山内令南のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
ネタバレ単行本の帯に、〈末期癌を患いながら執筆、文學界新人賞受賞の衝撃作 著者はその10日後、世を去った 絶筆「癌ふるい」も必読。いまだかつてない闘病小説。〉とある。
解説は清水良典。
事前情報では食指が動きづらい題材だが、読んでよかった。
鬼気迫るとはこのこと、な文章で、食いたいのに食えないことを書く。
これは書きたいのに書けないとか、生きたいのにできないとか、逆境自体を食欲に見立てて書いたのではないか。
桜庭一樹「私の男」と似て、「5」から遡る形式。
ただし「1」が全体の半分くらい、と構成はいびつだが、んなこと知ったことかな文体の凄み。
視点人物麻美の「口が悪い」のもスパイス。