青柳瑞穂のレビュー一覧

  • マノン・レスコー

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    アベ・プレヴォー(Abbé Prévost、1697年-1763年)は、フランスの作家で、代表作『マノン・レスコー』(Manon Lescaut)で知られています。本名はアントワーヌ・フランソワ・プレヴォー(Antoine François Prévost)で、「アベ」(僧侶)という呼称は彼が一時期修道士であったことに由来しています。プレヴォーは恋愛と欲望の間で葛藤する人々を描き、道徳や人間の弱さについて深い洞察を与えた作家として評価されています。

    生涯

    プレヴォーは裕福な家庭に生まれ、若い頃から聖職者としての道を歩み始めましたが、修道生活に適応できず、何度も職を変えながら放浪

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    2024年11月12日
  • マノン・レスコー

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    「宿命の女」、マノン・レスコー。
    マノンの言動よりも、グリューの甲斐性のなさにイライラ。
    自分で働いてお金を稼ぐことは考えずに、借金、賭博、詐欺。更には殺人までやってのける。もう凄まじい転落人生です。

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    2011年11月18日
  • マノン・レスコー

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    この物語に欠かせないものとして激賞されるのは、マノンだろう。でも、私が泣かされたのは、主人公の友人、チベルジュだ。彼の主人公を大切にする気持ちには、参ってしまう。また、この物語はページの残量が極少になっても、まだ話が大きく展開していくため、最後まで目が離せない。デュマ・フィスの「椿姫」はこの物語をどう読み解いたのだろうか。

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    2011年09月26日
  • 孤独な散歩者の夢想

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    「社会契約論」で有名なルソーが過ごした、孤独な晩年。
    そこで彼が散歩しながら考えた、「自分自身」について。
    自分の内面を深く深く掘り下げる、孤独な旅路。

    「彼らの哲学は他人用なのだ。僕には自分用のものがあればいい。」
    「自分が学ぼうと思った時には、それは自分自身を知るためであって、
    教えるためではないのである。」
    など、俗世的に生きる人々(彼を疎外した人々?)に批判的意見を飛ばします。
    自分の内心を居所とする人間が最も強い、とするかのように。

    こうした姿勢は独善的、自己中心的と批判されそうなものですが、
    まあ、どっちもどっちでしょう。ただ、
    「判断を練りに練ったうえで、

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    2011年07月31日
  • マノン・レスコー

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    主人公デ・グリュウはおバカだ、友人チベルジュはいい人だ、マノンもおバカだ……そう思い、つっこみを入れつつも、だんだんとデ・グリュウに同情し、同調し、マノンに魅力を感じるようになってしまいました。最後に死んでしまうからでしょうか。まあ、もし何だかんだで生き続けたら、たぶんつまらない話だったはず。
    しかし、美貌によるハロー効果ではないかと思うほどにデ・グリュウはマノンを「愛して」いるんですね。その愛のもとには何もが正当化されてしまう。その愛がよくわかりました。さすが心理小説。マノンが「運命の女」たりうるのは、視点がすべてデ・グリュウのものだからでしょうね。
    最後まで飽きさせず読めた作品でした。まさ

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    2010年12月29日
  • マノン・レスコー

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    まるでブランデーのように舌の上で熱く甘く溶け喉を熱く焼き焦がす。
    マノンは悪女だけれど愛さずにはいられない。
    永劫の罰が待っていても束の間の幸福を求めずにはいられない。エロスは人間にとって最大の苦しみだ。

    同一神のはずだが、アラーのほうが慈悲深い。

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    2011年01月02日
  • マノン・レスコー

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    私が持っている新潮文庫版、同じ青柳瑞穂訳ですが、昭和56年36刷。アベ・プレヴォーって筆名(通り名?)は、Abbe(僧侶) Prevost だったんだ、何も知らずに読んでるものだなぁ、おそろし。男(とその人生)を破滅させる女の代名詞のようなマノン・レスコー(昔むかしのわが国の流行歌の歌詞にもあったような記憶が…)。オペラ「マノン」はプッチーニですね。プッチーニよりもヴェルディのほうが高尚だということになっているから「ヴェルディが好きです」と言ったほうがイタリアでは無難だよ、という話も聞いたことがありますが、私はどちらの音楽も好きです、それぞれに。どっちか選べと迫られたら、プッチーニかも。あの「

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    2011年07月19日
  • マノン・レスコー

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    今から300年程前の小説。美という罪な魔力を持ったマノンと、愛という弱点で翻弄される男。何度裏切られてもやっぱり愛してしまう様子はもはや応援したくなった。マノンの最期は悲しい。色々あったけれど、男は人生を謳歌したようにみえた。

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    2025年09月08日
  • 孤独な散歩者の夢想

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    晩年のルソーが綴った本で、私小説、哲学書のような内容となっている。冒頭に書いてあるように、ルソーは地上でただの一人きりになってしまったと吐露する。それ以降、ルソーの孤独な内面が次々と垣間見えていく。また本作でも言及されているが、思想家としての側面のみならず、植物学者としてのルソーの様子もわかる。

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    2025年03月29日
  • マノン・レスコー

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    話のテンポが良い。
    マノンに一目惚れして、一緒に住んで、不倫されるまで25ページ。
    そら主人公もびっくりするよ。

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    2024年10月27日
  • 孤独な散歩者の夢想

