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M&Aの成功とは、何よりM&Aに期待した「自身の目的を達成すること」、と「多様なステークホルダーの評価を手にすること」を両立すること。それは、単にその案件が成立することとは異なる。統合後の企業価値をいかに高めるか、実際の企業事例から導き出された成功戦略を説く。
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Posted by ブクログ
PMIについて実例や実際の成功や不成功の統計データを用いて書かれており、規模にかかわらず参考になる点がとても多い。
M&A「成立」後、「成功」している企業は3割程度という調査結果がある。 M&Aは合併、買収した時点ではなく、その後、会社がシナジーを出していけるのかが重要である。 本書では、そんなM&A成立後のポストM&Aの成功のために必要な事項を事例を紹介しながら解説してい...続きを読むる。 成功企業の傾向 M&Aを実行することを決めたDay0から、買収・合併初日のDay1までの間に企業のあるべき姿(経営計画)、組織、役員、人事制度、変化をモニタリングする仕組みの構築等の改革の骨組を作り、実行するということである。 また定性的になりがちなM&A後の姿を定量的に評価することも求められる。 成功のために必要なことを上げていたらきりがないが、ごく限られた期間でM&Aを成功させるためには、各種専門家が必要なことを改めて実感する。自分自身、コンサルタントとならではの価値が出せる領域の一分野であると感じている。 近いうちにM&Aに参画してみたいと強く感じた。
ー このように、DAY0からDAY1までの間に、“交渉上” の数字から実現を見据えた “実現上”の数字に置き換えていくプロセスと、そのような過程を経てDAY1において実現に向けて必要な手立てを備えられるかどうか、 それがシナジー効果を幻想に終わらせず、 成果を現実に手にしていく上での最初のバロメータ...続きを読むーになるのである。 2つ目の実現性を高めるという観点については、シナジー効果をDAY1 までに定量化し財務諸表レベルへの落とし込みを行うことは、DAY1以降のシナジーマネジメントのPDCAサイクルを運用する出発点を作ることになる。DAY1でPDCAのP、つまりPLANの部分をしっかり持っておけるかどうかで、その後のPDCAサイクルの精度が大きく変わってくる。 通常の事業会社は、中期経営計画や単年度の予算計画に従って日々のオペレーションを実行していくが、 シナジー効果の分析はM&Aの交渉プロセスの中で別個に行われるため、そのままにしておくと事業サイクルとの結びつきが希薄になり、それぞれが連携せず乖離した状態のままになる危険性がある。実際に多くの企業では、M&Aの担当チームが出したシナジー効果の数字が、対外的には全社の数値目標として語られているにもかかわらず、 社内ではほとんど共有されておらず、事業部門レベルでは目標として落とし込まれていないがゆえに、当時算出した数字がDAY 1以降もそのまま据え置かれているケースが多い。したがって、そのような状況を回避し、DAY1以降も経営としてシナジーをマネジメントできる仕組みを構築することが重要である。 ー M&Aについてはいろいろ語られるけど、結局大事な事は、 (1)戦略と本気で向き合え (2)基本原則に徹底的に忠実になれ (3)過去の失敗から学べ なんだと思うな。
アンケート調査の解析と考察はやや難があるが、ケーススタディは興味深い。ポストM&Aマネジメントは特殊な条件の経営改革というだけで、やるべきことは変わらないということか。
M&Aはゴールでなく手段。成功に導くためのセオリーを丁寧に指摘している。 2つの会社が一緒になった時の留意すべき全体的視点の理解に役立ちました。
PMIには、制度やシステムといったハード面と同じかそれ以上にビジョンとか士気とか風土とかいうソフトな面が大事なんだなあというのが伝わってくる。ソフトの面はなんだか漠然としていているけれど、けっして精神論なんかではない。漠然としたソフト面をどうやって汲み取ってよいものにしていけるか、そのための仕組みを...続きを読む構築できるか、それがPMIの成功の分かれ目なんじゃないか。この本に書かれているケースを読んでも、どの会社もそこに苦心して試行錯誤しているのがわかる。 よく考えてみると、ビジョンや士気は決してPMIの時にだけ大事なんじゃなくて、企業経営のあらゆるシーンで大切なはず。ここで紹介されている会社は統合に際して大きな苦しみを味わっただろうけど、M&Aというイベントをきっかけにソフト面を考える機会を得ることができたの幸運なことかもしれない。逆に、そういうイベントもなくソフトについて考える機会もないままずるずるときてしまっている会社もたくさんあるだろう。そう考えると、M&AやPMIに直面している会社だけでなく、どんな状況の会社にとっても役に立つ内容がこの本には書かれているんじゃないだろうか。
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