C・デイリー・キングのレビュー一覧

  • タラント氏の事件簿[完全版]

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    「クイーンの定員」に選ばれた連作短編集(邦訳は単行本が新樹社から刊行)に未収録短編4編を加えた完全版。
    翻訳が良いのもあると思いますが、各キャラが立っているので面白く読めました。それだけに、『最後の取引』では心を揺さぶられました。

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    2018年04月26日
  • タラント氏の事件簿[完全版]

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    謎の紳士タラント氏が怪奇な事件を解決する連作短編集。以前に新樹社から出た本には収録されていなかった四編も加えた完全版である。
    以前読んだときは不可能犯罪を快刀乱麻を断つごとく解決するかっこいい話という印象だったが、いま読むと「第四の拷問」とかけっこう笑える話も多かった。そして「最後の取引」で「はあっ?」と驚く結末を迎えたかと思うと、何事もなかったかのように戻って来る不思議。
    しかし語り手のジェリーのちょっとお間抜けなところや、怪しげな日本人執事カトーなどレギュラーの登場人物に好感が持てるし、論理と神秘の奇妙な混ざり具合も面白い。地味に各短編冒頭の登場人物紹介も凝っている。やはりキングはいい。

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    2018年02月11日
  • 間に合わせの埋葬

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    ABC三部作のラスト。
    ニューヨークの富豪の元に届いた幼児誘拐予告事件を未然に防ぐため、ロード警視はバミューダ行きの船に乗り込む!
    これまでになくミステリ要素が少なく、前半はロードのバミューダ旅行記みたいな感じ。
    ポンズ博士の出番も少ないし全体としてはいまいちだったが、バミューダの地域性や独特の法律は面白いと思った。

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    2022年07月28日
  • タラント氏の事件簿[完全版]

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    密室からの消失、呪い、幽霊、猟奇殺人、怪奇現象、安楽椅子探偵……。
    数話は神秘主義に走りすぎな嫌いもありますが、怪奇趣味と不可能犯罪の二本柱が印象的な短編集です。

    かなり一作一作のクオリティは高いし満足できる短編集だったんですが、反面、途中途中に覗いたガチな呪いとかアクシンデンタル過ぎるトリックが少し興醒めでした。

    偉そうに言ってますが、結構前に読んだので、詳細あんまり覚えてません!←
    以上です!!←←


    ◉古写本の呪い…密室から消えた本の謎。
    ◉現れる幽霊…鏡に映る幽霊と階段で背後に聞こえる足音の謎。
    ◉釘と鎮魂曲…殺害現場から消えた犯人の謎。
    ◉第四の拷問…乗ったら必ず死ぬモーターボ

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    2018年06月27日
  • タラント氏の事件簿[完全版]

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    2000年に新樹社から出ていた単行本に四編を追加収録した「完全版」。
    毎話、提示される謎も魅力的なんですがそれを鮮やかに解決してみせる謎の紳士タラントが所謂「話を聞いた時点で何でもお見通しですよ系」なので、私の中ではブラウン神父と近い印象でかっこいい。それ故、シリーズの最終話である「最後の取引」で説明のつかないオカルトの世界へ飛び込んでいく辺りが度肝を抜いて印象深いし凄いです。
    追加で収録された4篇も「邪悪な発明家」「消えたスター」と手堅い奴から「危険なタリスマン」という最後の取引から戻ってきたタラントが活躍するオカルト世界を踏まえた設定など、完全版ありがとう、って感じです。

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    2018年02月18日