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セシリアとの結婚式が迫る中、カレルは自身の暗殺計画を察知する。犯人を突き止めるため、ドワーフの国へ向かうことになるのだが……。動乱は大きなうねりとなって、ふたりの英雄は邂逅を果たす――。
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Posted by ブクログ 2018年09月28日
読んでいて此処までワクワク出来る戦記物ってなかなか無い。それでいてどの人物も非常に魅力的に描かれているのだから堪らない 今回登場したキャラクターの中では主要人物というわけではないが、幼い少女でありながら戦場を一変させるきっかけを作ったヴィルは驚きのキャラクターだった。 最愛の父親と別れて泣きじゃくっ...続きを読むていた7歳の女の子があれ程の活躍をするなんてそうそう見られるものじゃない 舞台は異世界で人間以外の生物も存在して居るが、魔法などは存在しないように見える。そして文明レベルもそれほど高くはない。その為か戦争の様式はかなり古めの印象。純粋に指揮官の戦術や兵力が物を言う戦争。 だからこそアレンヘムを率いる立場になったカレルがセシリアの能力により自分の死に際を見られる点は大きな意味を持ってくる。一軍の将がどのタイミングで死を迎えるのかが事前に判り、何度もトライすることで回避の方法も見えてくるというのはこの世界ではちょっとずるい能力とも言える なら、カレルはその能力に頼り切って油断するような人物かと言えばそうではなく、周囲を驚かせるような戦術を練り上げることも出来るとても魅力溢れる主人公となっている 第1巻から対立しているフィクトル総督はその手腕を見るにかなり有能な人物であり、彼が仕掛ける罠も普通であればまともな対応など出来ず降伏するしかない代物。しかし、自身の生き死にに関するターニングポイントが判り、戦術眼も優れているカレルがフィクトル総督の仕掛けた罠を不利な状況であっても寡兵を以って打ち破るさまは痛快と言う他ない 自分たちより遥かに多い軍勢を一滴の血も流さずに降伏させてしまう手腕は素晴らしいの一言。 この巻で他に印象的な出来事を上げるとすればマリアンの理想である「すべての人々が幸せに暮らす」なんて夢想を図らずもヴェッセルとカレルはその胸に懐き行動していくことになった点か ヴェッセルは母の遺言を受けたマリアンによって押し付けられる形で、カレルはセシリアに相応しい男になるため。彼ら自身はそんな理想は可能だなんて欠片も思えないのに、その理想を叶えるために奔走することになる。 でも、よくよく考えればこの物語の着地点としてはいずれやってくる魔王の侵攻を五芒国の力を結集して防ぐことなのだから、主人公格がこのような理想のもとに行動するのは後々を考えれば役に立ってくるのかも知れない 何よりもカレルがその理想を叶える気でいると知ったヴェッセルはカレルを信用するようになるのだから悪いことなんて、きっと何もない そして一難去ってカレルとセシリアの二人は本当の夫婦へ。ラノベなどでは有りがちな肝心な場面で邪魔が入るようなこともないってちょっと珍しい展開 政略結婚の為、二人は惹かれ合って結婚することになったわけではない。しかし、運命を分かち合い互いを助け合うという愛し合う夫婦に必要な想いを持てるようになった二人にとって、政略結婚であってもこのように互いを想い合えるようになったのだから、二人が初めての夜を迎えることに何の障害もないし、二人の仲を疑う理由なんて何もない ……だから、出来ればもう少しそのシーンについては掲載して頂ければ有難かったりするよ? それにしても後書きによるともうひとり主人公格のキャラクターが控えているらしい。カレルともヴェッセルとも違うタイプと言うと思わずあのアレスのようなキャラクターを想像してしまうが……
面白かった
面白かったけど第一巻ほどではなかったかな。敵役が少しショボかった。終盤も少し無理やりに感じたので残念だった。
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