村岡恵理のレビュー一覧
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ネタバレ本作の主人公は翻訳家の村岡花子さん。赤毛のアンを翻訳した人、といえばすぐに通じるでしょうか。彼女の生涯を扱う作品です。
ただ本作、いち翻訳家の生涯というよりも、むしろ、一女性の目を通して綴られる明治・大正・昭和の女性の自立・地位向上の話、といってもよいと思います。
それほどに、熱く激動の人生を生きた女性であったと読後に感じました。
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貧乏だった家庭で唯一学校通いを許された花子。キリスト教系の東洋英和で女性宣教師からみっちり英語を叩き込まれ、図書室で洋書を貪るように読み、外国に行くことなく英語を話せるようになったエピソード。日本にはヤングアダルト向けの自己陶冶的小説が少なく、自らを筆 -
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大変面白かった!
朝ドラを見ていたので花子の生涯について概ね知っていたつもりではあったが、一冊の本を通じて知る花子の人生はより壮大なものであった。
花子の人生の根幹をなすのは東洋英和女学校時代のカナダ宣教師から受けた教育であるが、その後も数々の出会いを通じて児童文学翻訳への情熱と、彼女の社会改革活動への意識が醸成されていく。その過程で登場する人物たちも一人ひとりについて伝記が存在しそうなほど(実際そういう人物もいるはず)豪華な人々で、花子の人生が羨ましくもなってしまうが、そうした出会いを力に変え晩年まで子ども、女性そして社会のために尽くしてきたからこそ、これ程長く愛される翻訳作品を生み出せたの -
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面白かった…
「赤毛のアン」が大好きで、朝ドラにもなった村岡花子先生の生涯には興味があったので読んでみた。
アンが育ったカナダの美しい自然、おおらかな雰囲気、女性の悩みが、花子の女学校時代のカナダ人教師から花子、そしてアン・ブックスを通じてわたしにも伝わってきていることを知れて、とても良かった。
当たり前だけど、本には著者の様々な思いや人生の経験が詰まっているんだなあ…と思った。
特に大好きな「赤毛のアン」でそれを知れたことはほんとうに良かった。
近いうちに「赤毛のアン」の原文も読んでみたいし、先生とは違うけど、いつか絶対にプリンス・エドワード島にも行くぞ!と決意した。 -
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ネタバレ孤児院にいたアン・シャーリーは、女の子がほしいという家に引き取られる。でも、それは男の子の間違いだった。元気なアンのドキドキする毎日が始まる…。
アンがグリーン・ゲイブルスに来てからの生活はすごいものです。男の子を引き取るつもりが、結局女の子を引き取る事を決心したクスバート兄妹と一緒に暮らすようになった後は、ダイアナという素晴らしい友達ができたり、教室で騒動を起こしたり…。それでも美しく成長するアンの姿は、とても素晴らしいと思いました。
「10歳までに読みたい名作」というシリーズですが、すっかり大人になってしまった私がこのようなシリーズに興味を持つなんて大人げないような気がします。
でも、挿絵 -
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カナダ人小説家モンゴメリによる「赤毛のアン」の翻訳者、村岡花子の生涯を描いた本である。以前から読みたいと思っていた。
時代は大正から戦後までである。花子はクリスチャンの父親の意向で、カナダ人女性宣教師たちが運営する東洋英和女学院に入学し、8年間の寄宿生活を送る。そこで学んだ英語とカナダの文化の知識を活かし、現地に行かなくてもみずみずしい和訳をすることができた。
翻訳がメインの仕事ではあったが、彼女は福祉活動や教育にも力を入れていく。生涯翻訳をし続けながらも、華やかな友人たち(市川房江や宇野千代など)とともに、様々な分野で活躍し、大人も子どもも楽しめる本の出版に貢献し、働く女性たちの礎になった。 -
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同僚に借りた本。
赤毛のアンの映画は学生時代 録画して何度も観た洋画のひとつ。
戦時中に文学誌においてこぞって軍国主義を主張していたのにはこんな背景があったとは驚き。 そして今 当たり前にある女性の地位や参政権など、 この時代の女性や海外の人々の協力と努力あってこそのことであると改めて理解し、感謝。 またその逞しさと頼もしさに憧れと尊敬。
NHKの朝ドラも多少見ていたけれど伝えようとしていたこのの少しも理解できていなかったことに我ながら情けなく 反省。
今ある いろいろな意味での自由は先人たちの努力と感謝しつつ 有意義に過ごさなくてはと改めて奮起。
次回赤毛のアンの映画を観る時は カナダ -
Posted by ブクログ
「花子とアン」が放送されていたある日、母が、朝ドラを見ていると、中学生時代の私を思い出す、と言ってきた。
なるほど、田舎から華族のお嬢様が通う学校に編入し、馴れない英語に悪戦苦闘する花子の様子は、確かに、医者、大学教授、社長や老舗の娘や帰国子女が多い女子校に、中小企業に勤める父を持つ女の子が入学し、外国人のシスターに英語の発音を厳しく指導された、という中学時代の私が懐かしく思い出される。
その後、花子は震災や戦争、愛する息子の死など、幾多の困難に直面するが、花子の生きる力を培ったのは、紛れもなく、女学校時代の教育だと思われる。いつの時代も、若く多感な年頃に受ける教育が、その後の人生に大きく -
Posted by ブクログ
昔観た朝ドラ「花子とアン」のそのまんまじゃんと思っていたら、何と云うことはない『NHK出版』でした。
アンと付けば看過できない悲しい性(笑)。
村岡花子さんの義理の孫にあたる村岡恵理さんが原案で、わたせせいぞうさんがイラストを担当しています。村岡花子さんの生涯を懐かしく振り返りました。花子の腹心の友はダイアナの替わりとなる柳原白蓮。ドラマで白蓮を初めて知り、林真理子さんの『白蓮れんれん』を読んだのを思い出します。柳原白蓮は筑紫の炭坑王の妻で美貌の歌人でもあり波乱万丈の生涯を歩んだ女性で、朝の時間を楽しみに待っていました。
あの頃の朝ドラはとても面白かったのに~。
わたせせいぞうさんは大学卒業後