角田喜久雄のレビュー一覧

  • 霊魂の足 加賀美捜査一課長全短篇

    Posted by ブクログ

    戦中戦後の作品らしいが、仮名遣いや数字の表記が現代のものに直されており違和感が無く楽しめた

    加賀美を主人公とする短編集だが、読み終えてもその輪郭がボヤけていて、もう少し描写が欲しい
    シリーズものとしては印象が弱い

    各話とも粒揃いではあると思う

    0
    2025年08月03日
  • 霊魂の足 加賀美捜査一課長全短篇

    Posted by ブクログ

    加賀美捜査一課長全短編を収録。
    国書刊行会『奇蹟のボレロ』から表題作だけ抜かしたのと同じ構成で、収録作はエッセイ以外すでに全部読んでいたので、久々の再読ということになるが、やはり素晴らしい。
    冒頭の謎から惹きつけられる「怪奇を抱く壁」がベストだが、いま読むと「五人の子供」などもかなり泣けて、敗戦直後の混乱した社会の不条理に対して見せる加賀美の人情に心を打たれた。
    なお「Yの悲劇」ではクイーンの作品のネタバレをしているので未読の場合は注意。

    0
    2022年07月15日
  • 霊魂の足 加賀美捜査一課長全短篇

    Posted by ブクログ

    終戦直後の話だけど昭和40年代くらいまではこういった感じだったよなと思ってしまった。肌感覚で理解できる人は還暦以上かな。

    0
    2021年10月31日
  • 霊魂の足 加賀美捜査一課長全短篇

    Posted by ブクログ

     名こそ知っていたが、初めて読む角田喜久雄のミステリー、というよりも探偵小説と言った方が相応しいか。

     本書は、警視庁捜査第一課長・加賀美敬介が登場する全短篇を一冊にまとめたものである。
     シムノンのメグレをモデルにしたとのこと、そう言われると、確かに雰囲気が感じられる。市井の人々に向ける視線であったり、寡黙な中にも人情が窺われるところなど。

     作品の舞台となるのはだいたい敗戦後の東京。捜査に当たる加賀美の目を通して、戦争により運命が変転してしまった人々の間に起こる事件が描かれる。その推理により事件は解決をみるのだが、謎解きものとしての面白さはもとより、短い一編一編の中に、悲しいドラマが沁

    0
    2021年10月17日