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仏教の経典を求めて、あるいは僧院での修学に、そして国の密命を帯びて、鎖国状態のチベットに潜入した10人の日本人を、新発見の資料と現地を含めた取材で探ったドキュメンタリー。
当時のチベットの特異性と歴史に翻弄された日本人の稀有な体験を著わしたノンフィクション。
なかでも仏教の原典を求めて潜入した河口慧海や能海寛、青木文教などの稀有な旅やその足跡をたどりながら、鎖国時代のチベットの特異性を随所に盛り込む。
一方、野元甚蔵と西川一三は、ともにモンゴル、チベットの草原でモンゴル人になりすまして特務機関の研究生として生き抜き、帰国後の不遇な時代、晩年の知られざる日々などにも言及される。
10人が実践した旅はそれぞれにきわめて稀なものであったが、そのなかでも特に象徴的な体験をした河口慧海らに焦点をあて、2冊の『西蔵漂泊』を大幅に再構成、さらに最近の動向も含めて加筆、1冊に再編集、なによりも読みやすさを心がけた。
当時のチベットの特異性と歴史に翻弄された日本人の稀有な体験を著わしたノンフィクション。
Posted by ブクログ 2019年01月03日
19世紀末から20世紀半ば、「鎖国」下のチベットに「潜行」した10人の日本人の記録。経典を求めた仏僧、政府や軍の密偵・諜報員、野心的な冒険旅行家など、それぞれ目的やバックグラウンドは異なるものの、「点」が「線」となるごとく接触・邂逅を繰り返す様が興味深かった。当時から初めてラサ入りに成功した河口慧...続きを読む
Posted by ブクログ 2017年05月28日
明治から戦後にかけて、命をかけて神秘の国チベットに潜入した10人の日本人の記録。僧侶や冒険家や諜報員と彼等の身分や目的は違っていたが、ヒマラヤ山脈などの困難な旅路を越え、未知の国にたどりつこうする、意思と胆力は全員に共通する。
現代の人間には驚異だ。
当時のチベットはアジアとヨーロッパを繋ぐ地政...続きを読む
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