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Posted by ブクログ
mixiコミュニティ「読書会◆アウトプット勉強会」内のトピック「BOOK BATON」にて、紹介されていた本。
日本人にとって、もっとも身近な果物の一つ、バナナを軸にして、日本と産地であるフィリピンの貿易史について書かれている本。
読んでみると、猛威を振るう多国籍企業と、支配、搾取、蹂躙されるフィリピン農業の実態が痛々しく描写されている。
最も、恐ろしいと思ったのは、以下の箇所。
「こうして、フィリピンと日本はつながった。だが、国家と国家ではなく国民と国民の関係として考えてみると、実際にバナナを作っているフィリピンの労働者と、これを食べている日本の消費者は分断されているといえないだろうか。私たち日本人のバナナへの関心が、『価格』や『栄養』や『安全性』にだけとどまっているのは、その端的な例である。」(p.223)
フェアトレードという考えがコーヒー等で近年では流行している。
バナナでも同じく、農家のことも思いやる取り組みが必要なのではないか。
Posted by ブクログ
「バナナのようなありふれた食物についての探究さえも、それを深めてゆけば、日本のフィリピン両国の市民が平等に手をつなぐきっかけが、そこから生まれてくると私は考えている。」
1982年に刊行された名著を大学生以来再読した。
前半は、植民地支配からはじまり、戦争の混乱を経て、外資系大企業がフィリピンの土地を支配し蹂躙するまでの歴史が詳細に語られる。
続く中盤の章では、バナナ産業がどのように維持されているのか、それは主に企業対農家の凄惨な搾取構造が暴露される。地主は大企業に借金をし続ける形で関係が維持されている。農家はわずかに給与で食べていくのが精一杯という生活。農薬が空から散布されるので畑で野菜も育てられず家畜も飼えない。極悪非道である。
そして最後に、その先で安くて美味いバナナを年じゅう食べている我々日本の消費者に話は向かう。「生産者に思いをはせよ」。「バナナについては、それを受け入れ食べている私たち日本人も、そのかぎりにおきては当事者である。」
6章の中に、筆者が村の祭りの晩に栽培農家に泊まらせてもらったと言うエピソードが印象に残った。
家の庭先に皆で集い、大瓶のコカコーラとラム酒で宴を開いたという。「バナナ村の祭りは、深まりゆく貧しさの上に成り立った華やかさだった」と筆者はさらりと語って終わるが、私にはその宴の賑やかさが非常に眩しく感じられた。豊かさとは、何なのだろうかと。
刊行から半世紀近く経って、残念ながら日本人とバナナの関係はそこまで大きく変わっていないように思われる。
SDGsに代わる「ウェルビーイング」が取り沙汰される昨今だけど、フィリピン人も日本人も、全人類が生きたいように生きれる世の中をつくる一助になりたい。
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