Posted by ブクログ
2020年03月07日
ウシジマくん作者による低・下流の人々に関する小話集
1話目は、ドルヲタの話
底辺のクソでも、一体になって熱くなれる瞬間は、得体の知れない、何事にも変えがたい輝きを放っているというお話。斜に構えた視点であるにも関わらず、コミカルだったのが良かったかな。
2話目は、田舎DQNの話。吹っ切れた明るいDQN...続きを読むではなくて、鬱屈したヤンキーの終わらないクソみたいな日常。女々しいDQN男にリアルは感じなかったけど、バツイチヤリマン風俗嬢のあっけらかんとした感じは中々に良かった。全体として微妙
3話目は、震災後の福島から東京に出た家族の話。地元、土地との絆、家族との絆の相似が綺麗で、温かみのある余韻が残る。
作者らしからぬ良い作品
4話目は、東京で夢追う女の話。うーん。なんてゆーか、リアルを感じなかった。
30近くまで夢を追っている割に、逞しさがないし、かといって、落ちぶれすぎてない感じが微妙。現実には、未来を先延ばし出来る余裕もないんじゃないかなぁ。
全体をとおして、皆んなDQNなのに自省的過ぎるのが、この作品の限界かなぁと思いました。
DQNは、思考を言語化出来ず、行動に鬱屈した内面が現れるから。それを描くのはとても難しいから、モノローグの多い、現実感のないDQNが現れてしまう。
明るい、成功したDQNを描くのは、この作者ではないんだろうし。