大澤武男のレビュー一覧
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大澤武男氏による、ヒトラーのナチ・ドイツの重要人物の簡略な列伝的な概説書。ヒトラーのナチ党立ち上げから第二次世界大戦のヨーロッパ戦線の終結に至るまで基本的に時系列に沿いながら、側近たち、従者、愛人などの果たした役割や彼ら、彼女らに対するヒトラーの思いや言葉、後世の評価などをおりまぜうまく一冊の書物に仕上げている。ヨーロッパ近現代史、ことに第二次世界大戦やナチ・ドイツ関連は主に犯罪、戦争犯罪、ホロコーストや虐殺などの側面からだけでも膨大な人物が関わっているが、本書を通読することでその研究なり勉学の基礎的人脈網や人物の経歴や果たした役割などを概観できる。入門書としては優良推薦図書に推薦できるもの
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「甘い汁を求め、負ければさっさと去る」同朋・党員
政治には世界情勢を熟知し即決断力が必須であり、素早く行動する力も必須である、また信頼する人材・部下を注視し公平平等評価しなければならないということ。ナチ・ヒトラーの敗北は無謀な計画を短期に実現させようと軍律・軍精神を乱す要因となった。特にSS下の野蛮で卑劣な行動(安楽死政策・ユダヤ人絶滅)が管理ができなかったことが挙げられる。最期には国も国民全てを犠牲にしてでも戦えと言う脅迫的命令など無謀な策も多発した、事だろうか。更なる要因は、経済復興などの戦略的策は寄与したが輸入に頼っていた燃料不足は日本の敗北と同じ致命的な欠陥などもあった。現代でこの戦争 -
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ヒトラーが政権を取るまで、ミュンヘン一揆で投獄され、議会に進出して総統になり、第二次世界大戦が始まり、戦局が悪くなってから暗殺未遂で狙われ、最後は地下壕で自殺するまで、というヒトラーの生涯にだいたい沿う形で、ヒトラーが頼りにした人物、関係が深かった人物を取り上げた本。「ヒトラーの側近」以外にも、例えばまだヒトラーが政権を取る前に、ヒトラーに財政援助をしたり精神面で支えた〇〇夫人(複数いる)とか、最後はヒトラーの妻となりヒトラーと自殺したエヴァ・ブラウン、あるいはヒトラーを暗殺しようとした「ヴァルキューレ作戦」で有名な片目のシュタウフェンベルク大佐なども含まれる。
よくホロコースト関係の本で -
Posted by ブクログ
礼儀正しい、孤独な、挫折感、そんな独善的な一人の人間が、彼に召命的なものを感じた周囲の人たちの支援や献身により、独裁者になっていく過程を時系列にまとめている。
世界大戦後の天文学的賠償額やインフレとかで、高まったままの国民の不満が渦巻く中で、42歳の首相や30代の閣僚に期待するものがあったのだと思う。
その中で、一人の凶器を作り出しのは、確かに狂信的な側近だと思うが、国民や周辺の国家だったのかも知れない。
黙従するもの、反逆しようとするもの、登場人物は有名人もいれば、本書で初めて知った人もおり、興味深く読めました。
側近たちの人物紹介の形式をとっているが、なかなか興味深い一冊だと思いま -
Posted by ブクログ
ある組織で、有能な部下に恵まれ有能な指導者が成功し、そして独裁し、徐々にイエスマンだけが残り、最後は惨めに終わる。
この歴史が常に繰り返されてきた。歴史という記述から学ぶことはできるが、自分と同時代の人々の現実として、日本の多くの企業の中で同様のことが起こるようになって久しい。私自身もこの十年くらい独裁者とイエスマン側近の姿を身近で見るようになったし、見聞きする日本のいろいろな組織の話にもそのような例が多くなった。先日東京の本屋でこの本を見かけて、究極の一例としてのナチスドイツとヒトラーという典型の中で、側近たちとヒトラーの日々がどのようなものだったのか興味を持って購入した。
ゲッペルス、ゲ