渡辺錠太郎伝 ~二・二六事件で暗殺された「学者将軍」の非戦思想~

渡辺錠太郎伝 ~二・二六事件で暗殺された「学者将軍」の非戦思想~

1,782円 (税込)

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5.0

渡辺和子の父はなぜ二・二六で殺されたのか。

昭和11年2月26日未明――。
雪に覆われた東京・荻窪の渡辺邸で何があったのか?
「非戦平和」を訴え続けた「良識派」軍人の思想と生涯が、初めて明かされる。

ベストセラー『置かれた場所で咲きなさい』などの著作で知られるシスター渡辺和子の父・錠太郎は、日本が戦争へと突き進む中で起きた史上最大のクーデター未遂事件「二・二六事件」で、陸軍軍人としてただ一人“襲撃目標”にされた人物だった。

戦争だけはしてはいけない――。第一次大戦後のドイツなどを視察し、戦争の実相を知悉していた錠太郎は帰国後、戦争を避けることがいかに重要かを説いて回った。

「私は戦い破れたドイツ、オーストリーばかりでなく、勝った国のイギリス、フランス、ベルギー、オランダなどもつぶさに見て来たが、どこもかしこもみじめな有様であった。日本も世界の列強にならねばならぬが、しかし、どうでも戦争だけはしない覚悟が必要である。」(評伝『郷土の偉人 渡邉錠太郎』より)

無類の読書家でもあった錠太郎は、俸給の多くを「丸善」での軍事書などの支払いにあてていたという。

「非戦平和」を唱え続け、志半ばで凶弾に斃れた悲劇の軍事エリートは、なぜ同じ陸軍の兵士たちの手で殺されなくてはならなかったのか。残された娘は、父の死に何を学び、どう行動したのか――。

第26回山本七平賞奨励賞を受賞した気鋭の歴史研究者による傑作評伝。

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渡辺錠太郎伝 ~二・二六事件で暗殺された「学者将軍」の非戦思想~ のユーザーレビュー

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    Posted by ブクログ 2020年08月27日

    二・二六事件で暗殺された陸軍教育総監渡辺錠太郎。貧しい境遇から士官学校、陸軍屈指の読書家で独自の非戦思想。歴史の狭間に埋もれた人物の実像に迫る傑作評伝。

    本書の主役渡辺錠太郎の二女の名は渡辺和子。あの「置かれた場所で咲きなさい」の筆者。二・二六事件、青年将校の凶弾に父が倒れた時、8歳の娘は正に同じ...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2020年05月31日

    「渡辺錠太郎伝:二・二六事件で暗殺された学者将軍の非戦思想」(岩井秀一郎)を読んだ。
    これは力作です。
    見事!
    渡辺の言葉で印象に残ったのが、
    『それから少数の者が実権を掌握して久しきに溺れば必ずその内容が腐敗して来る』(本文より)
    いつの時代においても権力が腐敗していくのは同じか。

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    Posted by ブクログ 2020年04月25日

    渡辺錠太郎は2.26事件で非業の最期を遂げました。学者将軍と言われていた渡辺錠太郎。そんな彼は非戦思想を持っていました。

     そんな渡辺錠太郎と、同じ日に殺害された高橋是清が、もし生き延びていたら、と思います。


     「もしもあの時、父が青年将校たちの手で殺されていなかったら、後年キリスト教の洗礼を...続きを読む

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