……わたしの愛しい薔薇の姫
「顔を人に見せてはいけない」母の遺言を守り、人里離れた庵で孤独に暮らす名もなき姫。けれど、当世一の美男と名高い時充に顔を見られてしまい…
「顔を人に見せてはいけない」母の遺言を守り、人里離れた庵で孤独に暮らす名もなき姫。人前に出られぬ自分は、きっと獣のように醜いのだろう。そう思っていたある日、当世一の美男と名高い貴公子・時充に顔を見られてしまう。だが彼は恥じ入る姫に「あなたほど美しい女性を見たことがない」と告げてきて…。「薔薇(そうび)の姫」と甘く呼ばうその人の優しい人柄に、姫は求愛を受け入れる。蕩けるような口づけ、狂おしいほどに甘い初夜――時充がもたらすすべてに幸せを覚える姫だったが、事態は思わぬ方向へ転がり始め…。
Posted by ブクログ 2015年08月30日
顔を人に見られてはいけないと育った姫は、それが自分が醜いからと思い込んでいましたが、偶然出会った公達の時充に顔を見られ、優しい態度にだんだん心を寄せる。
姫がなぜそのような境遇だったかは、後々語られますが、姫の出生の秘密は予想がつくものでした。
時充は優しい男ですが、姫が清斉に迫られたと聞いたあと...続きを読む