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夜、親のいない子どもたちの多くは、待機児童にさえなれない型破りな保育を続ける夜間保育園に密着ルポ。
博多の繁華街・中州の程近くに、その保育園はあった。
モダンな建築、モンテッソーリ教育や地元産の食材をつかったこだわりの給食など、意識の高い保護者をひきつける要素を備える一方で、飲食業や風俗など夜に働く親たちを積極的に支える夜間保育園という貌もあった。
親が休日の日にも子どもを預かる/深夜働くために朝登園できない親子を自宅まで迎えに行く/週末には理事長が自宅で子どもを預かる……その型破りな保育に、2年間にわたり密着取材。同時に、夜間保育園がなかなか増えない理由、ベビーホテルの抱える問題などにも切り込んだ。夜に働く親たち、夜に親のいない子どもたちを支えたい――そんな人々を思いを活写したルポルタージュ。
(目次)
序章
1章 中洲の夜間保育園
2章 真夜中の親子
3章 ベビーホテル
4章 見えない子どもたち
5章 防波堤
6章 陽だまり
著者プロフィール
三宅玲子(みやけ・れいこ)
1967年熊本生まれ。ノンフィクションライター。
オンラインメディアや週刊誌で「ひとと世の中」を取材。
2009年より5年ほど北京へ。
2011年より日本人と中国人のゆるやかなプラットフォーム Billion Beats を運営。
Posted by ブクログ 2020年07月27日
本当にサポートが必要な人は福祉の網の目からこぼれ落ちている。子ども達、そして親達をも型破りな取り組みで支える規格外の保育園のルポ。
子どもが亡くなる事件に胸がつまる思いをしている人に、育児が辛いという感情がよぎったことがある人に。
本に登場する人達は、子どもも大人も言葉にできない気持ちを抱えている...続きを読む
Posted by ブクログ 2019年12月21日
夜働く人がいるんだから夜間保育が必要な子どもも当然いる。そんな当たり前に気付いてなかった。
行政支援が行き届かないなか奮闘するパイオニア事業者、心ある政治家、行政、記者たちの姿が胸を打つ。心意気が少しずつ世を良くしてく。
読後、ルポの舞台、博多中洲どろんこ保育園のNHK72時間を観た。
夜中まで子...続きを読む
Posted by ブクログ 2023年02月21日
自分の知らない世界の入り口を開けてくれる本が好きです。この本もそんな一冊。夜間保育園の存在、重要性について考えたことなんて人生で一度もなかったけれど、読後の今では何故こんなに認知されていないのか不思議なくらい。
どんな子どもたちも等しい保育サービスを受けられる社会に向けて、自分のリソースを使い道を切...続きを読む
Posted by ブクログ 2023年01月31日
ユミエさんとカズくんのストーリーでリアルを描きつつ、園の歴史とともに夜間保育はもちろんのことそれを取り巻く社会を描く。筆の強さと情報の確かさを感じる一冊。
今日も複雑な思いを抱えて夜を生きる母親と子どもがいること。同じ日本にも自分の知らない世界があること。世の中の奥深さと多様さを教えてくれて向き合う...続きを読む
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