草原の制覇 大モンゴルまで

草原の制覇 大モンゴルまで

924円 (税込)

4pt

4.1

南の中原に拠る農耕王朝と北の草原に拠る遊牧王朝.生業を異にする二つの王朝は,千年にわたり対峙し,たがいに覇権を争った.五胡十六国の戦乱から大元ウルスの統一まで,騎馬軍団が疾駆し隊商が行き交う,広大なユーラシア東方を舞台に展開する興亡史.伝統的な中華史観の枠組みを超え,多様な民族が往来する多元世界の歴史を描きだす.

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草原の制覇 大モンゴルまで のユーザーレビュー

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感情タグBEST3

    Posted by ブクログ 2020年04月16日

    学生時代に触れた中国の歴史では、遊牧民の台頭はどこか傍流のような扱いだったと記憶している。
    しかし本書ではその印象が覆された。

    騎馬を中心とした機動力ある軍事のみならず、支配側の風習などを保護する必ずしも強権ではない統治。
    東ユーラシアを覆うほどに版図を拡大したのもむべなるかな、と思わせられる。
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    Posted by ブクログ 2020年03月31日

    岩波新書のシリーズ中国の歴史第3巻は「ユーラシア東方史」という枠組みでの歴史叙述であり、これまでになかった「中国史」の大胆な読み替えが示される。何しろ第1章から「拓跋(タブガチ)とテュルク」である。北斉、北周、隋、唐は遊牧国家である拓跋国家の系譜に連なると! 隋や唐までも! 

    そして、第2章は「契...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2023年07月25日

    大元ウルスが物凄くて、これ以外の歴史の出来事がどれも小さく見えてくる。
    特に面白かったのは安禄山の話。通訳から頭角を表して強大な軍閥を築き上げ、そして楊貴妃の養子になる。めちゃくちゃ興味を惹かれた。

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    Posted by ブクログ 2021年05月09日

    岩波新書のシリーズ中国の歴史の第3巻で、北方草原地帯の遊牧民に焦点を当て、ユーラシア東方史という枠組みで中国史を捉え直している。時代としては、大体、五胡十六国時代から大元ウルスの時代までを扱っている。
    従来の中国王朝交代史では周辺扱いされがちだった草原地帯の遊牧国家(契丹、金など)を中心に据えたダイ...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2021年01月24日

    シリーズ中国の歴史の第3巻。第2巻での江南の歴史の叙述から一転、ユーラシア大陸中央部における雄大な騎馬民族興亡史が描かれる。多様な部族の興亡の中から大モンゴルが誕生し、ユーラシア全体を制覇する様はまさに圧巻。中国の何たるかを知ろうとするには、多元多様、俯瞰的な視点が必要であるとの本シリーズの趣旨に深...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2021年01月20日

    シリーズ第三巻。この巻でも従来の中国史の枠組みを排し「東方ユーラシア」という視点でその歴史を追う。従前、周縁として扱われた騎馬遊牧民が、騎兵という前近代においては非常に強力な軍事的優位を保持し、大きな役割を果たしたことが分かる。隋・唐を含む「拓跋(タブガチ)国家」、五代から北宋に至る「沙陀系王朝」、...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2020年09月27日

     文明の中華に野蛮の遊牧民とを対比させる中華主義的歴史観こそなくなったものの、遊牧集団があまり文字史料を残さなかったため、どうしても周縁的存在とみなされがちであった。それが近年は、対立のみではなく、経済的交流や相互影響関係があったことが解き明かされてきた。

     本書も、そうした潮流の中で、ユーラシア...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2020年08月22日

    遊牧民族と華北との関係を、北魏からモンゴル帝国までの期間で俯瞰する。華北は多国体制と統一国家を繰り返してるけど、遊牧民族国家は部族単位での興亡が続く。
    武力を誇る遊牧民族と、生産力・統治能力に優れた中国とのせめぎ合いだったわけだ。
    遊牧民族は環境の変動にあわせて移動する。匈奴が華北に侵攻したのも寒冷...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2021年02月13日

    本シリーズの第2巻(江南の発展)は、漢詩や書、水滸伝などで知った名前が多くでてきて、読んでいてパズルのピースがはまるような感じがあった。一方、こちら第3巻は馴染みのない人名、地名がぞくぞくと登場。各地で王朝の興亡も激しくて、何が何の話だったか脈絡を見失いがち。他の方も書かれていたが、詳しい地図の一つ...続きを読む

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