない観念上のもので、でもわたしたちは「日本人」として保障され縛られて生きている。ヘレン・ケラーが「ウォーター」という言葉を知ったように日本語を知った主人公。鏡に映った自分を見て「外人だ」と思ってしまう主人公。じゃあ...続きを読むPosted by ブクログ
-
日本人じゃないけど日本語で書くリービさん。ただそれだけのこと。
なのに、「日本語が普通」なんて偉そうに思ってしまう自分もいる。
ヘレン・ケラーの「ウォーター」がはじめて分かった時のように日本語が分かったり
鏡を見て「あ、日本人じゃない」と日本語で思ってしまう主人公のアメリカ人青年。
なんとなく、分...続きを読むPosted by ブクログ -
日本人の血を一滴も持たない作者、リービ英雄が母語を離れ日本語で書いた小説。(リービ英雄は「万葉集」を英訳したことでも有名。)しかも「あとがき」によると、スタンフォード大学にいる時に書いたものだそう。
日本語以外を母語とする作家によって書かれた日本語の小説といえば、近年では第139回芥川賞を受賞し...続きを読むPosted by ブクログ -
日本人の血を一滴も持たない作者、リービ英雄が母語を離れ日本語で書いた小説。(リービ英雄は「万葉集」を英訳したことでも有名。)しかも「あとがき」によると、スタンフォード大学にいる時に書いたものだそう。
日本語以外を母語とする作家によって書かれた日本語の小説といえば、近年では第139回芥川賞を受賞し...続きを読むPosted by ブクログ -
万葉集で興味をもったひと。
ひとを先に知っているので変な感じだった。こころの内側にもぐりこんでいるようだ。ドスたんのあとだからかなあ。ちょっと内側すぎる。近い近ーい!!
細い、白い、階段を駆け下りる。不安だなあ。しかしすごいひとだ〜。窓いっぱいに星条旗がはためいているイン横浜っていうのはすごいイメー...続きを読むPosted by ブクログ -
7点
半分ポーランドの系で半分ユダヤ系で幼いころは中国住んでいて英語を話す主人公が帰る家」に選んだのはアメリカでもイスラエルでもなく日本でした。「帰る家」のない主人公が「家」にしようと決めた日本での言葉の壁・文化の壁や父親との壁を乗り越えようとする主人公に思わずエールを送りたくなるような作品です。Posted by ブクログ