澤井敦のレビュー一覧

  • 死と死別の社会学 社会理論からの接近

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    大学の講義で扱った本。教授の著書であるが、自分の興味ある『死』という概念について、社会学的視点から考察している。

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    2009年10月04日
  • 死と死別の社会学 社会理論からの接近

    Posted by ブクログ

    著者はいわば「死別の作法」というべきことごと(看病の仕方、告知の仕方、臨終のまさにそのときの迎え方、葬送の仕方など)が宗教的なものにせよ非宗教的なものにせよ常に型にはめられたものへと回帰していってしまうことを執拗に指摘しています。これは「自由」に関するナイーブな態度と言えるでしょう。

    死別に関することに限らず、ひとの行う差異化とは完全新規で独特のやり方を発明することではなく、所与のあるカテゴリと別のあるカテゴリとを対照させることで行われるものではないでしょうか。その差異化の過程で所与のカテゴリが解体されて複数に分けられたり、統合されたり、忘れ去られたりする。あるいは誤差が生じてふいに新たなカ

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    2018年06月10日
  • 液状不安

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    ネタバレ

    現代社会の不安は、外部に実在する(Solidな)ものではない。人の内側から湧き上がる(Liquidな)ものである。

     かつての社会不安はもっぱら、自然災害や敵国の侵略など、人間の手の届かない外部の事態に向けられていた。たしかに存在する不確実性、だからSolid(固形)なものといえる。人は自分の手ではどうしようもないので、神に祈っていたのだろう。
     しかし、科学技術の発展、社会の官僚的発展によって人間はあらゆる事態を管理可能になりつつある。気象予報、火山活動の予測、地震速報など自然災害も予め備えることができる。冷戦後の世界の連携をみると戦争という手段ももはやほぼ存在意義をなくしている。では、こ

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    2014年04月08日