白石良夫のレビュー一覧
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本書は、古事記伝を完成したのを機に、弟子たちにどう国学を勉強したらいいのかということを、初めて山にはいること=うひ山ぶみ、として初学のために書き下ろしたものである。
本をどう読むかをテーマとした本にも、本書の引用があり、とりあえず、口語訳を流してよんでみました。
気になった点は以下になります。
・むかしから学問といえば漢学のことであった。それを「漢意(からごころ)」と見なせば、日本人の発想を「大和魂(やまとだましい)」という
・学問の根本とは何かという問題から入る。それは、「道」を学ぶということである。道とは、ひとり皇国日本にのみ伝わって、古事記、日本書紀、に二典に帰されているところの -
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[ 内容 ]
江戸留守居役とは、藩の江戸屋敷にあって、幕府や大名諸家との渉外や各種情報の収集などの任にあたる、大名家における外交官である。
明治の文人・依田学海は、幕末、佐倉藩最後の江戸留守居役をつとめ、その激動の日々を、厖大な日記『学海日録』中に詳細に記している。
徳川幕府終焉を前に、情報の最前線で奔走するひとりの江戸留守居役・学海の生々しい体験を通してたどる、もうひとつの維新史。
[ 目次 ]
剛直の人と留守居役
江戸留守居の日々
大政奉還と江戸諸藩庭邸
王政復古から戊辰戦争へ
佐倉藩臨時京都藩邸
維新政府官史への道
『学海日録』刊行始末
[ POP ]
[ おすすめ度 ]
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古学(国学)の初学者に向けた、宣長の晩年の文章です。
国学というと、万葉集と古事記などの古典を言語学込みで研究するものという、少しぼんやりイメージが私の中にはありました。
宣長によれば、古学は儒学や仏教と対置され、その中に神学、有職、歴史、歌学の4科があります。万葉集の研究は歌学に、古事記の研究は神学にあたるわけです。
そして、古学の根本は、道、いにしえの心、大和魂を学ぶことにあるとされます。
本書では、漢意(からごころ)を排せよということが何度も繰り返されます。
私は漢文を好ましく思っているので、宣長のこの主張は少し嫌でした。
しかし、宣長も「漢籍をもまじへよむべし」と言っている箇所もあり -
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1798年6月に『古事記伝』を書き上げた本居宣長氏。初学者向けの古学の入門書を書いてほしいとの声に答えたのが、『うひ山ぶみ』で翌年5月に刊行された。
原文と注釈と口語訳があり、我々の理解を助けてくれる。
印象に残ったものは、
古事記と日本書紀では、古事記から学び始めなさいという趣旨のことや、文意のわからないところが多い時は、不明なままにして先に進めばいいということが書かれている。
全体を通して読み、その上で文意を調べていく方が良いということと自分なりに咀嚼した。今の時代でいうと独学入門書。
学ぶ上での志や、古学を学ぶくらいの人物は人格者たれといった学ぶ姿勢についても触れているのが興味深い。今の -
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小難しい内容だったが、何度も繰り返し説明されて理解できた。目からウロコの話だった。
・若山牧水の”白鳥やかなしからずや・・・”の「かなし」は、現代語では「悲しい」の意味だが、古語(万葉集)では「うれしい」の意にも用いられ、この歌が詠まれた頃の牧水の心情(歌集に収められた前後の歌)から考えれば、後者の意に解すべきではないのかという論考。
・鎌倉時代に成立した「徒然草」は、鎌倉時代の言葉(当時の現代語)ではなく、「枕草子」を模した平安時代の言葉(擬古文)で書かれた作品である。江戸時代の「雨月物語」も、江戸時代の言葉ではなく、擬古文で書かれた作品である。
・江戸時代には現在では存在が否定されてい -
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ネタバレ公開されるということは、批判の場にさらされるということであって、師弟関係という壁を取り払った自由な批判や論争を保障するということにほかならない。それによって、学問の世界は活性化する。
「古語とは何か。「明治維新以前の言葉」ではない。江戸時代には『源氏物語』の言葉が、平安時代には『万葉集』の言葉が古語であったように、今後も書き換えが続いていくのである。江戸中期、初めて「古典をその時代の言葉で読む」方法が確立する。賀茂真淵、本居宣長らによって夥しい古語が読まれ、解釈され、『万葉集』や『古事記』は庶民に近くなる。その過程で生まれた仮説や誤りの謎を解き、言葉の本質を考える。」
さほど目新しい