小林勇のレビュー一覧

  • 蝸牛庵訪問記

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    ネタバレ

    作家幸田露伴の担当になってからその作家の死ぬまでの20年間の記録。

    地方在住作家が増えた現在、公私ともここまで密にする作家と編者は皆無だろう。編者が特高に捕まった際露伴からの手紙が届いた。当時のことだからもちろんプライバシーなんかないんで中身も警察に読まれた。
    露伴はこの時信州に疎開していた。

    細やかで編者を心配する手紙で、警察もそれが単なる作家と編者の関係で片づけられるものではない、と判断され、さらなる拷問が続いたそうだ。

    読み終わって、その文章や娘文さんや孫の玉さんの描くのとは違う、露伴を想った。身内には厳しい、博学で妥協を許さないその著書の数々(『五重塔』は2回読んだけど未だ解説書

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    2011年11月04日
  • 蝸牛庵訪問記

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    名作。年若い編集者(筆者)と幸田露伴との交流を描いている。
    全体の流れや個々の文章には、少々不味い部分も垣間見えるのだけれど、そういった技術を凌駕して光るものがある。
    是非、ラストまで読んで欲しい。
    機会があれば映像化して欲しいんだけど、無理かね。

    ちなみに小林勇は岩波書店社長。岩波新書の発行など、現在の岩波の体制を築いた。

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    2009年10月04日
  • 蝸牛庵訪問記

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    1926年からその死まで、岩波書店の編集者として幸田露伴に親しく交流した著者が、露伴によって語られたことばを記している本です。

    幸田文のエッセイでは、掃除のしかたをはじめ生活のなかの心がけについて教え諭す厳父のイメージが強い露伴ですが、著者との気の置けない会話のなかでは博識に裏づけられたユーモアを示しており、また、ときにわがままになったり気弱なところを見せたりと、思いがけない露伴の側面が記されています。

    露伴の娘の文が、「墨子」を「牧師」とカン違いした若いころのエピソードも紹介されており、いまでは日本語の名手として名高い文も著者にかかれば形無しです。その一方で、露伴の死が近づいてくるなかで

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    2020年09月05日