「Grow or Out」という観点が非常に興味深かった.外資系企業といえば,成果が残せないものは消えてゆくというイメージが今も根強く残っている風に感じるが,実は,成果が残せないからクビを切られるわけではなく,そもそも自分が“受け身でいること”そのものが外資系企業という組織に合わないだけであることを伺い知れた.なるほど,そもそも自分が達成しうるプロジェクトかどうかも分からない状況に怯えるのではなく,むしろ自己成長の足がかりとして楽しめるかどうかが外資系企業で生き残る人間の思考なのだろう.ここが日系企業と外資系企業の本質的な違いなのかもしれない.
しかし,グローバルスタンダードになりつつあるいま,日系企業,外資系企業という分類が意味をなさなくなりつつあるのかもしれないと感じる.そういう意味では,この本(に限らず,外資系企業での働き方のマインドに関する自己啓発本全般)は業種・資本形態に限らず,多くの社会人に有用だと思う.
いずれにせよ,来年度から外資系企業にて新社会人を迎えるいま現在の私にはちょうどいいマインドセットとなる本であった.