若合春侑のレビュー一覧
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ネタバレ多分仙台の、お上品なカトリック系女子高に通う桐子(とうこ)は、ハイソなクラスメートとは違い、青果店の娘。
近所のおじさんたちの下品でイヤらしい生態が嫌でお嬢様学校に通ったというのに、上品ぶっても品性下劣な同級生や、向上心も親切心も感じさせない修道女や教師たち、非寛容で罰を与えることしかしないキリスト教の神などに疑問を感じる毎日。
亡き母の高校時代の友人だったという加代子さんの息子、我孫子郁(あびこかおる)と恋愛中。
耳年増だけど実際は初心な桐子は、郁のペースについて行くので精いっぱい。
とはいえ郁も初めてなので、まあいろいろあるわけです。
で、この本、平成14年に刊行された本なのですが、読 -
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初読の作家。検索してもほとんど本が見当たらないので、寡作の作家の模様。
海の近くのいなか街で暮らす桐子は、中学の時に母親を乳がんで亡くし、八百屋の父と弟に対して母親代わりで生活する。とはいえ、多感な中学3年から高校2年までであり、友達はどんどん初体験を済ませ、退学処分を受け…。
日記らしく、時にはライトノベルのように、書き文にも自分の感情を隠さず描くタイプの小説である。裕福でない家柄とは別に、家の外ではミッションの女学校に通ったり、亡き母の病室の友であり、高校の同級生でもあった加代子の裕福な生活と、よくある貧乏に対する恨みつらみという部分が中盤以降出てこないので、かなり読みやすい。
女子 -
Posted by ブクログ
十代の世界は狭い。しかし、世界なんてものは、そもそもがある程度は狭い方がいいのかもしれない。狭く深く。そのほうが、惑わされずに疑うことが出来る。「広い世界を知れ」なんて、それがさもいいことのように喧伝されるけれど、その結果、処理しきれなくなって、ぜんぶ世界に丸投げにしてしまう人には、正直なところ、辟易する。抱えきれない荷物に潰されて、さあどうだ、重いんだぞ、と息巻く大人の滑稽さを、「だったらその荷物、降ろしたらどうです?」と言ってしまえる。それが疑問というものだし、案外、核心だったりするのだ。
ポップな文体の青春小説だなあ、と思って読んでいると、いつの間にか、そんなふうなことを考えさせられてい