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Posted by ブクログ
志村貴子ほどおもしろい人間群像劇を描く作家はいない。他の漫画家が最近のリベラルな思想や倫理をまじめに勉強して丁寧に名作を描いて評価されているのに対して、この人だけ相変わらず倫理観がバグった人間どもしか登場しないやべえ話を、そんな雰囲気は微塵も感じさせない手触りで描き続けている。あるいは、この人だけ数十年後の倫理を先取りした世界にいる。「不倫」ほど面白い文学の主題はない。
「まあ聞きたまえよ まだ別れてはいないだろ」
「この話には続きがあるのさ」
「続きは明日」
さぁヘビの生殺し状態で最終巻を待つぞ!!!
前巻で朱里と綾乃が同棲を始めてハッピーエンドっぽい雰囲気になったときは不安だったが、我らが志村貴子は当然そこで終わってあげる作者ではなかった。といっても、いかにもなカタストロフが2人を襲うような凡庸な展開にする筈もなく、むしろ「天罰」による禊ぎを希求するものの叶わない、じりじりとした罪悪感に絡め取られていく人間たちを、しかしおそらく爽やかな形で描くつもりなのだと感じ、これはもしかしたら最高傑作のひとつになり得る物語なんじゃないかと思った。
メインふたりよりも、恵利やその母、そして本巻で詳しく描写される森田みづき(ヤリチン店長の妻)の物語のほうがおもしれ〜〜、と読んでいたのだが、それらの挿話もまさに朱里が遥かに歳下の中学生女子たちに ”物語って” いたものだというかたちで繋がり、大人と子供がお互いに恋バナ/人間痴話を語り合う一千一夜的な場が作品を根底で基礎付ける。それによってタイトル『大人になっても』の意味が深められていく……
「なんだか大人ってすごいね…」
「ね……コワ……」
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