森田長太郎のレビュー一覧

  • 経済学はどのように世界を歪めたのか―――経済ポピュリズムの時代
    タイトルからは、黒田日銀のQQEについての批判を書き連ねたものとの印象を受けるし、実際そういう部分もあるが、それは著者の視座の一部に過ぎない。
    著者の関心は、この壮大な実験の来し方と行く末であり、それを可能にした「力」の分析である。
    国債市場を壊された債券の現場からの単なる怨嗟の声として切って捨てる...続きを読む
  • 国債リスク 金利が上昇するとき
    非常によい。
    リフレ、反リフレに偏っておらず、フラットに、客観的に2014年時点での成果とリスクを分析している。
    何度も読み直したい。
  • 日本のソブリンリスク―国債デフォルトリスクと投資戦略
    外資系証券会社のアナリストによる国家のデフォルトについての本。極めて学術的かつ論理的に国家のデフォルトについて説明している。私には完全に理解できなかったが、結論は明確で、説得力があった。政治家をはじめ、幅広く人々が理解すべき内容だと思う。
    「ハイパーインフレの例:1 1919~25年の間に、オース...続きを読む
  • 国債リスク 金利が上昇するとき
    双子の赤字時代の米国は、限られた資金を民間から国が奪うクラウディング・アウトの典型的なケース。
    今は、お金を刷る(中央銀行が国債を購入する)ためクラウディング・アウトは発生しない。

    金余り、とは民間の資金需要が小さいこと。

    労働報酬の抑制→企業の金余り→銀行による国債購入の原資=労働者から国への...続きを読む
  • 日本のソブリンリスク―国債デフォルトリスクと投資戦略
    バークレイズの現役バンカーによる日本のソブリンリスクの概況の説明。日本経済はあまりに巨大であり、また現在対外債務がある訳ではなく、人口動態など先進国の将来を先取りしているフロントランナーで、過去の国家のデフォルト事例(流動性不足を契機にした韓国へのIMF介入が例示)はあまり使えないとしている。
    デフ...続きを読む
  • 日本のソブリンリスク―国債デフォルトリスクと投資戦略
    ちまたに言われている国債危機がトレーディングの当事者から見れば、あまり説得力がないことを明快に説明している。ただ、公務員の規模が欧米に比べ、大きくないことから削減は現実的でないと言っている点はどうかと思う。たしかに比率が見れば大きくないとのことだが、それは実際に行っているサービスで比較されるべき。
  • 経済学はどのように世界を歪めたのか―――経済ポピュリズムの時代
    SMBC日興で毎日JGBモーニングコメントを書いている森田氏の著作。タイトルの「経済学が世界を歪めた」や「経済ポピュリズム」とはなんのことだろう、と思ったらなんのことはない、黒田日銀体制・リフレ派への批判だった。

    合理的経済人なんて実際には存在もしない仮想人物を設定して理論ありき、全然現実を予測で...続きを読む
  • 日本のソブリンリスク―国債デフォルトリスクと投資戦略
    日本国危機、とか財政破綻、とかギリシャとかイタリアの
    二の舞だとか叫ぶ発狂寸前の論説とは一線を画し、
    市場を知っている人による冷静な日本のソブリンリスク研究。

    新興国のキャッチアップ、人口動態の成熟化に先進国のなかで一番早く衝突したのが日本。
    高齢化対応内需振興、社会保障再設計、一定程度の増税が対...続きを読む
  • 日本のソブリンリスク―国債デフォルトリスクと投資戦略
    日本の国が抱えた借金を返せるかどうか、日本国債が投資先として安全かどうかを分析した本。先進国のこのようなリスクの実態を理解することは容易ではないとしながらも、これから起こるシナリオとして、極端なインフレーションや国債の元本償還や利払いの停止の発生確率も予想している。今後の注目点としては、デフレ脱却、...続きを読む