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忘れられない人、場所がある。
あの日以来、ずっとフクシマのことを考えてきた――。
日本を離れ、長らくドイツで教鞭をとってきた著者の脳裏に去来する言葉がある。
石牟礼道子、井上光晴、大江健三郎、柄谷行人、小林秀雄、島崎藤村、谷川雁、寺山修司、中上健次、中野重治、萩原朔太郎、水上勉、柳田国男、横光利一、保田興重郎、李恢成、若山牧水……。
自らの過去から近現代へと、深い哀しみとともに綴られる思索の旅。
【目次から】
序章 フクシマ以後を考える
第一章 故郷という概念
第二章 懐かしさの演出
第三章 離郷と望郷
第四章 故郷はどのようにして失われたか
第五章 水上勉の故郷
第六章 故郷という共同幻想
終章 周縁と故郷の文学
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