ネタバレ
Posted by ブクログ
2020年02月12日
leadershipを身に付けるための土台となる考え方を学ぶことが出来た。
リームのリーダになる前に、自分自身に対してリーダーシップを発揮することが出来ればチームでも求心力のあるリーダーとして存在を発揮することが出来るとは、まさに自分自身に強くなることではないか?と感じた。
まずは自分自身に対して「...続きを読む強み」「弱み」を理解・把握した上で、明確な「目的」を意識してリーダーシップを発揮していくためのアクションプランを考えてみる。
<要 約>
プロローグ
リーダーシップの原則=「we are leaders」(私たちは皆リーダーである)
この考え方がリーダーシップの基盤であり、原理原則となる。
つまり私たち一人一人にリーダーになる能力があるし、そうなるべきである。
違いは、それを自覚しているかいないか、能力があると信じているか信じていないか、それに尽きる。
人を動かすために必要なのは、人の心理への洞察 →「リーダーは人を動かさなければならず、人はシステムやロジックではなく、心で動く」
自分自身のリーダーとは、「自分の意思」で行動すること。VUCAの世の中で「どこに進むべきか」を自分自身で決め、それについて責任を取らねばならない。
リーダーシップとは、手段であり生き方であり、働き方である =Leadership is way of life.
自分の能力を最大限発揮させるために、まずは自分が自分のリーダーになる。自分自身にリーダーシップを発揮することで自分を成長させる。実際にチームとして、チームや組織で成果を出せるようにする。
目指すべき最高のリーダーは「Assertive leader」(アサーティブ・リーダー)である(Assertive=積極的)。そのためのスキルとして、学ぶべきリーダーシップを以下に紹介する。
0章
人を率いる上でリーダーは強くなくてはいけないが、強すぎてはいけない。「本当の強さとは何か?」を理解しておかなければならない。
それは自分の「弱さ(Vulnerability)」を認められることこそ本当の強さになる。
したがって、本当に強いリーダーは強すぎない。率直に自分の弱さを認めることが出来る。
陥っていけない思考が、「リーダーシップを身に付ける=優秀になる」という思考。リーダーにありがちなのは、優秀な自分を見せることに固執してしまう事である。「優秀さのアピール」で味わうちょっとした優越感は忘れたほうが良い。
人を動かすには、人の心をつかまなければならない。全体のメリットを考えられる「心あるリーダー」でなければ、決して人心をひきつけることはできない。
集団心理として、「数」「伝染」「暗示されやすさ」がある。
人の「数」が増えると、感情や考え方が「伝染」して、皆が同じ気持ちになる。さらにその集団は催眠状態にあるように「暗示されやすい」。
「集団は真理を追究するよりも、錯覚を求めている」ため、シンプルでわかりやすい言葉で「その通りにすればよいのだ!」と錯覚させてくれる強いリーダーが存在する。同時に集団心理を、人間ならだれでも持っている「弱さ」として認識しておく必要がある。認識したうえで「手」を打たなければならない。
集団が考えを共有するために一番重要なのは「言葉」である。だからこそリーダーは分かりやすく伝えることが大切になる。しかしながら考えの伝染力は弱い。一方、集団が感情を共有するために言葉はいらない。感情の伝染は、全く意識をしなくても、自然に、あっという間に伝染する。
Positiveな感情もnegativeな感情もチーム内への伝染力は同じである。
1章
アサーティブ・リーダー
=自分自身を尊重し、人を否定することなく、自分とチームの利益のために行動できるリーダー
積極性は自分の能力を最大限引き出す。はっきりした主張は成果を出すために不可欠である。しかしながら「積極性」は自分の成長のためであると同時に、周りの人のために役立てなければならない。エゴと謙虚さ、強さと弱さバランスがうまく取れているのがアサーティブ・リーダーである。
リーダーとしてのポイント
自身・自尊感情があり「息の長いリーダーシップ」が発揮できる
聞く耳を持ち、「信頼」される
自分の意見やアイデアをしっかりと「主張」できる
「誠実」である
人を「責めない」
「責任感」がある
「チームに必要とされている」と感じる
「難しいメンバー」ともうまくやっていける
「何を期待されているか」を理解し、実行している
→アサーティブ・リーダーとは、存在自体でチームをひきつける、求心力ある人物である。
AggressiveAssertivePassive
積極的主張的受動的
Win-loseWin-winWin-lose
話す質問する/聞く聞く
自分の意見を言う客観的視点から主張する人の意見を聞く
自分を尊重する自分と人を尊重する人を尊重する
考えを表現する考えを表現する考えを表現しない
周りのことを考えない周りのことを考える周りのことを考える
アサーティブになるには、「まず自分を知ることが大事である」。「自分を信じないと、人のことも深く理解できない。だから自分を知って、その知識や経験から他者を理解できるようになる」=「自己を知って、他者を知る」
心理学を用いた自己理解はリーダーに必要不可欠であり、自己理解は頭の知性だけでは分からない。
リーダーの新しい在り方
「ポジティブ」な環境づくり
お互いを成長させ、「win-win」となる人間関係
自分にも部下にも「働く目的」を明確にする重要性
「モチベーション」を高め、エネルギッシュに働く方法
2章 Authentic・leadership
Authenticになる定義は?
