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◆政策混迷が招いた熱狂、転落、苦闘――「経済白書」でバブル崩壊を分析、未曾有の事態に向き合い続けたエコノミストによる同時代史と次代への教訓。
◆1989年1月から始まった平成経済は、試練の連続となった。バブルの崩壊と不良債権問題、アジア通貨危機と金融危機、デフレの進行、人口減少社会への突入など、我々がこれまで経験したことのない難しい課題が次々に現れた。
これら課題への政策的対応については評価が分かれるが、著者は、必ずしも満足すべきものではなかったと考える。お手本のないこれら諸課題に対しては、どうしても実験的、試行錯誤的な対応にならざるを得なかった。こうした実験・試行錯誤は成功したとは言えず、デフレ問題、人口問題、財政・社会保障問題などについては、現在においても引き続き政策的対応が必要な状況となっている。
平成時代に直面してきた多くの課題は、未解決のまま平成後の時代に引き継がれる。その意味で、平成時代において日本の経済社会が直面してきた諸課題と政策的対応を振り返ってみることは、これからの政策的対応の道を開くという意味からも重要なことだと言える。
◆本書の特色はまず第1に、マクロ経済を中心に解説していることである。平成経済は、企業経営、産業・技術などの面でも大きな変転を遂げてきたことは明らかであるが、著者はこれまでほぼ一貫してマクロ経済の動きをフォローしてきたので、そこに集中することが比較優位と考えたからである。
第2は、単に事実を述べるだけではなく、多くの出来事の相互関係を明らかにし、できるだけストーリー性を持たせるようにしたことである。平成時代の経済に起きたことは意外な展開に満ち満ちており、実にドラマチックだ。そうしたエキサイティングな歴史の動きを描こうとした。
第3は、できるだけ政策的教訓を導き、後世の参考にしてもらおうとしている。そのためには、どうしても政策的評価が必要となる。評価を下すとなると、著者の価値判断が含まれることは避けがたい。このため、中立的な書き方にさほどこだわらず、率直に著者の考えを前面に出している。
※日本が、そして世界が激変した30年間を、知の巨人たちが検証し、未来を語る。『平成の政治』(御厨貴・芹川洋一編著)、『平成の経営』(伊丹敬之著)と併せた「平成三部作」の一冊。
Posted by ブクログ 2020年03月14日
官庁エコノミストの第一人者である著者が、バブルとその崩壊から始まり、金融危機とデフレの発生、小泉構造改革、リーマンショック、民主党政権の誕生等を経て、アベノミクスに至る平成経済史をマクロ経済という視点で振り返っている。
単に事実を述べるだけではなく、多くの出来事の相互関係を明らかにし、できるだけスト...続きを読む
Posted by ブクログ 2019年09月03日
経産官僚を経験している経済の専門家による、平成の経済について分析した書。分析が詳細で正確だと思う。説得力がある。いろいろな政策が評価されており、そういうことだったのかと納得する箇所が多々あった。勉強になった。
「(バブル批判)人々の幸福感は、経済状態の絶対水準に依存するのではなく、他人との相対水準に...続きを読む
Posted by ブクログ 2019年07月28日
官庁エコノミストであった著者が、自らも現役時代に関与した平成の30年間の経済を振り返っている。自分自身の経験も含め、大体イメージどおりであるが、ほぼ5年刻みで色々なことが起きていることが改めて分かる。
政府にしても日銀にしても、経済情勢に応じて様々な対策を行っているが、状況把握が遅れがちで対策も後手...続きを読む
Posted by ブクログ 2020年07月31日
内需拡大円高恐怖説が問題。円高対策は行き過ぎたもの。
内需拡大で貿易黒字が解消される効果は迂遠で少ない。
バブル崩壊で3つの過剰の始まり=債務、設備、雇用。
アジア通貨危機の発生。マクロ経済指標が良好だったが、ドルペッグのため、ドル高になると、実力以上に増価した。短期資本流入が多かった。金融システ...続きを読む
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