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〈イタリア出身の著者がおくる、新しい古典文学の楽しみ方〉
日本で長く翻訳者として活躍しているイタリア女性が、あの有名古典作品を“超訳”! 自由で古典愛に溢れた現代訳とともに、清少納言や小野小町のリアルな姿を探ります。
1000年前、経済的に自立できなかった日本の女性たちは文字通り「命がけ」で恋をして、その経験を日記や物語として書き遺しました。彼女たちの恋愛は情熱的であり戦略的。本書では『枕草子』『紫式部日記』『竹取物語』など、誰もが一度は教科書で習った10の有名古典作品を「個性的な女性たちが、恋に、出世に奮闘する平安オムニバス」として読みなおします。
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Posted by ブクログ
テンポよく平安古典を語る。美女といわれるけれど、実は後ろ姿しか分からない小野小町。清少納言、道綱母、伊勢物語の女たち、そして紫式部と有名どころが続く。作品から想像するそれぞれの女性著者たちの性格、当時の社会の中でもがいた姿。平安時代は自由恋愛、通い婚。相手の顔を見ないで恋心を募らせ、「見る」という言葉がすでに男女の関係を持つことを意味した時代。ダンテのイタリアでは「知る」という言葉に相当するという。ダンテがフィレンツェで思いを寄せたベアトリーチェはフィクション半分だろうけれど、最後まで距離を保ったまま。相手とアイコンタクトを取る場所は日曜の教会くらいしかない。教会に行く、と言う行為には、宗教的意味以外に人々のさまざまな思いがあったのだろう。平安女子とダンテの時代の男女関係の比較というのは、著者ならではで面白かった。イタリアの高校生はみな難解なダンテを読まされ、トラウマになるらしい。一度挑戦しなければ、だが、素人でも読める超訳を探さなければ。
Posted by ブクログ
イタリア人女子が語る日本の古典文学の魅力。妄想力全開のところは万国共通。
本当にイタリア人女子が書いたのか、ゴーストライターがいるのでは、勘ぐってしまうほど自然な日本語かつ日本の古典文学に関する深い知識の内容の本。
「和泉式部日記」「更級日記」「古今和歌集」「蜻蛉日記」「伊勢物語」「とはずがたり」「紫式部日記」「竹取物語」を現代的な視点から縦横無尽に語る。よくぞここまで日本の古典を愛し読み込んでくれたものだと思う。
平安女子、現代とは生活習慣や文化は当然異なるが感情は現代の日本人そしてイタリア人でも変わらない。
作者なキャラクタの直球勝負の解釈が心地よい。
和泉式部=平安京を騒がせたプロ愛人
菅原孝標女=ヲタク気質な妄想乙女
清少納言=女であることを誇れ!カリスマ姐さん
など。
最終章はイタリアの超奥手こじらせ男子ダンテと平安女子の比較。イタリアの高校生はダンテの「神曲」を全文読まされるそうだ。奥手なダンテ、イタリア人の恋愛観の真っ直ぐさと平安人の歌を通じた恋の駆け引きの比較文化論が面白い。
筆者は言う。
「古典は使い古した教科書にしか存在しない死んだ言葉だと思われることが多いが、その古びた単語は一瞬にして蘇り、詠まれた時と同じ、否、それ以上の生命力を持って輝き続けている。現代の日本人はみんなその華やか世界を簡単に覗けるというのだからなんて贅沢なのだろう。」
ハードルの高そうな古典文学。実は身近であり時に生々しい内容。そんな魅力をあらためて教えてくれる屈指の作品でした。続編を期待。
「東洋経済オンライン」連載のコラムをまとめた一冊。
Posted by ブクログ
高校時代にこの本に出会えていたら良かったのに、と思わずにはいられない。
古典の授業で技巧の凝らされた和歌たちの理解に苦しんだ記憶が、十数年経て報われた気がした。
作者のユーモアたっぷりの現代語訳が癖になるし、そのあとでしっかりと和歌に凝らされた技巧や引用も丁寧に教えてくれるからありがたい。
貴族男性たちの権力争いの裏で、平安女子たちはみんな必死に生きていた。女性の名前すら記録にほとんど残されない時代に、己の知力や感性を磨くことで居場所を守り、言葉を紡ぐことで後世にまで名前を残していることは改めて考えると本当に凄い。
日本の女性に生を受けたことを誇りたくなる一冊。
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