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脳の疾患やこころの問題を、ゲノムから解決しようとするゲノム脳科学。その急速な進展により、性格や知能と遺伝子の関係が続々と明らかになりつつある。個人の遺伝情報を治療に役立て、相性をゲノムで占う社会がすぐそこまで来ている。斯界のトップランナーが、国内外の最新研究世界を踏まえ、パーソナルゲノム時代の可能性を展望する。
[目次]
第1章 こころはどこにある?
1 自分を自分たらしめているものは何か
2 ゲノム、DNA、遺伝子
3 こころは遺伝するか
第2章 遺伝子ターゲティングが拓いたこころの研究
1 遺伝子操作で遺伝子のはたらきがわかる
2 カルシニューリン欠損マウスの実験
3 統合失調症モデルとしてのカルシニューリン欠損マウス
第3章 こころの病に挑む
1 こころの病を持つマウスを見つけ出せ!
2 マウスの脳で何が起きているのか
3 ゲノムの「解読」から「機能」を探る時代へ
第4章 パーソナルゲノム時代の到来
1 ゲノムは個人のものになった
2 「私」の遺伝子情報を解析する
3 遺伝子解析サービスを受ける前に
第5章 ゲノムで性格や相性がわかるのか
1 性格診断と科学
2 こころや知能に影響を与えるスニップ
3 ゲノムによる性格・知能診断は実現可能か
第6章 ゲノム脳科学と近未来
1 究極の個人情報・ゲノム
2 ゲノム情報と「命の選別」
3 パーソナルゲノム時代をどう迎えるか
※アプリの閲覧環境は最新バージョンのものです。
Posted by ブクログ
自分の全ゲノム情報を安価に解析してもらえる時代がすぐそこまで来ている。本書では特定の遺伝子をノックアウトしたマウスによる研究成果から、遺伝子がこころの病に対してどんな影響を及ぼしているのかが解説される。後段ではゲノムで性格や知能がわかるのかといったことや、著者自身が遺伝し情報解析サービスを受けてわかったことの紹介も。全体に解説はわかりやすいが、タイトル通りの本になっているか、一冊を通してのまとまりには欠けるきらいがある。重要なのは、たしかに遺伝子は性格を決定する大きな要素ではあるけれど、膨大な数の遺伝子がかかわっていることであって、遺伝子のひとつやふたつでは決まらないということを理解しておく必要があること。肥満遺伝子の解析サービスなども盛んだが、これもたかだか数個の遺伝子を解析するだけで、なぜそんなことが言えるのかと構えるべきだと思う。
Posted by ブクログ
また文系の私には驚異的なお話です。
脳の機能から人間とは?というアプローチをしている脳科学。それとは違うアプローチの仕方だけど案外正解に行き着いちゃうかも、と言うのが遺伝子からのアプローチです。
背景には遺伝子解析技術の急速な進歩があります。病気になりやすいかどうかなどを左右する遺伝子の型、10000パターン位に絞った検査なら、数万円、三週間ほどで結果が出る、と。「このペースで行けば数年のうちに10万円程度のコストでその人の全ゲノムの解析ができるのでは?と論じます。
また、遺伝子の特徴が病気に直接影響するのではないか?と言う例として統合失調症を上げます。実はマウスの段階では、遺伝子の操作によりほぼ統合失調症に近い症状を人工的に再現出来るのだそうです。
でもまだ、「こころ」とは何か、どう言うメカニズムで発生するものなのかは「分からない」。
人間のゲノム解読、ってついこの間のように思っていましたら技術はもうここまで来ているんですね。
Posted by ブクログ
内容は悪くないんだけど、タイトルから感じるワクワク感が満たされなかった、と感じたので☆3つ。
結局「こころに影響をあたえるのはゲノムと環境のどちらもです」が結論で、そりゃそうだわな、という感じ。後半のゲノムビジネスについての考察はそれなりに興味深いけど、タイトルから期待していた「何か」とは関係ないように感じてしまった。
でも前半は、ぼくのような素人が遺伝子の仕組みから脳科学の触り、研究の実態に触れるには良い内容だったと思う。記述が丁寧なので、ちゃんと頭に残ってる。細胞核、染色体、遺伝子、DNA、mRNA、tRNA、アミノ酸、タンパク質、ATGC、SNIP...とかとか。
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