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MMT(Modern Money Theory=現代貨幣理論)は救世主なのか。閉塞状態を抜け出す経済学・金融政策とは何か。世界的金融学者による初の邦訳書!
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Posted by ブクログ
MMT派の主張する財政金融政策に対し、その主張が抱える深刻な問題点を分析し批判的に提示した書。 ポイントは、 ①MMTが前提とする、中央銀行が常に機械的に中央政府債務を貨幣化する制度はほとんどの国で存在せず、多分に政治的なバランスに左右される。 ②通貨発行権を有する中央政府であっても、アメリカのよう...続きを読むな国際的な基軸通貨国でなければ、拡張的な財政金融政策は自国通貨安と国際投機マネーの過剰な流入と逃避を招き経済が過剰に膨張収縮する混乱をもたらす。 ③アメリカドルのような一見圧倒的に見える国際基軸通貨であっても、野放図な財政金融政策がとられた場合、意外なほどあっけなく一強の地位から脱落することがままある ④仮にアメリカでは拡張的な財政金融政策が当面実行可能であったとしても、それは単なるアメリカファーストであり、溢れたドルが新興国に過剰に流入したり逃避したりして、世界に混乱をもたらす。 ⑤こうした国際的なマネーの混乱と、国内的な過剰投資による資産バブルの発生は、MMT派がなぜか楽観視するようにはコントロールできない。特にシャドーバンキングの影響力が大きくなるにつれて銀行法による規制の影響力も減衰している。 ⑥MMT派の主張するように財源を税収入に求める必要はなくても、フリーランチというわけにはいかない。拡張的財政政策の結果、完全雇用状態に達すれば、それ以上の施策実現には他の支出を削減するか増税により需要を減らすかの選択が必要になる。 である。 本書を手に取ったのは、MMTの主張を概ね正しいと認識していた私が、新聞報道などで当たり前の前提として記載される財源としての税収入の議論とMMTの主張する財源不要論のどちらが正しいのかの考えを煮詰めるヒントが欲しかったからだが、本書においては、MMTの基礎理論に対する批判は上記①くらいで、その他は、当該基礎理論に基づくMMT派の政策主張に実行上の問題を回避・軽減するための工夫の分析が深刻に抜け落ちていることに対する批判であったため、やはり財源が不要という理論自体は正しいのだと認識できた。①は制度論の問題であって、本当に中央政府がデフォルトするか否かの局面で中央銀行がいずれのシナリオも選べる状況においてデフォルトの結末を選択するとは思えないし、金本位性が放棄された後の自国通貨はやはり貨幣のプールで発行総量が定められているものでもないため、税財源がないと市場へのマネー供給ができないということはないのだろうと。 新たな視点を与えてくれる書籍で、興味深く、星4つ。 日本語(なのか元の英語なのか)が下手で、例えば文章の中でAとBの主張を紹介したあとに否定表現が入るもそれがどちらを否定しているのかがはっきりわからない箇所がいくつもあったりした。
国家が積極的な財政政策を行ううえで財源は必要ない、なぜなら中央銀行が主権通貨を発行すれば自動的にファイナンスされるから。これがMMT。この理論の問題点を挙げ検討したのが本書。 緊縮財政ではなく、GNDのような進歩主義的なマクロ経済政策を後押しする点ではMMTを評価しているが、MMTのマクロ経済政策が...続きを読むもたらす様々な影響、実行可能性や制限、米ドルの地位への懸念などからMMTへの疑念を説明する。
MMTに関して、否定ではなく足りてない部分を指摘した本。 日本でMMTを推奨する人物にTPPでデマをばらまいていた人間などがいて胡散臭さを感じていたが、日本で翻訳本が出てるMMTの第1人者もちょっと不十分な部分が多い印象を持ちました。 不安定なマネー対策として国際資本移動規制を提案するが、MMT派か...続きを読むらも信用創造がもたらす金融不安定性への具体的な言及は必要と思いました。 同様に、米国金融緩和策がもたらす開発途上国への悪影響に警鐘を鳴らすのはもっともで、開発途上国への気まぐれなホットマネーの移動規制は喫緊の課題でそもそもMMT派はどう考えるのか?と素直に思いました。
MMTは現行からの変化を求めるが、そもそもフリーランチはなく、トレードオフがあるので、現実には成り立たない空想の産物である。
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MMTは何が間違いなのか?―進歩主義的なマクロ経済政策の可能性
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ジェラルド・A・エプシュタイン
徳永潤二
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