「本当の自己(考え、感情)」を知る
「本当の自己」を積極的に、包み隠さず表現できるようになる
自分の人生の創造者として、「自分の人生のリーダー」になる
「信念」に基づいて行動する
人から信頼され、頼りにされる
信念を持ち、自分の人生のリーダーとなれば、堂々と振舞えるので、その姿には説得力があり、人とチームを自然に惹きつける。=まさに「ついていきたい求心力のあるリーダー」の土台が形成される。
Authenticを磨く「5つの方法」
①「弱さ(vulnerability)」を認める
→恐れ知らずでいることが勇気ではない。恐れがあっても行動することが勇気なのだ。(Courage is not being fearless but rather acting in spite in of the existence of fear.)
②「役割性格」を越える
→「ビギナーの心」を持つ
③「人」と比べない
→あなたがどんなに優れていても、世の中には必ずもっと優れている人がいると考えて「ビギナーの心」を持つ=正直になることが重要。「人と比べてしまう自分」という弱さを認めることが、人と比べなくなる第一歩である。
④自分の「生涯の大きな目的」を見つける
→「自分は自分、人は人」と考える。脳の可塑性を高めて、自分で自分に自信を取り戻す。
⑤「超・集中状態」になる
→成人の脳であっても「環境」「行動」「思考パターン」「感情」によって身体的にも機能的にも「脳は変わる」。
脳の可塑性を高める方法として「マインドフルネス」がある。マインドフルネス状態にあるとき、脳の可塑性は高まっている(①集中しているとき、②「やる」と心に決め、一生懸命に活動に打ち込んでいるとき、③脳が十分に休息できているとき)。
「マインドフルネス」=意識を「今、ここ」に集中すること(瞑想は手段の一つ)
※「マルチタスク」は生産性が著しく低下する。集中力がなく、効率も悪いためやめよう。
「シングルタスク」を徹底して集中力が高まれば、マインドフルネス状態に近づいて脳の可塑性が促され、authenticになる土壌が形成される。
これはリーダーそれぞれの個人的な経験や性格(=本当の自己)を土台として、自分に合うリーダーシップ・スキルを身に付け、“自分らしいリーダー”になるべき方法である。
Authenticリーダーシップを磨くうえで有効な習慣
→embody(考えや感情、発言を具体化すること)
日常的なことから「言っていること」と「やっていること」、言葉と行動を一致させていく。
=小さな約束を守る ※時間は必ず守る
時間厳守の習慣を持つリーダーは、「人として誠実である」「相手を尊重している」「謙虚である」を行動で示している。
How:アドレナリン・ラッシュ効果(人は決まり通りにタスクを完了させたり、時間通りに到着したりすると、アドレナリンが分泌されてある種の快感を覚える)
「○○分に終わらせる」と制限時間を設定して、シングルタスクで打ち込む時間を一日の中に設けて習慣化することをおすすめする。
3章 Servant・leadership
Servant・leadership=奉仕の心
イエスの言葉「あなた方の間で偉くなりたいと思うものは、皆に仕える者になりなさい。あなた方の中で一番上になりたいと思うものは、皆のしもべになりなさい。」
老子の言葉「人の上に立とうと思うなら、謙虚な気持ちでへりくだりなさい」「理想のリーダーとは、みんなに『リードされている』と感じさせない人だ」
⇒リーダーとは古来、「背中を押す人」である。
チームの成功=あなたの成功、部下の成功の支援=あなたの成功できる。
「人間は、自分に関心を寄せてくれた人に対して、お返しのように関心を寄せる」=リーダーが部下に関心を持つ必要がある。
4章 transformative・leadership
「変容をもたらす力」
Transformative・leadershipを磨く第一歩は、自分と、自分のチームを変えるスキルを養っていくこと。自分を変容させ、そのうえでチームを変容できる力を身に付けること。これがトランスフォーマティブ・リーダーシップである。
Transformとは? 本質から変わる「変容」であると同時に、自分が本来持っている可能性を引き出し、活用して開花させるという意味がある。
変容するためには?
マインドセットが必要になる。マインドセットには2種類あり、「Fixed mindset(固定されマインドセット)」と「Growth mindset(成長のマインドセット)」。
「弱さを見せる勇気を持ち、リスクを取ってチャレンジする姿勢」でいれば、成長のマインドセットを育むことが出来る。
マインドをGrowth mindsetに切り替えたら、チームを変える準備をしよう。
リーダーがチームを変えるには、4つの「I」で始まる要素が必要となる。
①Individualized(「個人」に働きかける)
メンバーを「チーム全体」ではなく、「一人の人間」として尊重する。ありのままの姿でコミュニケーションを取り、コンパッション型の共感をする。
②Intellectual(「知的」に刺激する)
新たな課題に挑戦し、リスクを取る。
③Inspirational(「心」を惹きつける)
分かりやすく明確にビジョンを伝える。「できる」を前提に、なぜその仕事が重要か「意味」を伝えて、目的意識を持つ。ビジョンを共有するためのコミュニケーションが欠かせない。
④Idealized(「理想のモデル」となる)
「エシカルな行動」で理想のロールモデルとなろう。
リーダーが外側から「変える」よりも、本人が「変わる」と決め、意志の力を持つ方がはるかに強力。すなわちチームメンバーの「変わる」というモチベーションを引き出すことが大切(内的モチベーション)
「ストーリーテリング」の力
→人は事実をばらばらの事象として理解するのではなく、すべてをまとめ上げた「ストーリー」として理解している。
=物語は聞く人の注意を惹きつけ、脳を刺激する。物語の「語り手」と「聞き手」はつながりを得ることが出来る。
「何を言ったか」よりも「どう言ったか」の方が影響力は強い。ポジティブなメッセージには、言葉よりも動作、表情、感情といった非言語メッセージの要素の方が重要。
“People don’t remember what you say. They remember how you made them feel.”