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新学習指導要領のもと、今年本格始動する「学び方改革」の目玉なのに、中身への理解も導入の準備も進んでいないアクティブ・ラーニング。しかしそこで展開される互恵的で深い学びは、自立的学習者、民主主義の手続きと運用に習熟した自律的市民の育成につながる大きな可能性を持つ。「学びの演出家」の第一人者が実践的に解説。
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Posted by ブクログ
学術的で難しい内容かと思ったら、読者を専門家以外の人と想定して書かれている本で非常に読みやすかった。 また、実際の事例を元に展開されているのでわかりやすい。 そして、臨場感あふれる描写に、現場の雰囲気や学習者、教師の学びに対する喜びがひしひしと伝わってきて読んでいるこちらもワクワクするほどだった。 ...続きを読む教師たちが真摯に教育に取り組む姿勢を垣間見て、教育無償化に対する疑問も浮かんだ。 教育無償化には一部賛成だが、それよりも現場のリソース確保のためにそちらにお金を充てるべきではないかと思った。 学習者のための教育について政府にも今一度考えてほしい。
アクティブ・ラーニングとは何か 著:渡部 淳 岩波新書 1823 欧米の影響で、文部省は、黒板とチョークの一方的な授業から、ロールプレーイングやディベートを含めた双方の授業へ、「アクティブ・ラーニング」へと学び方改革を進めていく方法を述べています。 知識注入型授業の比重が高いのは、東アジアの特徴...続きを読むである。 日本をはじめ、韓国、中国、ベトナム、シンガポールなどの国々に見られる傾向である 欧米では、個性尊重、経験主義、自学主義が生まれ、大正時代の日本にも影響があった。 戦後、まもなく、文部省は、教育の目標、内容、方法について、全国一律の教育の手引きとして、学習指導要領を作成した。 1947 学習指導要領策定 1977 おちこぼれ対応にて、ゆとり教育導入 1989 新しい学力観 1998 教育内容3割減⇒ゆとり教育本格導入+総合的な学習の時間 2012 中教審 質的転換答申 能動的学修(=アクティブ・ラーニング)への必要性を提言 2016 中教審 主体的・対話的で深い学びをアクティブ・ラーニングとして定義 2018 学びの地図、カリキュラム・マネジメント⇒アクティブ・ラーニングを含めた学習指導要領改訂 本書でいう、アクティブ・ラーニングとは、官製の指導方法の転換なのである。 気になったのは、以下です。 ・なぜ、アクティブ・ラーニングなのか? ⇒21世紀が知識基盤社会であり、新しい知識・情報・技術の重要性が高まっているから ⇒国際的動向に合わせた変革なのである ・コンテンツ(内容)⇒コンピテンシー(資質・能力)へ ・ティーチング(教え)⇒ラーニング(学び)へ やりかたは ①道具を相互作用的にもちいる ②異質な人々からなる集団で相互に関わり合う ③自律的に行動する 一方的授業 ⇒ 参加型授業 試行授業 ①ロールプレイの導入 ②フリーズ・フレームの活用 場面(静止画) ③ホット・シーティング(質問コーナー) ④プレゼンテーション ⑤スカイプ ⑥ディベート 獲得型学習モデル ①リサーチワーク ②ディスカション・ディベート ③ドラマワーク ④プレゼンテーション +⑤ウォーミングアップ 教育プレゼンテーション30の技法 最初の一歩 ①世界一短いスピーチ ②1分間スピーチ ③即興スピーチ ④ショー&テル ⑤なりきりスピーチ ことばモード ⑥準備したスピーチ ⑦半即興スピーチ ⑧暗唱 ⑨朗読 ⑩群読・コール ⑪公開インタビュー ⑫クイズ・ショー ⑬架空シンポジウム ⑭ニュースショー ものモード ⑮ポスター・セッション ⑯フォト・スライド・ショー ⑰PCでのプレゼン ⑱ビデオ作品 ⑲ガイド・ツアー ⑳紙芝居 ㉑人形劇 ㉒ものづくり 身体モード ㉓フリーズ・フレーム ㉔なりきりプレゼンテーション ㉕CM発表 ㉖再現ドラマ ㉗ホット・シーティング ㉘ディベード・ドラマ ㉙ダンス ㉚パフォーマンス ・アクティビティ定着の4つのフェーズ ①個々のアクティビティの働きや効果について教師が十分にしること ②アクティビティを組み合わせて、1時間なり1学期間なりの授業をデザインできること ③実際の授業でアクティビティを効果的に運用できる ④教育内容、教室環境、生徒の状況など諸条件に合わせて、教師がオリジナルなアクティビティを創造すること ・アクティビティ・ラーニングを定着させるためには、教師を支援しつづけなければならない ①物理的な環境の整備 ②教師の多忙化 ・移行ステップ ①現状の把握と分析 ②目標の明確化 ③教師研修プログラム ・自立的学習者 ①プロジェクトの運営に参画する経験 ②チームの活動に何らかの貢献をする経験 ③自分の視野が広がる経験 ④コミュニケーションの大切に気づく経験 ⑤自己の特質に気づく経験 ・自立的学習者 ⇒ 新しい教養人 の育成 が最終目標 目次 はじめに―学び方改革に向けて 第1章 授業改革からアクティブ・ラーニングへ 第2章 アクティブ・ラーニングへの移行 第3章 学びを全身化、共同化するアクティブ・ラーニングの実践 第4章 共有財産としての参加型アクティビティ 第5章 アクティブ・ラーニングが定着する条件 おわりに―異文化接触の最前線で あとがき 引用・参考文献 ISBN:9784004318231 出版社:岩波書店 判型:新書 ページ数:222ページ 定価:880円(本体) 発売日:2020年01月21日 第1刷
大人の学びについて関心を持って自分で実践しながら思考しているうちに、子供たちの現在の学びの様子にも興味を持ち出して読んでみた1冊。 2022年から高校社会科の教科が大きく変わって、横断的に見る目を養っていくような方向に舵をきられたことや、アクティブラーニングのいろんな手法を組み合わせて使いながら、学...続きを読む習の定着と実践的なスキルを身につける方向性はとても良いと思った!一方で、日本の国家予算の中で教育に占める割合が先進国でも最下位位レベルであることや、現場の花教員が本来の教えるという仕事以外に割かれる時間が膨大であることなど、課題もたくさん。 ビジネスサイド(民間)から何か支援できることを模索したいと感じた。
教育分野の者ではないが、アクティブラーニングの背景を知りたくて読んでみた。目的の日本の教育の歴史がわかった。ディベートが教育現場で流行っていたことは知らなかった。
著者の渡部氏はこの本が発行されるちょうど前日に逝去されました。 印象に残った点を2つ。 ①ドラマ技法をはじめとしたさまざまなアクティビティの習得の必要性とその困難さ ②アクティブ・ラーニングは学校だけでなく、社会全体で進めていかなければならないということ 生徒目線で、何を“どのように”学ぶか、という...続きを読むことをより意識して今後の授業を考えていきたいと思います。
教育はあたかもまるで演劇のように。一貫して語られている動的な学びの中に、良識ある思考する個人を育まんとする理想に満ちた一冊である。 学生社会と実勢社会との間に依然として存在するGAPをうめる問いかけは、こうした行きつ戻りつの取り組みを通して成し遂げられるものだろう。まったく納得感を得て読み通すこ...続きを読むとができた。 ただ一点、日本が過去から力を注いできた知識注入型教育について、本書ではこれも一貫して否定的な立場で語られているわけだが、豊富な知識が豊かな思考のベースになることは肯定されるべきである。考えるための土台はいつの時代にあっても邪魔になるものではない。 著者は2020年1月20日に逝去された。ご冥福をお祈りします。
文科省がどれだけ本気になってアクティブラーニングに取り組もうとしているのか、さらには教員がどれだけ腹を据えて取り組もうとするのか…。 その大切さや面白さは十二分に伝わってきた。 ただやはり、最終的な大学入試制度自体が大きく変わらなければ、結局、従来の知識注入中心の形に戻ってしまうのではないかと懸念し...続きを読むてしまう…。
身体的技法としてのアクティブ・ラーニングについて書かれている。新学習指導要領の「アクティブ・ラーニングの視点」の話とは少しズレるので注意。 対話的な学びの例として、参考にするくらいなら良いのでは。
2020.04.06 アクティブラーニングの大切さがよくわかった。ドラマワークの面白さがとてもよく伝わってきた。やってみたいと思った。
主体性を持って勉強させるには参加型のプレゼンしかない。医学生(修練医)にどのように応用しょうか? 自分がプレゼンして見本を見せ(ティーチャー イン ロール)、学生になりきりプレゼンをさせホットシーティングさせるのが良いか。
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渡部淳
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