想田正のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
長年にわたってクラシック批評を続け、今も指揮活動の傍ら執筆を続ける宇野功芳氏の、批評活動の特質を分析する。 合唱指揮者でもある宇野氏の批評の根底には、演奏に対する確固とした理念があること、そしてそれに照らして良いと思えば孤軍奮闘も辞さず、先入観や雰囲気に流されがちな他の批評と一線を画す、そのような姿勢を著者は高く評価している。 あまり目にする機会のない初期の批評から、現在に至る変遷も見渡すことが出来て興味深い。 音楽批評、特に宇野氏の文と芸術観に触れたことがある人には楽しめる。
著者は、宇野氏の批評の特色は、次の点にあると言う (p.44)。 第一に、確かな音楽観に裏付けられているがゆえに明