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吾輩の夢枕に立ったのは、なんとあの漱石先生だった。先生は、『それから』で夫を捨てたヒロイン美千代の“それから”を探るよう頼んできた……道ならぬ恋の続きに迫る漱石三部作・完結篇!
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Posted by ブクログ
こんな夢をみた。 『夢十夜』を含め、『吾輩は猫である』『こころ』『それから』も登場人物の名前や特徴は憶えていても物語の詳細は忘れてしまっていて、また読み返してみたくなりました。 猫好きなので、『吾輩』が大活躍で楽しめました。 主人(夏目漱石)に対して「語り手が死ねば小説が終わるという根性が小説家とし...続きを読むていかにも志が低い」「小説の最後に甕を用意して殺すとは非道いではないか」などと弾劾するラストがとても良い。成仏出来て良かったねと読後感はスッキリ。
初出の記載なく書き下ろしか 死後の 猫の"我輩"の夢枕に死後の漱石が立ち、『それから』の三千代がどうなっているのかを、"我輩"の思念が映像化することで調べさせると、物語の登場人物たちは、その後もそれぞれの人生を歩んでいた、というお話。 三千代と結婚した...続きを読む代助は失踪し、福島の川で梅花藻の上に身を横たえオフィーリアよろしく水死。天麩羅屋を営んでいた三千代はその後自殺しようとしていた『こころ』の先生(本名佐藤一郎)を助け、代助と呼んで家に置く。 代助の墓を建てようと二人が雑司ヶ谷の墓地へ行くと、一郎の墓が建てられ、先生を慕っていた学生(本名佐藤二郎!)と妻がねんごろになっていた。一郎と三千代もねんごろになるが、元夫平岡の復讐によって代助の実家が没落したことで三千代は寝付いて鈴蘭に埋もれて死んでいく。 弔問に来た平岡に、漱石が”我輩”に命じて鈴蘭を行者ニンニクに混ぜさせたものを、一郎が天ぷらにしてして供して平岡は中毒死した。”坊っちゃん”だった刑事(本名多田金之助!)に死因を教えられた一郎は潔白を証しするため残りの天ぷらを食べて死に、多田によって”代助”として三千代と一緒に葬られる。 "我輩"は殺人に荷担させられたと知って漱石を糾弾するが、成仏してゆく。 物語の人物たちが実在の人生を生きていたかのような錯覚に陥って面白い。
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