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北海道、浦河。そこに、精神障害やアルコール依存をかかえる人びとのための小さなクリニックがある。開設から6年。「ひがし町診療所」がそれまでの精神科の常識をことごとく覆しながら踏み分けてきたのは、薬を使って症状を抑えるといった「いわゆる治すこと」とは別の、まったく新しい道だった。医療者が患者の上に立って問題を解決しない。病気の話はしない、かわりに自分の弱さを、問題を、きちんと自分のことばで仲間に伝えること。医師や看護師が能力を最大限発揮しない、それによって人が動き出し、場をつくり、その場の空気が、やがて本当の意味での力となってゆく。障害のある人びとを、精神科病棟のベッドから、医師や看護師のコントロール下から、地域の中に戻すこと。グループホームで生活し、病気の苦労、暮らしの苦労を自分たちの手に取り戻すこと。そのことが、患者の側だけでなく、健常者を、町全体を、そして精神科医療そのものも変えてゆく…… 北海道、浦河。べてるの家のその先へ。
...続きを読むPosted by ブクログ 2023年03月29日
「くらしと教育をつなぐ We」2022年12・1月号の「日々、手話、楽し。」という明晴学園の事務職員で手話通訳者で学園の写真を撮っている清水愛さんのインタビューを読んだ→この学園の校長だった斉藤道雄さんというジャーナリストを知った→著作を読みたいなと思った
北海道の浦河というところで、日赤病院の精...続きを読む
Posted by ブクログ 2023年04月02日
北海道の浦河でひがし町診療所を運営する川村敏明先生が、精神科の患者にどのように対応しているかを克明に記述した本だが、出てくるエピソードが全てユニークで非常に考えさせられた.所謂、統合失調症の患者が入院しないで普通の生活を営めるように支援することを実践しているのだが、医者とスタッフの連携が素晴らしく、...続きを読む
Posted by ブクログ 2021年01月03日
「べてるの家」について書いてきた著者であるが、これまでは当事者と彼らを支える向谷地さんの話が主であった。今回は、浦河日赤精神科がなくなり、「ひがし町診療所」が立ち上がり、そこでの経緯ややり取りを通じて、川村医師の人となりを伝え、精神障害者が地域でいかに生きているかを述べられた本である。今回は川村医師...続きを読む
Posted by ブクログ 2020年11月27日
何が普通で 何がそうでないのか
何が健常で 何がそうでないのか
斉藤道雄さんの本を読むたびに
深く考えさせられる
「べてるの家」に関する著作の時にも
たっぷり考えさせてもらいましたが、
今回は そのより発展した形での
「今」ということで
より思考をほぐしてもらえた気がします
「治したくない」
...続きを読む
Posted by ブクログ 2023年08月10日
みすず書房
斉藤道雄 「治したくない」
総合失調症患者を 薬やベットから解放し、医療から生活ケアに 治療の重点を置いた「ひがし町診療所」のドキュメンタリー
「診療所の日々のありようは〜答えはない けれど 意味はある」という言葉から、治らない病気に向き合う無力感、そんな中で自分が何を求めら...続きを読む
Posted by ブクログ 2020年09月08日
タイトルのインパクトが強いけど、医療者が薬でコントロールして押さえつけることではない、ということが言いたいのかなと、思った。心に残る考え方がたくさんつまっていた。
意思決定支援の視点も多かった。周りが良かれと決めちゃう、それは誰にとって良いこと?なりがちだし、意思決定能力の有無の判断についても、もっ...続きを読む
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