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四年に一度の政治のリニューアル。最古のデモクラシーであるアメリカ大統領選のイロハから、活力漲る予備選・本選での現場ルポ、二極化する現代社会の縮図としての大統領選の闇までを描く。トランプ大統領の再選を占う選挙を控え、第一線の著者たちがその見どころを示す。
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Posted by ブクログ
面白い。アメリカの党大会がこんな風だとは思わなかった。あと、ヒラリー・クリントンの落選時のエピソードなど興味深い。一方たぶん久保先生はほとんど書いていないな。最初と最後くらいか。
ミクロとマクロの両視点からアメリカ大統領選を感じられる良書。 東大名誉教授の久保文明氏と『ルポ トランプ王国』の金成隆一氏の共著。とはいえ久保教授の担当部分は第1章1,2部と終章のみと限られ、金成氏の文章がメインとなる。 久保教授執筆部分の中では、政党政治の歴史についての記述がかなり興味深かった。...続きを読むアメリカの2大政党制は「決定的選挙」を契機に両党の力関係や支持者層を大きく変えてきたのだとか。 3代ジェファソンの当選によりリパブリカンが隆盛し、南部の対抗勢力は7代ジャクソンを旗頭として民主党を結成した。そして16代リンカンの当選で共和党の成立が決定づけられ、現在の2大政党制が完成した。25代マッキンリーの当選によって共和党は全盛期を迎え、T.ローズヴェルト、ハーディング、クーリッジ、フーヴァーと共和党政権の時代が続く。しかし32代F.ローズヴェルトの当選を機に民主党は「大きな政府」に舵を切り、37代ニクソンが共和党から当選するまでは民主党の時代が続いた。 どれも高校世界史の授業でも習う内容ではあるが、2大政党制の観点から捉えることで各党のイデオロギーの変遷や国際政治との関連について理解が深まった。アメリカ政治史についてはいずれもう少し詳しい本も読んでみたい。 金成氏の執筆部分のうち、2章と3章は2016年アメリカ大統領選挙の予備選と本選のルポルタージュ。『トランプ王国』ほか金成氏の既刊との重複は定かでないが、個人的には面白くサクサク読めた。 支持者へのインタビューや党員集会の取材を通して分かる、アメリカ人の候補者の選び方が印象深かった。たまたま見た討論会の内容が気に入ったから、というように選んだ理由は必ずしも説得的なものではないが、それを堂々と自分の意見として主張する強さは日本に欠けているものだろう。 4章はよりマクロな視点からの大統領選の分析。 「リベラル」概念のアメリカでの変遷とヨーロッパとのズレについては今まできちんと理解できていなかったところ、わかりやすく説明がされており勉強になった。 ヨーロッパでは元々、体制からの自由を求める立場を言葉通り「リベラル」と読んでいたところ、アメリカではF.ローズヴェルトが自身の福祉主義を「リベラル」と呼び始めた。これに対してレーガンがヨーロッパ的な語法で「新自由主義(ネオ・リベラル)」を掲げたため、アメリカのみならず日本でも「リベラル」が保守と革新両方の意味を持つに至ったそう。
アメリカ大統領選挙について、その歴史から実際の選挙戦に至るまでを網羅的に解説した本です。丁度2020年の大統領選挙の時に書かれた本ですが、日々国際ニュースを見たり朝日新聞デジタル版の特集記事を見ている人なら知っていることも多いです。とはいえ、歴史に関する記事は参考になりまして、大昔は共和党の地盤がい...続きを読むまの民主党の地盤の場所だったりとか、言われてみればそうだったということも発見できました。
「4年に一度、政治を変える」。帯にある惹句の通り、アメリカ大統領選挙ほど選挙による政治の変化を実感させるのはない。 特に昨年の大統領選はコロナ禍の中で、SNSでフェイクニュースが飛び交い現職の大統領が選挙の正当性に疑問符を投げかけるなど、あまりに異例な状況で行われたものとなっただけに、より注目が注が...続きを読むれた選挙となった。 日本人には複雑で馴染みが薄い米国の大統領制と大統領選挙の歴史をコンパクトに纏め、トランプを大統領に押し上げた16年の予備選から本選に到る現場を描き出した本書は、トランプ後も深刻な二極対立が続く可能性があるアメリカ政治を知ろうとする際にも入門書として役立つ一冊。
一章は、アメリカの大統領、選挙の概要やその歴史を振り返る。私たちにとって、最もなじみのある日本の首相や議員との関係、あるいは、行政との関係とは大きく異なる制度であることがよくわかる。 今まではただ単純に大統領がどうやって決まるのか、といったところしか知らなかったが、なった後も、仕事の進め方、といった...続きを読むところも解説してあって、興味深い、勉強になった。 二章、三章は、予備選挙、党員選挙から本番まで追いかけている。これまた日本との違いを感じた。議員が首相になるのではなく、一般人でも大統領を目指せる、といった仕組みだからこそ、選挙が他人事ではないのだろう。 これまでの著者の他のルポを踏まえて読むと、この本は、中立的な視点に立っており、俯瞰的に追いかけれた。
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