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  • ヤマケイ文庫 新編 西蔵漂泊 チベットに潜入した10人の日本人
    3.8
    仏教の経典を求めて、あるいは僧院での修学に、そして国の密命を帯びて、鎖国状態のチベットに潜入した10人の日本人を、新発見の資料と現地を含めた取材で探ったドキュメンタリー。 当時のチベットの特異性と歴史に翻弄された日本人の稀有な体験を著わしたノンフィクション。 なかでも仏教の原典を求めて潜入した河口慧海や能海寛、青木文教などの稀有な旅やその足跡をたどりながら、鎖国時代のチベットの特異性を随所に盛り込む。 一方、野元甚蔵と西川一三は、ともにモンゴル、チベットの草原でモンゴル人になりすまして特務機関の研究生として生き抜き、帰国後の不遇な時代、晩年の知られざる日々などにも言及される。 10人が実践した旅はそれぞれにきわめて稀なものであったが、そのなかでも特に象徴的な体験をした河口慧海らに焦点をあて、2冊の『西蔵漂泊』を大幅に再構成、さらに最近の動向も含めて加筆、1冊に再編集、なによりも読みやすさを心がけた。 当時のチベットの特異性と歴史に翻弄された日本人の稀有な体験を著わしたノンフィクション。

ユーザーレビュー

  • ヤマケイ文庫 新編 西蔵漂泊 チベットに潜入した10人の日本人

    Posted by ブクログ

     19世紀末から20世紀半ば、「鎖国」下のチベットに「潜行」した10人の日本人の記録。経典を求めた仏僧、政府や軍の密偵・諜報員、野心的な冒険旅行家など、それぞれ目的やバックグラウンドは異なるものの、「点」が「線」となるごとく接触・邂逅を繰り返す様が興味深かった。当時から初めてラサ入りに成功した河口慧海のみが突出して有名だが、著者はむしろ西本願寺僧の青木文教や多田等観の埋もれた「業績」に高い評価を与えている。当該時期のチベットは、英国、ロシア、清国・中国など列強による圧迫・侵略を受け、本書が記す10人の日本人のチベット接近も、それぞれ温度差はあるが、すべて日本の大陸政策や戦争の影を背負っていて、

    0
    2019年01月03日
  • ヤマケイ文庫 新編 西蔵漂泊 チベットに潜入した10人の日本人

    Posted by ブクログ

    明治から戦後にかけて、命をかけて神秘の国チベットに潜入した10人の日本人の記録。僧侶や冒険家や諜報員と彼等の身分や目的は違っていたが、ヒマラヤ山脈などの困難な旅路を越え、未知の国にたどりつこうする、意思と胆力は全員に共通する。
    現代の人間には驚異だ。 

    当時のチベットはアジアとヨーロッパを繋ぐ地政学にも重要な拠点だった為に、太平洋戦争前夜のキナ臭い情勢に巻き込まれてゆく。他の登場人物も面白い。東本願寺の怪僧大谷光瑞やロシアのスパイ、ラマ僧ドルジェフ(帝都物語の世界だね)、日本陸軍。もちろんダライラマ十三世も登場して、陰謀と野望が交差する。

    ダライ・ラマ十三世に寵愛された素朴な僧侶 多田等観

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    2017年05月28日
  • ヤマケイ文庫 新編 西蔵漂泊 チベットに潜入した10人の日本人

    Posted by ブクログ

    明治の終りから昭和にかけて チベットに潜入した10人の日本人がいた。目的はそれぞれ違うけど、その行動力に圧倒される。

    0
    2024年03月09日

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