田中詔一のレビュー一覧
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自分自身、年間すべてのF1をテレビで見るようになったのは去年からだ。大学1年の時にF1をテレビでやってることを知り、2年でたまに見るようになり、今にいたる。
F1の見所について今更語るまでもないが、F1はオリンピック、ワールドカップに並ぶほどのお金が動いている世界である。それをホンダのチーム代表として見て来た著者が解説。
F1の収入支出、スポンサー、開発費、チームについての解説にとどまらず、現在のF1を牛耳るFIA/FOM体制とそれに透明性を求めるメーカー連合との対立についてなど自分自身、F1好きでありながら全く知らない裏での動きについても解説。
現在のF1はバーニー・エクレストン、マックス・モズレーらの意のままにテレビ放映権や開催地の決定権がある。それらのやり方に不信感をもつ、車メーカー達。しかし、一方で近年、大きな車メーカーがGPで勝ち、個人チームの活躍がないことに現FIAは不満感を持ち、規制をかけ、もっと面白いものにしようとしているモズレーら。
単なるスポーツに留まらずビジネスとして見てもF1というのは魅力的だと感じました。
今年度は3月18日バーレーングランプリから始まります。F1好き、車好きにお勧めです。 -
Posted by ブクログ
ホンダで長く海外駐在を勤めた元執行役員の書。「海外駐在でのビジネス学」は示唆に富む。
「為替をいじって5千万とか1億とか儲けると、営々と働いて3千万の利益しかあげられないモノづくりの現場の人たちは、自分たちの働きが、あるひとの稼ぎよりも劣ったものでしかないと思ったとき、寂しさを感じて情熱を失ってしまうだろう。」
ホンダはモノを作る会社であるから、金融事業や不動産事業などに手を出すことはご法度とされている。だから、バブル時代にも本業から逸れることなく、その後に多くの会社が受けたような不良資産を抱えることがなかった。
ホンダの本業は、元々は本田宗一郎氏による二輪、四輪のエンジンをつくる会社。ジェット機なども含めて、本田はモビリティのエンジンの会社。本田宗一郎氏が亡くなってから、最近では太陽電池なども手がけて、モビリティのためのエネルギーの会社と拡大定義しているらしいが、本業に徹する創業者の思想が現在も引き継がれているところが素晴らしい。
「相手を切る時は、切りたい素振りは見せるな、続けてやって欲しい、という強い意思表示と共に、条件を厳しくしていけ。そのうち、そんな条件が厳しければやっていけない、やめさせてくれ、と相手が言い出す」p151
公私とも、いろんな交渉で役立ちそう。 -
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田中詔一著「ホンダの価値観」角川ONEテーマ21(2007)
* ホンダの80%以上は海外ビジネスである。ホンダの海外事業の強さはメディアでも報じられることが多いが、その実践に長く関わった著者としては、企業戦略の云々よりも、日常の業務活動において、いわゆるホンダフィロソフィーというものが根本に流れていることを知ってほしい。
* 問題に悩んだときには、最終的にお客様の近いところの立場になって考えることを心がけている。
* ホンダは存在が期待される企業を目指している。海外の事業においても、初期のころから一貫して、利益配当の本国送金などを原則として行わず、現地で再投資に回してきている。もちろんこれが急速な海外拠点の強化につながったわけであるが、「需要のあるところで生産をし、現地の雇用を促進し、利益は現地で再投資」という基本方針が、地域の発展にも貢献したのは言うまでもない。
* 他国の感覚と価値観を理解する。これは国民の文化に起因する商品などのハード面での難しさの例であるが、さらに難しいのは、直接、人間対人間がぶつかり合う商売の世界である。
* 相手を切るときはきりたいという素振りはみせず、続けてやってほしいという強い意思表示とともに、条件を厳しくしていく。そのうちそんなに条件が厳しければやめさせてくれと相手から言い出す。啖呵をきってすっきりしても、何の得にもならない。
* 【駐在4か条】
第一条:駐在員は現地スタッフが束になってもかなわない何かを持っている
→会社にとって駐在員といのは非常に経費がかかる。場合によっては現地社員、数百人に匹敵する。そのためには、しっかりと何かを持っておく必要がある。
第二条:軸足は現地に
→駐在員は2本の足を、日本と現地の両方においておくことである。しかしあくまで軸足は現地に置くのが正しいというのが著者の考え方。日本の都合ばかりを考えていると現地スタッフに信頼されずマネジメントができない。現地化してしまって日本のことを考えない人は自ら凧の糸を切っているようなもの。現地スタッフを登用すれば間に合うだろう。バランス感覚が大切である。
第三条:駐在員は一枚岩であるべき
→現地の人たちが駐在員どれほど観察しているかを過小評価してはいけない。自分たちの生活に関わることであるため、その一挙手一投足を本当によく観察している。彼らは本体の企業について駐在員を通じて学ぶ。その駐在員の意見が、人によって異なれば彼らは混乱する。彼らの前では、駐在員間で軋轢はない、と見せかける努力は必要である。
