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奨学金を借りる大学生の割合は5割を超え、延滞者も約20万人と増え続けている。一方、メディアでは奨学金タタキの言説が目立つ。給付型奨学金もいよいよはじまるが、その欠点は各所で指摘されている通りだ。しかし、奨学金はサラ金より悪質で、本当に若者を救っていないのだろうか?叩くだけでは何も解決しない。本書では、奨学金のみで東大に合格、ハーバードに通った著者が問題の本質を分析し、改革のための9つの提言を行う。
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Posted by ブクログ
著者の経験のみならず、データでの裏付けがあるので説得力があった。 奨学金に関して、ずっと"借金"と思っていた部分もあったが、ただ"借金"という言葉だけが一人歩きしていて、もっと本質を見る必要があった。 ただの奨学金肯定だけでなく、教育関係という分野において考え...続きを読むるような内容。 学生だけではなく、親や教育関係者も是非読んで欲しい一冊。
奨学金にまつわる様々な問題を、メリット・デメリットどちらかに偏ることなく、豊富なデータをもとに分析しています。日本社会の教育とお金を考えるうえで必読の書だと思います。本の中で提言されている「奨学金減税」はぜひ実現してほしい。
経済的困難にあったとしても「教育の力によって貧困の連鎖から脱せられる」ように そう願う著者の思いを強く感じられる本。 教育費の支援としての各種奨学金や大学授業量免除制度、高等教育機関の学費や学校間の影響、海外の奨学金や学費事情などを紹介していく。 奨学金問題というには日本学生支援機構に、日本の高等...続きを読む教育というには都内の高校と東大に偏ってはいるが、奨学金問題を越えた広い問題意識が著者にあることがわかる。 それもそのはずで、著者は凄まじい経済的困難な家庭環境に育ちながら、複数の奨学金を利用して東大、ハーバードとトップの高等教育を受けた経歴を歩んできたのである。 いや、それもそのはず、ではない。このような苦しい過去とその後の輝かしい成功の後で、依然として苦しい人達の立場に思いを馳せて問題意識を忘れず行動をするのは容易ではない。 そうかといって、本書では著者が自身の経験に影響を受けて感情的になったり経験に依存した知識の偏りが目立つということはなく、筆致は冷静でデータを多く引用しながら論理的に話を進めている。話の説得力は強い。 第4章「教育格差をなくすための9つの提言」はどれも硬軟織り交ぜた内容で、興味深く示唆に富む。 心も動いたし、大変勉強にもなりました。
日本における奨学金制度を詳らかにした書籍。ここ数年、メディアリテラシーを賑わす奨学金返済地獄の真相についても書かれている。 つまり、給与は上がらないのに、授業料はどんどん上がって奨学金に頼らざるをえない仕組みが背景にあるということ。 ドイツのように授業料が安ければ、アメリカのようにニードベース奨...続きを読む学金があればと思うが、ないものは仕方ないね。 使えるものをタイミングよく使えるように、アンテナを張る必要がある。
昨今マスコミが騒ぐ”奨学金”問題を客観的に分析し、(高等)教育とお金にまつわる問題を冷静に論じています。冷静なだけにまともな意見であり、昨今の”奨学金叩き”のような内容と比べたらあんまり面白くないかもしれません。「日本学生支援機構(旧育英会)の奨学金はサラ金より酷い」とか、「金持ちじゃないと東大には...続きを読む行けない」のような、新聞・週刊誌、テレビなどで散見される極端な論調は正しくないとデータを使って反論しています。が、そもそもそういうのは極端な例を取り上げているわけで、マスコミというのはそういうものであり、総論としては著者の言うとおりだと思います。現状でも授業料免除などもあるし、奨学金の大半が貸与とは言っても、銀行のローンに比べれば無利子か非常に低い利子なわけでその利子の差額は実質的には給付されている面もある。他にもいろいろと学費の援助を受ける方法はあるわけで、貧しい家庭に育っても、本人が望んで能力があれば希望する教育が受けられるようになるためには、本人もそれなりに情報を得て戦略を練ることが必要なようです。奨学金もクラウドファンディングのような仕組みで個人が応援者を募って得るというアイディアはこれから実現されていくかもしれないと思った。
とても説得力がある。私が見たことのある、経験したことのあることと矛盾しない。留学してしまえ、は正しい。
<目次> プロローグ 親の年収ゼロだけど奨学金で東大・ハーバードに行けた 第1章 検証「奨学金地獄」~なぜ奨学金は社会問題となったのか 第2章 貧乏でも東大に行けるのか?~日本の「教育とお金」 第3章 海外の教育事情と奨学金制度 第4章 教育格差をなくすための9つの提言 <内容> 現在大...続きを読むきな問題となっている「奨学金問題」。多くの人々(自分も含めて)が、以下の奨学金制度には問題ありと思っているが、大変不遇な環境で育ちながら、東大・ハーバードへと進めた著者が、それに対して「おかしいのではないか?」と指摘し、根底にある教育格差をなくすための9つの提言をした書。 著者の努力はよくわかるが、やはり問題はあると感じる。著者まで不遇ならまた違うのかもしれないが、そこそこの収入があるにもかかわらず、奨学金を申請し、大学卒業後に多くの返済に苦しむもの。自助努力が足りないのかもしれないが、そうとも言えない気がする。データを駆使して説得力を増そうとしているが、目の前の生徒たちを見ると、データでは計り知れない何かを感じる。ここ数年は就職戦線が売り手市場なので、ちょっと風向きが変わるかもしれないが、近い将来、さらなる「奨学金地獄」が待ち受けているのではないか?政府や経済界の動きが鈍ければ、この問題はさらに深刻化しそうな気がする。
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