咲乃月音のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
連作短編集。
私の好きな美味しい食べ物で心が癒され、前向きに生きていく話。少しいつもと違うのが、外国のスイーツが出てくること。聞いたことも見たこともないスイーツだったので想像しながら読んでたけど、どれも美味しいそう。私はポーランドの"鳥のミルク"が一番気になり食べてみたいと思った。
話は、恋愛系と人生に迷う人系の二つに分かれているかな。私は人生に迷っていたアマリアとアイラの話が好き。そしてその2人に大きく関わった鶴子ママ。彼女の存在が大きい。彼女にみんないっぱい勇気を貰って自分の生き方を決めたと思う。いいな〜、そういう人生の先輩がいるのって。
文章が少し読み辛さを感じたので、⭐️3です。 -
Posted by ブクログ
人生の宝物になるようなお菓子。
そんなお菓子がきっと誰にでもある。
そんな気持ちになる1冊。
1つのおやつが
大切なひととの橋渡し、1歩進むきっかけ、
想いを伝える手土産など、様々な場面に
寄り添う短編集。
主に京都言葉で語られる本文は
語りかけられているようで心に入ってくる。
中には胸が締め付けられる話しもあり、苦しくもなった。
「前に進みたくなんてない。過ぎていく時間が憎い。
ずっと後ろを振り返り、ずっと悲しんでいたい。」
この叫びは胸に迫ってきて、心の中で嗚咽した。
そんな話したちに寄り添うおやつは、ガジャルハルワ、ポルボロン、湯丸、など耳慣れないおやつばかりだったので、そのおや -
Posted by ブクログ
心の内に秘めた狂おしいほどの感情や記憶。
それを落ち着かせたり発露させるために作るおやつ。
インドのガジャルハルワ、スペインのポルボロン、香港の湯丸、バヌアツのチョコレート、ポーランドの鳥のミルク、京都の麦代餅。
初めて名前を聞く世界のおやつ、どれもとても美味しそう。
幼い我が子を亡くしたスミレの章(第二章 スミレのポルボロン)が、胸が苦しくなるくらい共感し、泣きそうになる。人を亡くした悲しみは、消えることはない。でも、その悲しみと共に生き続ける人の話を聞き、自分の話を聞いてもらうことで、少し気持ちが和らぐ瞬間ができるかもしれない。
そしてそんな時間のきっかけを作るのが、一緒におやつを食べる