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日本人はなぜ正座をするのか? 正座は日本人特有なのか? いつから正座をしているのか? 人間はどんな座り方をするのが望ましいのか? 漢方・医学の大家が古今東西の資料を渉猟し、知られざる正座の歴史とその謎と功罪を読み解く。文化論、歴史論であると同時に、正座の良い面、悪い面を検証して上手な活用の仕方を述べた医学的実用書でもある。茶道、華道、武道など正座を必須とする人たちの必読書。
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Posted by ブクログ
なかなか興味深い本。惜しむらくは完成度がいまいちな点。考察もあともう一歩という感じだし、図版が少なくわかりづらい。 著者には是非同じテーマでもう一度著述にチャレンジしてもらいたい。期待を込めて、☆-1で4つ星
漢方の大家が市井の歴史家となって解き明かす正座の由来。日本人が古来からの伝統と思い込んできた正座・畳・座布団という三点セットが実際には歴史が浅く、庶民に浸透したのは明治以降であり、もうすでに廃れ始めているという皮肉な現状にあるが、そんな今だからこそ「健康法」として見直されてはどうかという医師の観点か...続きを読むらの提言が素晴らしい。
●松岡正剛の「千夜千冊遊蕩編」から興味があり、読書。 ●正座は本来、「かしこまる」とか「つくばう」「跪座」「端座」と呼ばれ、おもに神前、仏前での儀礼的な場面で行われ、また主君に対して家臣がかしこまる。 ●島木赤彦の『異体抄』に「アグラをかきながら正座(すわ)る」という使用例 ●『国民礼法要項』(19...続きを読む41)に、あるべき座り方を「両足の親指を重ね、両膝の間は男子は10~15㎝、女子はなるべくつけ、上体をまっすぐにし、両手は股の上に置き、頭をまっすぐにし、口を閉じ、前方を正視する」と記し今日言う正座を「正しい座り方」として公認し、実践するように布告している。 ●岡田虎二郎が唱えた「岡田式静座法」は、正座しながら行う修養で、呼吸法の一種であった。 ●(茶道の利休は、)現在残っている利休と同時代の像は、ほとんど正座をしていない。たとえば、長谷川等伯が描いた「利休居士像」でも、アグラをかいている。 ●茶会や飲酒を禁じ、茶会の精神性を重視し始めたのは村田珠光から。珠光は室町時代8代将軍足利義政に茶の湯を指南し、同時に一休宗純に参禅し、茶禅一味の境地を開いた。 ●戦国時代、茶の湯は一族の命運をかけた武士同士のいわば面接の場であった。 出陣の前に茶会を催して、狭い空間で互いに茶を飲み、相手の心を察する。本当にわが将のために命懸けで働くのか、それとも寝返って、刃を向けてくるのか。その本心を読み取るのが茶席だった。 ●新井白石は、幕府の礼儀作法の教授をしていたが、白石自身の肖像画は正座姿ではない。 ●太宰春台は、「義をもって事を制し、礼をもって心を制す」「心の中の『仁』は見えないが、『義」は行動となり、『礼』は形となって現れる。従って礼を厳しく躾ければ悪しき心をもった人も礼儀作法とその心も自ずから正となる」と記す。 ●肖像画で、戸田茂睡は右立て膝、荷田春満・賀茂真淵・本居宣長・平田篤胤はアグラ。吉田松陰もオリジナルはアグラ。女性は、作品が少ないが、正座が多い。 ●農民は正座と無縁の生活を送ってきたが、武士に近い(近くで生活し、接していたという意味で)商人は、武士の生活習慣に慣れ、その習慣を受け入れる機運が熟していた。たとえば、商家の娘は武家で作法見習い(花嫁修業)をしていた、など。 ●明治時代になって、正座が全国民に浸透していった。 ●土下座は、相手に許しを請うたり、恭順の意を表したりする場合に行うことが多い。その土下座と正座はよく似ている。 ●正座はエクササイズ=朝方、午前中におこなう。夜やると交感神経を高ぶらせ、眠れなくなる。時間は、1回5~10分。一日数回行う。 ●「生理的姿勢」=正面から見て垂直で左右に曲がらず、左側の横から見るとS字型の緩やかなカーブを描き、その上に頭がい骨が乗っている姿勢…これで、肘や腕が軽く上がっている姿勢が一番疲れない。
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