無料マンガ・ラノベなど、豊富なラインナップで200万冊以上配信中!
北海道、浦河――襟裳岬に近い海辺の町に共同住居「べてるの家」がある。病気や生きづらさを抱え呻吟の日々を送っていた人びとがここで出会い、集いはじめて二十年余り。メンバーはみずから会社をつくって、日高昆布の加工販売をはじめとする多彩でユニークな活動を展開している。そのモットーは「安心してさぼれる」会社だ。べてるのいのちは話し合いである。ぶつかりあい、みんなで悩み、苦労を重ねながら「ことば」を取りもどした人びとは、「そのままでいい」という彼らのメッセージを届けに、きょうも町へ出かけている。そんなべてるの力にふれるとき、人は自分自身への問いかけに揺さぶられ、やがて深く納得するのである。それぞれの人生を生きていくための、回復のキーワード。
※アプリの閲覧環境は最新バージョンのものです。
Posted by ブクログ
みすず書房 斉藤道雄 「悩む力」 べてるの家 の人びと
総合失調症患者の共同生活の場であり、仕事の場でもある「べてるの家」の活動記録。病気を折り込みながら 自立的な生活と仕事の日々を送っている
病気を折り込んだ自立支援の例
*不平等の貫徹〜できる人が仕事をし、できない人は仕事をしない
*三度の飯よりミーティング〜議論をしつくすことを目的とする
*自由と安心感が商売につながる〜病気が出れば サボってもいい
この本には書いてないが、治すことができない精神医療の限界と ここまで 寛容的にはなれない一般企業の障害者雇用の難しさを感じた
著者のメッセージ
*病気に悩み、苦しみながら、病気とともに生きることに 生の豊かさがある
*人はパンのために生きているのでなく、人間同士のつながりのために生きている
VEフランクル「人生の意味を考えてはいけない〜この人生から自分は何を問われているかを考えなければならない」
Posted by ブクログ
# 悩む力
この本の中に私は自分を発見し、生き生きとした人間の生を感じました。こんなに幸せなことはなかなかないと思う。この本は、分裂病患者が共同生活を営む「べてるの家」を取材したドキュメンタリーである。
記録に、印象に残った言葉たちを記しておこうと思う。
・(べてるでのSST社会技能訓練について記した項で。)
「じつにかんたんな会話のようであっても、メンバーの一人ひとりはSSTに集まることによってひとつのことを確認しているかのように思える。私たちはつながっていたいと。(中略)こうしたひとつひとつのことが、彼らをつなぎとめ、人間の輪の中に引き戻し、ひいては人間関係を取り戻すことに繋がっている。」
自分が休職していた頃のことを考えると、社会から断絶された孤高の存在であったと思う。少し元気になってくるとそのことに気づき、虚しくなった。いま自分が会社で働き、社会の一員として認められているという自覚が、今のしあわせな自分を作り出しているのだと、つくづく思う。そういう意味では、私も「つなぎとめられている」ことによって今の自分を保っているのだろう。
・向谷地さんの言葉
「私たちは、生活を便利にしたり豊かにしたり、自分にないものを身につけたりいろいろな努力をしているが、そういうこととは無関係に、生きることに悩みあえぐという力が与えられている。そういうことを忘れている。(中略)実は人間は、どんな境遇に生まれようとどんなに恵まれていようと、ちゃんと悩む力をもっている。」
そうか、精神病患者は悩み上手なんだな。
・分裂病患者 長友ゆみさん
「ほんとうにこわくなるというより、こわくなりそうになる、その前兆におびえてしまう。自分がどうなるかわからない、あるいは何をするかわからなくなりそうな、そのこわさ。 『いつも自分のことばかり考えてるから。そこが病気なんです。自分と付き合うのに苦労するから。もっと自信持てればいいんだろうけど。』」
前兆に怯えるということ。それはまさに今、私が経験していることです。
・ミシェル・フーコー『狂気の歴史』
精神病をつくりだしている澄みきった世界では、もはや現代人は狂人と交流してはいけない。すなわち、一方には理性の人が存在し、狂気に向かって医師を派遣し、病気という抽象的な普遍性をとおしてしか関係性をみとめない。他方には狂気の人が存在し、やはり同じく抽象的な理性、つまり秩序・身体的で精神的な拘束・集団による無名の圧力・順応性の要求たる理性を介してしか理性の人と交流をもたない。両者のあいだには共通な言語は存在しない、むしろもはや存在しないのである。
・べてるの良いところは、病気をあけっぴろげに笑ったり、平気で不謹慎な言葉でもって迎合しているところだと思う。例えば、分裂病真っ只中の人に向かって「落ちるとこまで落ちな。見ててあげるから。ばいばーいって。ワハハ」また、ある人は、自分のことを「おれ、アッパラパーだからさ」という。病気に真に向き合っているのだと思う。そこには、誰も病気を隠す人はいないし、なかったことのようにして生きる人はいない。そこが、わたしが今生きる社会とは大きく異なるところだと思う。
Posted by ブクログ
北海道の浦河にある精神障がい者の施設「べてるの家」は、どんな患者も排除せず、昆布製品の販売等で利益をあげている稀有な施設。
べてるの家の考え方は、精神病を完治させるのではなく、病とともにある人生を肯定して幸せに生きようというもの。精神病の完治は非常に難しく、それを目的にした人生は苦しい。それならば、病ありの人生を幸せにしてゆこうという凄い考え方。病ありの人生にだって苦労はある。その苦労をすることでより味わい深い人生になると考える。べてるの家の考え方は、ある意味で超ボジティブ。そのポジティブさが、どこにも居場所を見つけられなかった患者たちを支えているのかも知れない。
※アプリの閲覧環境は最新バージョンのものです。
ビジネス・実用
ビジネス・実用
小説・文芸