第四条:自己管理は駐在員の基本
→自己管理とは健康管理や家族のこと、そしてお金や遊びんついて問題をおこなさないという基本中の基本である。日本と違っていきなり権限と自由が飛躍的に大きくなるためだ。
・ 海外での人の使い方について、山本五十六の言葉を引いて説明をする。『やって見せ、言って聞かせて、させてみせ、褒めてやらねば、人は動かじ』
→「やってみせ」駐在員ができて当たり前。むしろ良くあるのは、駐在員がその仕事をやり続けてしまうことである。やって見せるのは少しだけにして、あとは部下を信頼してやってもらうのが良いと考える。
→「言ってきかせて」2つのことがあるが、まずは語学の問題。さらに。それが本当に理解されたかという問題。お互いの認識が不十分で、物事がうまくいっていない原因を現地スタッフの資質に摩り替えている駐在員が多い。
→「させてみせ」これが本当に目指すべきものであるということを認識すべきである。いって聞かせるのが面倒で、自分でやったほうが楽だからとやり続ける人がいる。
→「褒めてやらねば」言葉通りである。 -
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モータスポーツの最高峰F1の裏側・ビジネスとしての側面が書かれた一冊である。著者は実際に1999〜2005年までホンダ・レーシングチームの社長として、BARホンダF1チームを支えていた。この本が発刊されたのが2006年で、2006年シーズン前に書かれているものとして読まなければならないが、F1興行を支えるバーニー・エレクストンは今だ健在(もう一人の雄、モズレーは2009年シーズンを境に引退)で、エレクストンが考える魅せるF1の構図は未だに変わっていない。そのことを念頭に置くと、F1というスポーツ興行の裏に如何に多くのマネーが流れているのかを感じることができる。
ただ、読んでて痛々しいのが、2005年シーズンでは日本の二大巨塔として参戦していたトヨタとホンダというトップメーカーが今のF1業界にはいなくなったという事実。モータースポーツの中心であるF1を支える、各国の自動車メーカーの研究開発としての存在意義が失われている(BMWの撤退、ルノーの大幅投資削減等々)ということだろう。エコカー・シフトで、エンジンメーカーがどうF1に取り組んでいくのかが今後の鍵でもあろう。
そういう意味ではタイヤだけでなく、エンジンワンメイクで、走る広告塔スポーツとして発展させていくのも1つありだろう。事実、レギュレーションが厳しくなり、スポーツとしてドライバーやメカニックの腕を競うという意味での面白さが2012年シーズンのF1にはあったのだ。お金も物資も大量に投入する派手なスポーツから、今後はどう変化していくのか? ビジネスの今後も面白くなるという意味も含めて、今読んでおいてもよい本だろう。 -
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著者はホンダ・レーシング・ディベロップメントの初代社長。F1がビジネスや政治的側面から描かれ、等身大のF1が理解できる。普通の人なら、F1はドライバーにファンがサインを求め群がっているとか、各国の著名人が観戦に来ているとか、フォーミュラーカーが同じところをグルグル回っているとか、派手なクラッシュが演じられているというイメージがあるのではないか。しかし、ウラでは、チームオーナーやメーカー代表が金儲けや会社のイメージアップを図るために必死になっている。ここ最近、メーカー系チーム連合と商業権を持つFOMおよびフェラーリの対立が話題となっており、F1が分裂の危機立たされているニュースが多い。その種となる事件も詳細にかかれている。他のスポーツでもそうだが、そのチームやその選手の歴史や背景を知っているから興味をもって楽しく観戦でき、ときには魅了されることも多いだろう。この本を読んでF1の本当の姿や裏事情を知れば、F1に対して初めて興味が持ったり、魅了されたりもする。また、ビジネスや政治の側面だけでなく、F1カーのコストや性能なども描かれており、その数字には驚かされる。
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・F1は世界でたったひとつのオーダーメイド車である
・時速0から200キロまで5秒以内
・世界で20人しかいない希少なF1ドライバー
・ドライバーは所属チームからの年俸制、時には個人スポンサーを頼り自分からチームにお金を提供することも
・F1の開催都市は、ホテル食事交通など経済効果が果てしなく大きい
・F1に身を置くことで厳しい競争環境により技術者の育成につながる
・F1に参加する企業はビジネス効果上2位に甘んじることは許されない
・一周のタイムを一秒早くするためには約100億かかる
前半はF1にかかる費用の話であり、後半はF1の政治的ビジネスの話が書かれている。
今まで見えていなかったドロドロした世界についておぼろげながらつかむことができました。
じっくり読まないと難しい本でしたが、社会的政治的にも規模の大きな世界であることが見えた。
一周1秒早くするのに100億とは一般人にはピンとこない数字ですねぇ・・・・・