紺野賢護のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
設定は使い出がありそうな印象を受けるが、やや拙い。その辺を少し洗っておく。
まず、そもそもひがえりというタイトル。間違ってはいないが、あまり適切な印象を受けない。そこにまず引っかかる。内容的にはパートジョブなのだから、ピタリとこないのだ。
次に構成。冒頭の記述と終盤の心情に落差が大きい。そこにすりあわせた跡が見られず、ここに大きな欠点が見受けられる。克明な日常描写も、ストーリーに絡まず煩雑である。
最後に文章。無駄が多いというか、つながりがスムーズでない。頭の誕生日に関する話題の流れからして疑問に思う。自分の誕生日について触れた意味が(主人公の年齢紹介以外に)見受けられず、冗長である。 -
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Posted by ブクログ
中村恵里加の著作は大好きだ。
初見の著者なら間違いなく★4をつけているが、『ダブルブリッド』や『ぐらシャチ』と比べると、どうしても見劣りする。
ただ、よくある「さあ生き残るために殺しあいたまえ」みたいな舞台設定に似て非なる舞台装置は秀逸。
単純な「命がけだから」という理由を敢えて使わずに、必死に戦いに臨む心理描写は見事。
一つ惜しいのは、イラストがまったく力不足だということ。
中村恵理加のリアルな筆致にまるでついてこれてない。というか合わない。
『ゴールデンタイム』といい、最近の電撃はイラストレーターを適当に選んでいるとしか思えない。
文体に合った雰囲気のイラストをしっかり選んでほしい、 -