田中詔一のレビュー一覧
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自分自身、年間すべてのF1をテレビで見るようになったのは去年からだ。大学1年の時にF1をテレビでやってることを知り、2年でたまに見るようになり、今にいたる。
F1の見所について今更語るまでもないが、F1はオリンピック、ワールドカップに並ぶほどのお金が動いている世界である。それをホンダのチーム代表として見て来た著者が解説。
F1の収入支出、スポンサー、開発費、チームについての解説にとどまらず、現在のF1を牛耳るFIA/FOM体制とそれに透明性を求めるメーカー連合との対立についてなど自分自身、F1好きでありながら全く知らない裏での動きについても解説。
現在のF1はバーニー・エクレストン -
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ホンダで長く海外駐在を勤めた元執行役員の書。「海外駐在でのビジネス学」は示唆に富む。
「為替をいじって5千万とか1億とか儲けると、営々と働いて3千万の利益しかあげられないモノづくりの現場の人たちは、自分たちの働きが、あるひとの稼ぎよりも劣ったものでしかないと思ったとき、寂しさを感じて情熱を失ってしまうだろう。」
ホンダはモノを作る会社であるから、金融事業や不動産事業などに手を出すことはご法度とされている。だから、バブル時代にも本業から逸れることなく、その後に多くの会社が受けたような不良資産を抱えることがなかった。
ホンダの本業は、元々は本田宗一郎氏による二輪、四輪のエンジンをつくる会社。 -
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田中詔一著「ホンダの価値観」角川ONEテーマ21(2007)
* ホンダの80%以上は海外ビジネスである。ホンダの海外事業の強さはメディアでも報じられることが多いが、その実践に長く関わった著者としては、企業戦略の云々よりも、日常の業務活動において、いわゆるホンダフィロソフィーというものが根本に流れていることを知ってほしい。
* 問題に悩んだときには、最終的にお客様の近いところの立場になって考えることを心がけている。
* ホンダは存在が期待される企業を目指している。海外の事業においても、初期のころから一貫して、利益配当の本国送金などを原則として行わず、現地で再 -
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モータスポーツの最高峰F1の裏側・ビジネスとしての側面が書かれた一冊である。著者は実際に1999〜2005年までホンダ・レーシングチームの社長として、BARホンダF1チームを支えていた。この本が発刊されたのが2006年で、2006年シーズン前に書かれているものとして読まなければならないが、F1興行を支えるバーニー・エレクストンは今だ健在(もう一人の雄、モズレーは2009年シーズンを境に引退)で、エレクストンが考える魅せるF1の構図は未だに変わっていない。そのことを念頭に置くと、F1というスポーツ興行の裏に如何に多くのマネーが流れているのかを感じることができる。
ただ、読んでて痛々しいのが、2 -
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著者はホンダ・レーシング・ディベロップメントの初代社長。F1がビジネスや政治的側面から描かれ、等身大のF1が理解できる。普通の人なら、F1はドライバーにファンがサインを求め群がっているとか、各国の著名人が観戦に来ているとか、フォーミュラーカーが同じところをグルグル回っているとか、派手なクラッシュが演じられているというイメージがあるのではないか。しかし、ウラでは、チームオーナーやメーカー代表が金儲けや会社のイメージアップを図るために必死になっている。ここ最近、メーカー系チーム連合と商業権を持つFOMおよびフェラーリの対立が話題となっており、F1が分裂の危機立たされているニュースが多い。その種とな
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・F1は世界でたったひとつのオーダーメイド車である
・時速0から200キロまで5秒以内
・世界で20人しかいない希少なF1ドライバー
・ドライバーは所属チームからの年俸制、時には個人スポンサーを頼り自分からチームにお金を提供することも
・F1の開催都市は、ホテル食事交通など経済効果が果てしなく大きい
・F1に身を置くことで厳しい競争環境により技術者の育成につながる
・F1に参加する企業はビジネス効果上2位に甘んじることは許されない
・一周のタイムを一秒早くするためには約100億かかる
前半はF1にかかる費用の話であり、後半はF1の政治的ビジネスの話が書かれている。
今まで見えていなかった