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    外側にあるものは問題とせず、平穏な幸福は自分の中にこそあるとして始める「孤独な夢想録」。その語り口は「高校生の頃のおれ」そのものだし、言ってる事自体は「晩年のルソー」すぎるし、アプローチ法は哲学的。安易な言い方だとドストエフスキーとかが好きな厨二病気質には刺さる。個人的には「第四の散歩」が好き。ただ訳が堅い。読みづらい。

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    2024年03月15日
  • 孤独な散歩者の夢想

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    翻って考えてみるに、酷く心を乱していながらも、当時そして現代にも通底するような、一種の真理に近いものを看破し得るのは、正に彼の著述の才能と、物事を掘り下げて深く考える能力の残滓が、錯乱状態にあっても確かに残っていたからであり、その一貫性に驚嘆した。所々真実かどうか疑わしい記述、どうも妄想ではないかと思われるような部分があるのは確かだが、精神に異常を来たし、老いたとしても、ここまで重厚なものを書ける人は稀有だと思う。

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    2023年09月21日
  • マノン・レスコー

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    ネタバレ

    「恋は財宝よりも富裕よりも強い。
    しかし、恋はそれらの力を借りる必要がある。」

    主人公の理性との葛藤が、相対する親友とキャラを分けて描かれている。
    個人的に終わり方にあまりスッキリはしなかったものの、ロマン主義文学の始まりと言われると納得できるように思いますね。

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    2022年08月26日
  • マノン・レスコー

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    騎士グリューの追い求める姿は、痛々しいが、なんかわかる気がします。最近、マノンに似た女性が割と身近にいて、驚きました。現実は小説より奇なりとはよく言ったものです。個人的にはタイムリーでした!

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    2019年05月24日
  • マノン・レスコー

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    フランス文学の傑作小説。
    美少女マノンを愛してしまった青年グリュウの物語。
    二人の破滅的な恋愛模様が描かれ、最後には遠いアメリカの地でマノンが死に、グリュウは一般人としての生気を取り戻す。
    ファムファタール。

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    2018年08月17日
  • マノン・レスコー

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    青年グリュウは美少女レスコーに一目ぼれをし駆け落ち。男たちの嫉妬に2人は追い詰められ、彼女自身も欲望に忠実だったことからアメリカ追放への一途を辿り、さらにその先にも破滅への道は続く。

    オペラやバレエ等で長く人々に愛されている作品なので読んでおきたく。「ファム・ファタール(男たちを破滅させる女)」を描いた初の文学作品とのこと。冒頭から一貫して男女の恋愛を描きながらも、互いを想う切なさや悲恋といった儚さは全く感じられません。
    愛する女性を追いかけ、振り回され、振りほどかれ、それでも追いかけ…グリュウは愚直なほどに彼女を求め愛します。対してレスコーは自他ともに認める美貌を持ち合わせていますが、享楽

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    2017年06月17日
  • マノン・レスコー

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    アベ・プレヴォーの自伝小説集"世俗を棄てたある貴人の回想と冒険"全7巻のうち、第7巻"騎士デ・グリューとマノン・レスコーの物語"が本作に該当します。そして、オペラや映画などの題材として度々取り上げられてきました。娼婦マノンに翻弄される貴公子デ・グリュウの一喜一憂する心理描写がとても鮮やかです。リアルでは絶対にお近づきになりたくはないですが、マノンも魅力的です。どこまでもマノンにのめり込んでしまうグリュウの一途さが、ラストの悲劇に繋がります。ファム・ファタールを描いた初めての文学作品だとも言われてます。

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    2015年07月29日
  • マノン・レスコー

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    ネタバレ

    僕は全宇宙が崩壊するのをいても、知らん顔をしていることだろう。なぜだって?彼女以外のものなんてどうだっていいからだ。

    バカバカバカ!!!何度そう叫びそうになったことか。愛とは盲目であるとは言うけれど、何度浮気されても、何度親友をだましても、何度牢獄にいれられても、果てには人を殺してまでも貫き通す愛はもはや美談のかけらもない。それにしても親友チベルジュを始め、グリュウ(主人公)の周りにはお人よしのいい奴ばっかが集まっている。だから脱獄もちょちょいのちょいなのだ。「現実はそんなに甘くない」とか「人を殺しといて美談に仕立てて」とか色々不満点があり、椿姫のように心から同情して泣ける物語ではなかった。

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    2015年07月17日
  • マノン・レスコー

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    ファムファタール系の一作。
    こんなのに惚れたら大変だ。ろくでもないと解りながらも、絶対に夢中になってしまう。物語としては悪くはないけどちょっと物足りない気もする。

    著者のアベ・プレヴォーは相当な数の著作があるようだけど、合間に軽く書いたこれが最も評価されているというから作者の思惑と世間との認識は往々にして乖離するもんだっていう良い例。

    自治医大店 田崎

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    2015年06月21日
  • 孤独な散歩者の夢想

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     ルソーの先見性は計り知れない。
     彼の自我や自意識への拘り及び探求が、その後の学問や近代文学に与えた影響の甚大さをみても、それは証明される。彼も、当時の人間には理解されないところの所謂、天才の一人に数えられている。特に、精神分析の発達こそがルソーの捻くれた性格や相反する感情の衝突などの現象を解明させる契機となった。文学では、かの有名なトルストイなどはルソーの影響を直接に受けているらしい。
     幸福とは、本人の中に眠っているもので、外部にそれを求めようとしても無駄に終わると、彼は語っている。彼は、作家として若い時期に華々しく文壇にデビューしたが、自分の子供を全て孤児院に入れてしまったり、激しい思

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    2015年02月17日