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2018年7月、オウム真理教の教祖・麻原彰晃と幹部信者13人の死刑が執行された。「戦後最大の刑事事件」と言われたオウム真理教の数々の事件の背景には何があったのか? 実態はどうだったのか? 彼らが信じたものは何か? そして、何を残したのか? 1995年の地下鉄サリン事件以降、オウム報道にかかわり、元信者や裁判の取材を続け、死刑囚・無期懲役囚との面会や手紙のやり取りを続けてきた東京新聞社会部のベテラン記者による集大成。
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Posted by ブクログ
書店で見かけた「14人目の死刑囚は、私だったかもしれない」という帯文にひかれて購入。麻原が裁かれるのは当然だけど、純粋に彼を信じた人たちが死刑になったことにずっとモヤモヤしていたから。 読めば読むほど、なぜこんな純粋な人たちが人を殺め、そのうえ死刑に処されなければならなかったのか、ますます分からなく...続きを読むなる。そして国家は死刑という制度をふりかざしてこんな風に人を殺すんだなぁと。宗教が浸透してる国だったらどんな判決になっていたんだろう? 著者は「インターネットが作り出している世界は、麻原が作り出そうとしていた世界そのものじゃないのか?」という疑問も呈している。 ネットの誹謗中傷や、曖昧な情報を垂れ流す政治家の会見みてると、ほんとそうだなと思える。 事件を引き起こした信者たちが、私なんかよりずっと純粋で優秀な人たちだったことを思うと、信者の脱会支援を続けた弁護士さんの「悪意の殺人には限度があるが、善意の殺人には限度がない」という言葉が響くなぁ。 マスクマンの空中浮揚をマジでやってる人たちがいるよ~から教団の存在を知り、面白カルト集団としてテレビに出ていたり、学校帰りに大須に寄ると親から「オームの店に気をつけなさいよ~」と軽口叩かれたり、インド行きたいとか言ってる弟が入信したがりそうだわ~なんて心配したり、警察がアジトに突入するのをずっとテレビでみてたり、受験を考えてた大学のすぐ近くで起きたサリン事件が受験前にあれよあれよと解決してちょっと安心したり。思えば青春時代を通じてずっと彼らの歴史を見てきたんだな、、、
東京新聞記者の著者による、当事者への取材に基づいた著作です。事件当事者である死刑囚とのやり取りの中で、その事件の本質を当事者視点で追っています。また事件当事者は、将来を嘱望された優秀な青年たちであり、そのような方々が、どのように事件に加担していったのかを分析しています。善良であった普通(相当優秀です...続きを読むが)の人々が犯罪を引き起こす過程が記録され、再発させないためにも貴重な著作物であると思いました。本書では、当事者取材の結果として裏社会との関わりを否定的な立場の論調です。警察公安部の捜査のついても問題提起しています。 死刑囚当事者との取材に基づいた本書は、事実の迫力を感じました。
★★★ 今月7冊目 ほんと麻原ってのは天才だな。 もうあの事件を起こした時の麻原の年齢越えたがそんな世界を乗っ取るなんて事考えるなんて凄すぎる。 事件や背景、死刑執行された犯人たちについて勉強になりました
巻末に12名の死刑囚の墓碑銘がありました。 ひとりひとり見ていくと、獄中で水墨画を始めた人がいたり、被害者に手紙を書くためにペン習字を習う人がいたり、手紙に必ずカラフルな手書きの絵を添えてくる人がいたりで12人の人間性を垣間見るととても切ない気持ちになってしまいました。 著者は「彼らは麻原を師に...続きを読む選ばなければ、社会に貢献できる真面目な人たちだったと確信している」と記しています。オウム真理教のあらゆる事件で犠牲になったたくさんの方々、その遺族の方々のことを考えると、このような発言は控えるべきなのでしょうが、12人の死刑囚もオウム真理教の犠牲者と言えるのではないかと思いました。
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