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神経科学は脳や神経のしくみを細胞・分子レベルで解明する学問。神経科学を通じて、人間の学習、行動、意思決定、感情、認知、記憶などを、科学的根拠に基づいて理解することができる。難解でとっつきにくいとされるこの分野の魅力と謎を、第一人者でありながら“つむじまがり”な著者が解説! 認知症のメカニズムやPTSDなど記憶障害についての最新研究も盛り込んだ、超絶エンタメ講義。 世界的快挙!?
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Posted by ブクログ
著者は大阪大学の名誉教授であり、神経生物学の専門家。神経科学の基本的な概念から始まり、記憶のメカニズムや認知症、PTSDなどの記憶障害に関する最新の研究まで。ユーモアを交えながら、通説と自説を分けて解説してくれていて、やや自説の方が面白いが、通説も図解付きで分かりやすい。特に、記憶の仕組みや神経回路...続きを読むの可塑性について、この辺の自説は説得力も高くて面白い。 ― 中枢神経系であれ末梢神経系であれ、基本的に成熟動物の神経細胞は増えません。「増えて増えて」といったのは、進化の歴史上の話、あるいは個体の発生の途上での話で、今自立している個体、私やあなた、の中では増えません。ただし、それは別に神経細胞に限ったことではなくて、細胞というものは、自分は何になると決め、他になる可能性を捨てて、やがてそれになって働き出す(これを「分化する」という)と、もう増えないのが原則です。分裂するのは、何になるかまだ全く決めていないか、一応方針までは決めた(あるいは、そちらに向って歩み出した)けれど、まだそれとして働き出す前の細胞です(分化の段階によって、幹細胞とか前駆細胞という)。いいかえると、増殖と分化は相反的なのです。それは筋肉だって皮膚だって同じです。 そうだよね、という感じで。基本を学ぶ。一方で、二ューロンが増殖しないのと対照的に、増殖するのはグリア細胞。脳が外傷を受けたり、脳出血でニューロンが大量死を起こしたりすると、グリア細胞が増えて損部を埋める。 ― 「同時に発火した細胞は互いに結線する」という標語に要約される考えです。 これだけではわかりにくいですね。具体例を挙げましょう。さっき紹介したわが家のネコは捨て猫だったのですが、拾い上げたそのとき、私の脳には、白いという視覚刺激と、モフモフという触覚刺歌、ニャーという聴覚刺数などなどが入りました。中でも毛色の印象が強かったので「シロ」と名づけたわけですが、それ以前から白い猫が欲しくて、拾ったらシロと名づけようとか思っていたわけでもなく、単なる偶然です。しかし、ヘッブの仮説が正しければ、白・モフモフ・ニャーなどなどの入力神経路の細胞群と、シロと呼ぶための出力神経路の細胞群は、側然であれ同時に活動したわけですから、相互に結合する(または結合を強める)はずです。 ― ヘルマン・エビングハウス というドイツの心理学者が行った心理学実験で、意味のない3文字列を多数示したあと、何日後にはそのうちどれほどを思い出せるか、というテストをして、記憶残存率という形で記憶の強さを評価しました。提示の繰り返し回数や期間、間隔などなど、いろいろな条件で記憶残存率の時間経過を示しました。この忘却曲線は、今でも実用の役に立つことをたくさん教えてくれます。その中に、24時間以内に繰り返せというのがあります。そこで、冨永博士は、培養海馬切片に、後期相LTPを24時間間隔で3回、繰り返し誘発しました。すると、期待通り、その後何週間にもわたって持続する強化状態に移行したのです。これこそ長期記憶のガラス器内再現ではありませんか。ここから示唆される結論は、単独のLTPはそれ自体が長期記憶なのではなく、短期記憶を長期記憶に変換するしくみの一部(もちろん重要な一部)なのだろう、ということです。 ― 脳を顕微鏡で調べると、老人班というシミ(沈着物)が目立ちました。また、神経原繊維変化という樹状突起の異常も目につきます。老人は、アミロイド-βというペプチド(約40のアミノ酸から成る小タンパク質)の凝集塊でした。そのアミロイド-βは、脳に元々あるAPPという細胞膜タンパクの代謝産物です。分解のされ方が正常と少し違ってしまい、排出されにくいものになって溜ってしまったようなのです。 上記のように、専門的な用語もユーモアな言い回しで分かりやすく、興味も広がるし、勉強になる。
神経科学分野の書籍は初めてかな。 基本的な解説から記憶の構造まで概観をさらってくれる。小ボケが合間に挟んであるので、理解できない用語が並んだ後で緩和剤となってくれる。何とか読み進められた。 もっと用語を学んでからだと内容自体も面白く読めるんだろうな、この本をきっかけに深めていけたらいい。
面白そうなタイトルだったので手に取ったが、これは拾いものだった~~1章神経系とはなにか01神経系のなりたち・神経系の起源・神経細胞あるいはニューロン・グリア細胞・メーキングオブ脳・メーキングオブ末梢神経・神経細胞の増殖・神経の再生※スーツと名札02神経の興奮・電池とスイッチと電位依存性チャネル・伝達...続きを読む物質受容体チャネル・感覚受容体チャネル・チャネル毒※お茶の水ハカセッ03神経の伝達・シナプス・神経伝達の二つの様式・シナプスの結合※講義04神経回路・反射・シェリトンのくびき・中枢パターン発生器・指令ニューロンもしくは中枢※棒暗記05神経系のクセ・地理的対応・機能局在・コラム構造・層構造・脱抑制・側方抑制・発火頻度符号化※試験2章記憶のしくみ01記憶の貯蔵・スコトフォビンあるいは物質説・ヘッブの仮説あるいは回路説※ピペットマン02神経伝達の可塑性・LTPの発見・グルタミン酸とカルシウム・LTPの生理的意義・場所細胞※記憶の花03神経回路の可塑性・LPTはどれほど維持されるか・RISEの発見・Riseとゆらぎ・臨界期・記憶の転送※透明人間04記憶を操作する・エングラムの可視化・記憶の人為的操作・記憶素研究のためのモデル系・記憶のしくみについての私の考え※「セントラルドグマ」の暗喩3章記憶の異常01認知症・アルツハイマー病・脳血管性認知症・レビ-小体型認知症・その他の認知症・認知症予防法※三位一体02ストレスと記憶障害・PTSD・ストレス障害・幼弱期過剰ストレス03スーパー記憶・サヴァン症候群※ブレインまし人たーフェイス04細胞移植は記憶障害の解決策になるか・細胞の再生と回路の再生※へそまがりとつむじまがりの違い~1951年東京生まれ、東大理学部卒、三菱化成勤務、大阪大学理学部教授。映像記憶能力者・円周率は808桁!
著者の専門である神経科学についてエンタメ的に書きたいとのことでできた書。所々で駄洒落を入れているのは息抜きになっていいが、本書はいたってまじめな書で、神経の基本から述べ、著者の専門である記憶についての神経基盤、そして、その機能障害による病気などを根拠をもって書かれている。ただ専門用語は覚えにくいので...続きを読む少し難解な部分はある。
著者によると神経科学のエンターテイメント書籍、という位置付けとのことだ。なるほど素人にも読みやすいが、この本をきっかけに知識の肉付けするつもりで読むのがいいと思う。もうちょっと詳しいことを知りたいと、次の書籍を探すきっかけになるのではないかと思う。
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