山内令南のレビュー一覧

  • 癌だましい

    Posted by ブクログ

    魂を込めて、自分とそれを滅しようとする癌に向き合う小説。二文字で表せば壮絶だが、正岡子規を髣髴とさせる食への思い。
    人は必ず死ぬもの。
    ということは頭でわかっていても、そこへ向かう葛藤はいかばかりか?
    そんなことを考えさせてくれる。

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    2016年01月01日
  • 癌だましい

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    単行本の帯に、〈末期癌を患いながら執筆、文學界新人賞受賞の衝撃作 著者はその10日後、世を去った 絶筆「癌ふるい」も必読。いまだかつてない闘病小説。〉とある。
    解説は清水良典。
    事前情報では食指が動きづらい題材だが、読んでよかった。
    鬼気迫るとはこのこと、な文章で、食いたいのに食えないことを書く。
    これは書きたいのに書けないとか、生きたいのにできないとか、逆境自体を食欲に見立てて書いたのではないか。
    桜庭一樹「私の男」と似て、「5」から遡る形式。
    ただし「1」が全体の半分くらい、と構成はいびつだが、んなこと知ったことかな文体の凄み。
    視点人物麻美の「口が悪い」のもスパイス。

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    2024年10月16日